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竹本 正興 院長の独自取材記事

たけもとクリニック

(豊川市/愛知御津駅)

最終更新日:2019/08/28

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JR東海道本線愛知御津(あいちみと)駅から車で5分ほど、シンプルな白い外観の「たけもとクリニック」は周囲の風景に溶け込むように建っている。院長の竹本正興先生は呼吸器内科が専門で、勤務医時代は主に肺がんの患者を多く診てきた。その経験を生かし、現在もがんの早期発見に努めるとともに、気管支喘息や呼吸器系疾患の患者のほか、乳幼児の予防接種や風邪、発熱、成人の生活習慣病など幅広い症状の患者の診療にあたっている。「開業してから、患者さんの話をよく聞くことをより大切に思っています」と竹本院長。落ち着いた、穏やかな物腰は、どんな話でも受け止めてくれそうだ。生まれ育った地で開業して13年、地域医療や患者に対する竹本院長の思いを聞いた。
(取材日2017年9月15日)

呼吸器内科専門ならではの問診を診断に生かす

なぜこの場所に開院されたのか教えてください。

私はもともとこの地域の出身で、ここから100mぐらいのところに実家があるんです。現在は当院の2階が自宅になっています。生まれ育った場所でなじみがありますし、病院が多いところではなかったので、ここで開業すれば地域医療にも貢献できると思いました。住宅も昔と比べて少しは増えましたが、田畑が広がるのどかな地域です。外部から新しく来る人もそう多くなく、開業して13年もたつと自然と患者さんは顔見知りの方が多くなりますね。スタッフも8人のうち3人が開業当初から勤務してくれています。新しいスタッフも含め、皆、小さいお子さんからお年寄りまで患者さんには親しみを持って優しく接してくれています。

患者はどんな方が来られていますか?

全体の3分の1ほどがお子さんで、予防接種や風邪、発熱、大人の方ですと生活習慣病の方が多いですね。私は呼吸器内科を専門としていますので、喘息や、咳が止まらない方、呼吸器系が弱い方も結構来られています。たばこが主な原因であるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)の方も、一般内科と比べればかなり多いのではないでしょうか。専門を生かし、肺がんの早期発見にも努めています。呼吸器内科はもともとは上司の誘いで選んだのですが、全身を広く診ることができますし、じっくり考えることが好きな自分には合っていたなあと思います。

咳は、どんな症状の時に受診するとよいのでしょうか?

咳が2~3週間と長く続く、息苦しい、という症状であれば受診してください。長引く咳で一番多い病気は喘息で、ほかにはアレルギー性鼻炎、副鼻腔炎(蓄膿症)、また意外に思われるかもしれませんが、逆流性食道炎ということもあります。これらが上位4つでしょうか。呼吸器専門の医師であれば話を聞くだけで診断がつくことも多いと思います。咳がどれぐらい続いているか、1日のうちで朝や晩、どの時間帯に出るのか、発作的に出るのかどうか、冷たい空気を吸った時はどうか、動物を飼っていないか、過去に同じように長引く咳がなかったか……お聞きすることはいくらでもあります。聴診して息をする音を聞くことももちろん大事で、その後、検査をして診断を裏付けます。

患者の話をよく聞くことが一番大切

呼吸器の専門クリニックならではの検査はありますか?

一つは肺活量の検査です。これは一般の内科のクリニックでもあると思いますが、結構テクニックが必要なのです。「大きく息を吸ってください」「思い切り吐いてください」など患者さんへの声かけのタイミングがとても大事で、患者さんに上手にしていただかないといけません。当院の看護師は熟練していますので、患者さんにとっても負担が少ないと思いますよ。検査自体は5分程度。喘息を調べるために気管を広げる薬を吸っていただき、15~20分ほど時間をおいてから再度検査するので、全体で20~30分ほどですね。もう一つは、息を吐いてもらい、呼気中の一酸化窒素を調べる検査です。この機械は呼吸器内科でないとないかもしれません。検査は、2~3分で終わります。あとは胸のレントゲン撮影も行い、総合的に診断します。

先生が普段心がけておられるのはどんなことでしょうか?

