病気の早期発見に役立つ内視鏡検査
胃、大腸ともに優しさを重視
立松整形外科・内科クリニック
(日進市/平針駅)
最終更新日:2021/10/12
- 保険診療
日本人の2人に1人が、がんに罹患するといわれる時代、胃がんや大腸がんは早期発見により、治癒が期待できる病気となってきた。早期発見のための有用な方法の一つが内視鏡検査である。胃の検査は、鼻あるいは口から、大腸の検査は肛門から管を入れて内部を観察するが、「苦しそう」「恥ずかしい」というイメージが先行し、検査を敬遠する人も少なくないだろう。「立松整形外科・内科クリニック」の立松有美子副院長は、病院の勤務医時代から10年以上検査に携わり、患者がリラックスしてできるだけ楽に検査が受けられるような環境づくりに努めている。日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医でもある有美子副院長に、胃、大腸の内視鏡検査について詳しく教えてもらった。
(取材日2021年7月31日)
目次
患者に合わせて声をかけ「優しい空気感」をつくり、培った技術を用いて苦痛の少ない内視鏡検査をめざす
- Q貴院では胃、大腸ともに内視鏡検査ができるそうですね。
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A
はい。上部消化管内視鏡検査では、食道、胃、十二指腸の状態を調べることができ、下部消化管内視鏡検査では大腸を調べます。いずれも先端にカメラがついた管を、鼻か口、また肛門からそれぞれ挿入して撮影していきます。当院では2021年4月のリニューアル時に先進の検査機器を導入しましたので、高画質なカメラで詳細に粘膜を観察することができます。前身の「立松クリニック」時代から毎年受けている方に加え、内視鏡検査をしたことがないという患者さんの来院も徐々に増えております。日々、胃および大腸の内視鏡検査に対応しています。
- Q内視鏡検査で何がわかるのでしょうか?
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A
内視鏡検査は、粘膜の炎症や出血、ポリープの発見に役立ちます。上部消化管内視鏡検査で多いのは、逆流性食道炎や胃炎、胃・十二指腸潰瘍などで、食道・胃がんも見つかることがあります。大腸内視鏡検査では、大腸がんのほか大腸ポリープ、大腸憩室炎、潰瘍性大腸炎やクローン病のような炎症性疾患の発見に役立ちます。過敏性腸症候群(IBS)が疑われる場合も内視鏡検査によって粘膜の状態や、器質的な異常がないかどうかを確認できます。胃のポリープはほとんどの場合、治療適用ではなく経過観察となりますが、大腸のポリープはあらかじめ患者さんの同意を得て、同日に内視鏡下で切除することもできます。
- Q年齢や症状など、どのような患者が受けるべきですか?
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A
病院勤務時は20代の胃がんの患者さんも診ていましたので、年齢というより、何か気になる症状があれば早めの受診が望ましいということですね。「胃が重い」「食欲がない」「便の状態が気になる」などのほか、加齢とともに体が変化し、老化現象なのかどうか、また不調だけど何科に行ったらいいのかわからないなどのお悩みがあるときも受診されるとよいと思います。診察で必要と診断されたら内視鏡検査に進みます。胃の検査としては従来、バリウム検査とも呼ばれる上部消化管エックス線間接撮影による検診がありますが、そこで引っかかると内視鏡検査となります。進行がんを見落とさないためにも最初から内視鏡検査でもよいかもしれません。
- Q内視鏡検査の大まかな流れを教えてください。
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A
胃の検査では、事前に朝食を抜いて来院していただきます。当院では細い管を使用して経鼻での検査をメインに行いますが、鼻腔の狭い方や花粉症などで鼻が詰まっていて中で出血しているような方は、口から挿入します。検査自体は5~10分で、その後診察室でモニターに画像を映しながら結果を説明します。一方、大腸の検査は事前に下剤をお渡ししますので、前日夜から当日の午前にかけてご自宅で飲み、その後来院していただきます。前日の食事は消化の良いものにしてください。ポリープを切除した場合は検体を病理検査に送り、後日、説明を行います。
- Q貴院の特徴について教えてください。
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A
自分ではあまり意識していなかったのですが、私が女性ということで女性の患者さんにも気楽に受けていただけるのではないでしょうか。また患者さんがリラックスできるように、当院では声をかけ、「優しい空気感」をつくり出すことに心を砕いています。検査中、「今は少し痛いですよ」「ここからは少し楽になるので、入ってしまっている体の力を抜いてください」と優しくお伝えするようにしており、さらに気がまぎれるように、患者さんがリアルタイムで検査中の体内をモニターで見られるようにもしています。検査をサポートする看護師は内視鏡検査の経験が豊富で、患者さんが安心できるように寄り添ってサポートします。