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潰瘍性大腸炎とは
診断方法や薬剤治療の重要性について

MIWA内科胃腸科CLINIC

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2022/08/30

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  • 保険診療

潰瘍性大腸炎など炎症性腸疾患が疑われる場合、患者の外からの診察や血液検査や便検査などで、ある程度の診断はできるが、炎症の程度や病気の広がり、場所の特定に役立つのが大腸内視鏡検査だ。しかし、がん検診で大腸内視鏡検査の経験者もいる中年期の患者と異なり、潰瘍性大腸炎は若年期の発症が多く、初めて大腸内視鏡検査を受けるとなると、痛み・恥ずかしさ・違和感など不安に思う人も少なくないだろう。日本消化器病学会消化器病専門医で内視鏡検査の豊富な経験と知識を持つ「MIWA内科胃腸科CLINIC」の三輪佳行院長に、大腸内視鏡検査を含む、診断・検査の流れや治療法について詳しく話を聞いた。

(取材日2021年6月28日)

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!

Q潰瘍性大腸炎とはどのような病気なのでしょうか?
A

主として大腸の粘膜に、粘膜の傷であるびらんや潰瘍ができる病気です。原因は、遺伝や食生活の変化、環境の変化などともいわれますが、明らかにはなっていません。発病年齢のピークは30代で、毎年の患者数は増加傾向です。完治は難しく国の難病に指定されています。持続的または反復性の粘液や鮮血の混じった血便が初期症状ですが、下痢や腹痛を伴う場合も多く、重症例では発熱・貧血・吐き気・食欲不振・体重減少などがあり、関節炎といった合併症を引き起こすこともあります。放置したままですと加齢とともに、がん化する可能性が高くなります。このような症状があれば消化器専門の医師の診察を受けることが必要です。

Q潰瘍性大腸炎はどのように診断するのでしょうか?
A

まずは、粘血便の程度や排便の頻度、発熱の程度や脈拍を調べます。血液検査では、炎症・貧血・栄養状態の指標項目をチェックします。このとき、長年症状に悩んできた高齢の方などは、がん化している可能性もありますので腫瘍マーカーを検査することもあります。これらの検査結果に加えて、病気を確定させるために大腸内視鏡検査が重要になります。肛門からカメラを挿入し大腸の炎症の程度や広がりを観察、粘膜組織を採取することにより確定診断をします。同時に、他の感染性大腸炎を疑いから除外するために便培養検査も必要となります。

Q大腸内視鏡検査には痛みが伴うなど不安がつきまといます。
A

大腸内視鏡検査でご心配されることは、2点に大別できます。1つ目は、検査前に大量に下剤を飲まなければいけないこと。当院では、患者さんの状態や体質をお聞きし、お体になるべく合った下剤を処方しています。また、マニュアル任せにせず、看護師が適時に患者さんの排せつを確認し、きれいになったと判断できれば、規定の服用量以下でも検査を受けられます。2つ目はカメラを肛門から大腸に通すことの恥ずかしさや痛みですが、検査室の明かりを落とし、癒やしの音楽を流すなどリラックスしていただいています。また、なるべく痛みの少ない検査に注力していますし、挿入時間も5分程度、観察時間を入れても15~20分程度で終わります。

検診・治療START!ステップで紹介します

1医師による診察に血液などの各種検査

潰瘍性大腸炎が疑われる場合、血便の程度や排便の頻度、発熱や脈拍の回数などを調べる。炎症の程度を調べるために血液検査を行い、壮年期の患者の場合は大腸がんも視野に入れ、腫瘍マーカーも調べる。バリウム検査は炎症に影響があるので行わない。感染性大腸炎と区別するために便検査も。出血がひどく早く診断してほしいという人のために、肛門に近い直腸とS状結腸の観察に限られる簡易的な内視鏡を入れる検査を行う場合もある。

2大腸内視鏡検査の前準備

下剤の服用。チーム医療が確立している同院では看護師が患者の負担を減らすために工夫を凝らす。検査当日の下剤は患者の年齢などに合わせて3種類を用意。当日下剤を飲む量を少しでも減らせるように、前日に食べてもいい食材をまとめた看護師手作りの組み合わせ表を検査予約時に渡す。実際に、これらのクリニック独自の工夫により、基本2リットル服用の下剤が半分程度で済む場合もあるようだ。飲めない場合は錠剤も選択可能。

3大腸内視鏡検査

検査台に横になり、肛門からカメラを挿入する。患者が落ち着いて検査を受けられるように、室内は薄暗く、癒やしの音楽が流れる。素早くカメラを通すことが挿入の痛みを少なくするという。大腸の先端である盲腸までの到達時間は男性で2~3分、女性は平均して腸が長く、腸の壁が薄いので3~5分かかるとのこと。鎮痛剤は、原則使用しないことが多いが、患者の希望により用いることも可能である。

4結果説明

検査中に、画面を見て患者も病変の説明を受けることができる。正常な大腸粘膜は血管が透けて見えるが、潰瘍性大腸炎の場合、病変は赤くただれ血管を確認できず、患者にも状態は目でわかるという。検査後は、患者の希望にできるだけ沿えるような治療法の選択のために、炎症の程度と場所がしっかりと説明される。粘膜組織を採取した場合、1週間後に結果が出る。

5定期的な通院治療

炎症の程度や場所によって治療法が異なるが、目的は炎症を速やかに抑えることにある。SU剤やステロイド、免疫抑制剤などさまざまな治療の選択肢がある。また通常病院で行う生物学的製剤の治療も行っており、平日は仕事で忙しいという人は土曜日なども利用し、治療を受けることができる。適切な治療を継続しないと進行する可能性があり、大腸がんの合併症になることもあるので定期的な受診と1~2年ごとの検査を推奨している。

ドクターからのメッセージ

三輪 佳行院長

潰瘍性大腸炎は、原因が不明で根本的な治療も難しいことから、国の難病に指定されています。さまざまな要件を満たすことで医療費助成を受けることができますが、早くて10代から見られ、発病ピークが30代とアクティブな世代の患者さんが多いことから、若い自分が難病と認定されるのを表に出すことを避けたいと思う方もいらっしゃいます。難病とされてはいますが、日本では近年潰瘍性大腸炎の新規患者数が増えており、決して珍しい病気ではありません。下痢や下血、腹痛などの症状が続く方はぜひ早めにご相談ください。

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