開業してからますます感じるのは、患者さんの話をよく聞くことが一番大事ということです。診察時間が短いと、患者さんは言えないことがたくさんあるでしょう。話をじっくり聞けば患者さんも喜ぶし、私自身も、患者さんがぽろっとこぼした言葉が診断に役立つことがあり、話を聞くことでお互いに良いことがありますね。お子さんでは、泣いてしまう子には手を握りながら聴診器を当てるなどスキンシップが大事かなと思っています。そうすると安心するようなんですよ。あとはお話をしたり、注射をした後褒めたりします。私は二児の父親ですが、その辺は子育てと一緒ですね(笑)。総合病院に勤めていた頃は、患者さんの多くが肺がんでしたが、今、さまざまな年齢の、いろいろな病気の方と向き合えることは、私にとって大きなやりがいになっています。

長い勤務時代を振り返り、印象に残った事柄があれば教えてください。

肺がんの患者さんで、写真撮影を趣味にされている高齢の女性がいました。病院の7階に入院中も窓から見える風景を撮影していて、退院される時、その写真がたくさん入った分厚いファイルを私にくださったんです。写真には何月何日、こんなことがあった、こんなふうに思った、と日記のような言葉が添えられていて心にしみました。その方はもう亡くなりましたが、ファイルは大切にとってありますね。また私が若かった時の上司にあたる先生のことも印象深いです。20年以上前ですが、がんの告知をしっかりしようと話されていました。当時はまだそれはかわいそうという風潮があり、病院の中であつれきも生まれ、看護師たちと膝を突き合わせて議論もしました。今振り返ると、患者さんの残された人生を尊重され、それを主張されていた姿勢はすごいなと思います。

乳幼児の予防接種から高齢者の看取りまで地域のために

喘息や生活習慣病の方などは長いお付き合いになりますね。

喘息は、春と秋に悪化しやすいのですが、治療をすると良くなるので、治ったと思って途中でやめてしまう方も少なくないのです。でも実は治っていなくて、翌年同じような時期に来られます。治療を中断しないためにどうしたらいいかというのは、呼吸器科の医師の間でも難しいテーマで、絶対これだという答えはありません。私は、患者さんには最初に「喘息は治ったように思えても気管支に炎症が続いていますよ」としっかり説明することが大事ではないかと思って実践しています。喘息は症状を記録する日記がありますので、それを用いて自分自身で管理することも大切ですね。生活習慣病も通院を中断する方がいますので、そうならないよう「運動してね」とおおざっぱな言い方ではなく、「1日10分歩いてね」と具体的に、実践しやすいようにお伝えしています。ご自身のためにもやはり治療は継続していただきたいですね。

先生が健康のためにされていることはありますか?

高校、大学と陸上部に所属し長距離を走っていましたので、今でもマラソンの大会があると参加することが多いですね。普段トレーニングはしていないのですが、意外と走れるものです。当院は、福利厚生に力を入れていて、マラソンをみんなで一緒に走ったり新年会、納涼会、旅行など行ったりしているのですが、最近ではスタッフは一緒に走ってくれなくなりました(笑)。主に業者さんと走ることが多く、チームを作って走るリレーマラソンは毎年、記録を更新しています。

これからどんなクリニックにしていきたいですか?

患者さんが必要なときに必要な医療を提供することが、医師として最も大事なことかなと考えていますので、求められたことはなるべく断らない姿勢でいたいと思います。ただその意味で心苦しく思っているのが、往診や在宅診療です。現在、高齢者施設を3軒、個人のお宅に5軒ほど伺っており、合計で40人以上を診ています。もっとやりたい気持ちはあるのですが、どうしても時間のやりくりが難しく、新たな要請をお断りせざるをえないのが実情です。がんの末期の方も診させていただいています。ご家族は、本人の希望を叶えることができたと感謝してくださいますので、その気持ちに支えられています。これからも地域の中で、呼吸器内科という専門性を保ちつつ、乳幼児の予防接種から、さまざまな病気の診療、高齢の方の看取りまで、少しでもお役に立っていきたいですね。

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