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杉浦 修 院長の独自取材記事

学芸大学ファミリークリニック

(目黒区/学芸大学駅)

最終更新日:2021/10/12

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2003年に学芸大学駅に開院した「学芸大学ファミリークリニック」。院名に込められたのは「すべての患者は自分の家族である」という杉浦修院長の患者への熱い想いだ。この地で開業したのも高齢者から子どもまで一家そろって通ってもらえそうだからと話す杉浦院長自身も、地元のつながりが強い町の出身。11代続く医師家系に育ち、幼少の頃から祖父や父の町の医師としての働き方を見てきたことで、患者ファーストの姿勢を自然と継承。水曜以外は毎日診療、携帯電話の番号を患者へ渡し、24時間365日医師として地域の健康を支えている。時には厳しく、愛情を持って患者に対応する杉浦院長に、自身の診療のスタンスや患者との向き合い方を聞いた。

(取材日2018年9月14日)

生活スタイルに合った患者主体の医療を実践

日々の診療では患者とどのように接していますか?

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基本的には患者さんの訴えをお伺いしてから、まずはどういう病気なのかをお話して治療方針を決めていきます。患者さん一人ひとり年齢、性別、職業といった生活スタイルがまったく違いますから、それに合わせた薬の出し方をして、これならできるかなということをご提案しています。そうすると患者さんはなるほどねとついてきてくれますね。また薬を出すだけではなく、当院では子どもの患者さんを中心に、4、5日分の朝昼晩の体温や食事量、体調を記入する用紙をお渡ししています。記録された熱の上がり方を見ると、大丈夫な熱の出方なのか気になる熱の出方なのかが一目でわかります。そう言ったことを細かく伝えることで患者さんの知識を増やし、自身で病気を治していくということを伝えていくのも僕らの仕事だと思っています。

患者主体の医療ということですね。

僕の祖父も医師でしたが、夜でもいつでも患者さんがやって来ると祖父は白衣を羽織って出ていきました。同じく医師である僕の父も患者さんの具合が悪いとすぐに病院に戻っていました。昔、僕が父に言われたのは、医師という職業を自分で選んだのなら24時間365日医師であれということ。ですから、僕も祖父や父と同じように夜中でも電話が鳴れば「どうしたの?」と応対しています。特にお母さんたちは不安を話すだけで安心できるんですよね。そういったときに的確なアドバイスができるように、救命救急で経験を積み最低限の知識を身につけました。開業して16年「今すぐ119番に連絡して」と伝えた患者さんは2桁にのぼります。搬送先の病院にも駆けつけ普段の診療の様子を伝えることもありますが、それも僕にとっては当たり前のことですね。

この町の人は安心して生活できるのではないでしょうか。

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ただ、昼間に時間があったのにクリニックが空いているからと、診療時間終了のギリギリに来たり、20時過ぎて特別な用もないのに子どもを寝かさずにいる人などには、ひとこと言わせていただいています。子どもは成長のため、少しでも早く寝かせるに越したことはありませんから。これは医療に限ったことではありませんが、どれだけ人に対して思いを伝えられるかということは、とても重要でなかなか難しいことです。話をしてわかってくれればよいのですが、理解力は人それぞれですし僕の伝え方が悪いのかもしれないので、うん?という顔をして聞いているようであれば、少しかみ砕いた言い方をしていますね。その上で薬を飲んでも治らないと言われたら、ごめんねと謝ってもう一度詳しく診察し直す、薬を変えるなど、オーダーメイドの医療で向き合っています。

患者は家族。話をよく聞き想いに共感する

独自のインターネットでの順番待ちシステムを導入されたと伺いました。

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当院のクラウド型予約システムは、実はある患者さんとの雑談の中から生まれました。このシステムは患者さんが、自分の診察は何番目で何分後に回ってくるかがリアルタイムでわかる仕組みになっています。それによって待ち時間について改善されるほか、クリニックでの滞在時間が短くなることで、待っている間に病気をもらってしまうことも防げます。それだけではなくインフルエンザの予防接種や通常の診療の問診表も、ウェブ上で事前に家庭で用意することも可能になりました。地域の先生ともクラウドでつながることで、よい意味で患者さんをシェアできるので、まずは目黒区がモデルケースとなり、同じような診療体系がどんどん広がっていってほしいと思っています。

クリニックと患者の両方にうれしいシステムですね。

僕は医師と患者さんという線引きが好きじゃないので、患者さんにはいつも僕らは1つのチームだと話しています。ファミリークリニックと名づけたのは、患者さんは家族と同じだから。だから夜中に電話があって呼び出されてもなんとも思わないんです。自分の親だったら子どもだったらと思って診療をさせていただいていますし、大学病院時代からチームワークを大切にしてきたので、そういうビジョンを常に持っています。目黒区、世田谷区にはよい開業の先生がいっぱいいます。誰に何を言われなくても目黒区民のため、自分の患者さんのために丁寧に診察されている先生はたくさんいるので、そのことをもっと知っていただきたいですね。

患者とのコミュニケーションで意識していることはありますか?

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目の前の患者さんの命を1秒でも1分でも動かすにはどうすればいいのか、この人はどうしたいんだろうということを踏まえてコーディネートしていくためには、患者さんやご家族の話をよく聞いてやっていかなくてはいけません。日常の診療の中でも、この風邪はいつ治りますか?と聞いてくる人はいますが、そういうときは、それはあなたが決めることで、治すのはあなただからとお話ししています。ただ、4日間で治したいと言う人には少し強めの薬を出したり、要望にはできるだけ寄り添います。人と人とのやりとりというのは、相手にどれだけ共感できるかが重要で、これは医師である限り一生の課題になってくると思いますね。

想像力を働かせて患者の気持ちをくみ取る

患者と共感し合うというのは簡単ではないと思います。

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一緒に泣いたり苦しんだり、患者さんの気持ちに寄り添う際に必要なのは、想像力を働かせることです。直接ありがとうと言われる仕事がしたくて医師になり、今日の仕事がどれだけ楽しく、他の人のためになるかをいつも考えてやってきました。10年先、20年先のことよりも、ただ目の前の患者さんが当院に来て良かったなと思ってくれればそれで良いと思っていましたし、今日できることを100%やるため150%の努力をするというのが僕のスタンスです。どんな仕事でも思いやりは空想や想像から生まれます。この人はまだ何か言いたそうだなと思ったら、想像力を働かせて上手に相手の気持ちをくみ取ってあげる。そして立ち入りすぎない。その線引きは学歴などでは測れないセンスですね。

先生ご自身の息抜きはどうされていますか?

少し息抜きしたいなと思ったときは医師ではない友人たちと出かけて、一度頭の中を空っぽにしてから新たな気持ちで次の診療に臨んでいます。あと、ジムに通いパーソナルトレーナーのメニューに従ってきつめのトレーニングをすることも。その時は本当に肉体的につらくて、無になっていますよ(笑)。でもポケットの携帯が鳴ればすぐに頭を切り替えられます。昔からの患者さんには、頼むからちゃんと休んでねと心配されていますが、そんな家族のような関係性がどんどん大きくなってきています。そうなると僕一人ですべてを担うのは難しいので、同級生や近隣の先生など皆を迎え入れて、大家族の中心になる人が増えてくれればとてもうれしいです。

最後に、地域の皆さんへメッセージをお願いします。

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昔、尊敬する先輩の医師から「僕らはピラミッドの頂点にいるのではなくいろんな人の生活を守るために底辺にいる人間だから」と言われたことがありました。そのとおりだと思いますね。地域の皆さんはたとえ整形外科の領域であろうと耳鼻科の領域であろうと気軽に受診していただいて構わないですし、来てくれる人には町のコンビニと同様の便利さも提供していきたいと思っていますが、あくまで病気を治すのは患者さん自身です。僕ら医師は治すためのお手伝いをする存在にすぎないので、きちんと出された薬は飲む、休むときは休むと、自ら治る努力をしていただきたいですね。患者さんの本気には本気でかえしたいと思っていますから、不安なことがあれば、気兼ねせずに何でも相談してみてください。

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