川村 麻規子 院長の独自取材記事
こどもクリニックmom
(佐倉市/京成臼井駅)
最終更新日:2026/10/19
京成本線京成臼井駅南口からすぐの所にある「こどもクリニックmom」。川村麻規子院長は、長年、自身の子育て経験を生かした小児診療を行っており、子育て相談にも積極的に対応している。長く診療を続ける同院には、かつて来院していた子どもが大人になり結婚して、その赤ちゃんを連れてくることも多くなったという。「孫に会うような感じでうれしいですね」と明るい笑顔で話す川村院長。川村院長は、日々の診療に加えて、印旛市郡医師会副会長として、地域全体の医療の質の向上をめざす活動にも精力的に取り組んでいる。親しみやすい気さくな人柄が魅力的な川村院長に、小児科医療や地域医療への思いについて聞いた。
(取材日2026年8月19日)
子どもだけでなく母親も大切にしたいという想いで
今、どのような患者さんがいらっしゃっていますか?

当院はスタートしてから長年がたちますので、最初は子どもとして来ていた方が、今ではお母さんとなって赤ちゃんを抱いて来るということも増えています。いわば2代目の患者さんです。まるで孫に会うような感じでとてもうれしいですね。患者さんの症状としては、あまり大きな変化はないですね。お母さんの心配事は、いくら時を経ても同じです。一人のお母さんが心配することは、どのお母さんでも心配になること。子育ての悩みについて根本的なことは変わっていません。ただ、最近は、お父さんとお母さん2人で来られるケースがとても増えています。
父親も育児にしっかり参加するようになったということですか。
もともと当院はお父さんがお子さんを連れていらっしゃることが多かったのですが、最近はご夫婦そろって健診や診察に来られるケースが増えました。男性も育児休暇を取りやすくなった背景があるのでしょう。ご夫婦で協力して子育てに向き合われている様子が伝わってきて、小児科医としてもたいへんほほ笑ましく感じています。当院では予防接種の時に動画撮影を許可しており、お二人で来院してお子さんの様子を撮影される方もいらっしゃいます。注射に驚いて泣いてしまうこともあるかもしれませんが、そうしたありのままの姿も映像で残しておくことは、後から見返したときにすてきな成長記録になりますよね。そうしたご家族の大切な思い出の記録に、私が登場できることは、とてもうれしく思っています。
そもそも先生はどのようなきっかけで開院したのですか。

私は東海大学医学部を卒業し、山梨大学で5年勤務した後、結婚・出産を機に慶應義塾大学の関連病院で外来診療のみ行っていました。その時期は家事や子育てにほぼ専念していて、公園デビューしたり幼稚園の役員をやったりしていたのですが、その時にお母さんたちが悩んでいることについて「本当は小さいことなのに……」と感じることが多くありました。私に何かできることはないかと考えた時、お母さんが安心できるクリニックをつくりたい、少しでも子育てを楽しんでもらえるようなクリニックをつくりたいと思ったのです。下の息子が小学校に上がるのを機に当院を立ち上げました。クリニック名の「mom」には、「お子さんのことはもちろん大事だけど、お母さんも大切に考えています」という意味と、私自身も子育て真っ最中だったので「自分も同じ母親なのですよ」という意味を込めました。
不安を軽くするために経過の目安なども丁寧に説明
改めて先生の診療方針を教えてください。

月並みですが、「しっかり時間をかけてお話をすること」です。症状の原因や治療内容についてお伝えするのはもちろんですが、今後どのように経過していくのか、どうなったらもう一度来てほしいのかという今後の目安もお伝えします。例えば子どもの発熱は、朝に体温が下がって夜に発熱するという状態が続くこともあるのですが、その体温変化の経過を事前に知っていれば、夜、再び発熱しても慌てなくて済むと思います。親御さんたちの心配の範囲を少しでも狭めて差し上げたいのです。また、医師であってもどのような疾患なのか、その時点でははっきりとわからないケースがあります。ただ、様子を見て良いのかどうかは判断できますので、現時点ではわからないということも含め、現状をきちんとお伝えします。また、お母さんとの話からお子さんの病気の背景が見えてくることもありますので、しっかりとお母さんのお話を聞くようにしています。
診療を行う上で心がけていることは何ですか?
診療は子どもを主体に考えており、子どもの話もしっかり聞くことにしています。一人で座れる子には一人で座ってもらって、「今日はどうしたの?」と。小さい子でもきちんと返答してくれます。また、診察時には子どもの第一印象を重視しており、言動や顔色、表情などから、元気なのか元気じゃないのか、何か疾患がありそうなのかを見極めます。私は、診察室に入ってきたときのお子さんの様子をとても大事にしているのです。小児科の医師にとって「何かおかしい」という感覚は、何より大切なこと。咳や熱などの細かな症状に目を向けるのはもちろんですが、それ以上に「いつもと違う」「何かおかしいな」と感じた違和感は、決して見過ごさないように心がけています。
育児相談も行っていると聞きました。

育児相談は小児科として当たり前のことだと思います。診察や健診の際には「心配なことはありませんか?」と必ずお声かけしています。私は壁をつくらず誰とでも話せる性格なので、お母さんのほうも病気や育児のことだけでなく、家庭環境のことなども相談してくれます。今は、困ったことや、わからないことがあればすぐに調べることもできます。しかし、数ある情報の中で何が正しいのか、情報をどのように取捨選択すればよいのかわからないということも多いでしょう。そのような時は「すぐに聞きに来てね」とお話しています。私が実際に子育てをしていたのは30年くらい前ですが、時代環境が変わっても子育ての根本的な部分は変わっていませんし、お母さん方の悩みごとは変わりません。過去の長い診療の中でさまざまなお子さんを診てきていますから、それらの経験を生かしながら、お母さん方の不安を少しでも取り除ければと思っています。
学校保健やいじめなど地域社会の課題にも取り組む
地域での活動も積極的に行っていると聞きました。

以前お話した異業種の方々との交流で刺激を受けたことをきっかけに、クリニックの診療以外に自分にできることは何かないか、自分にしかできないことで地域社会に貢献できることはないか。そのようなことを考えるようになり、医師会の活動の一環として学校保健に取り組んできました。学校健診に関する啓発アニメーションの制作や、予防接種に関する情報発信などを行ってきています。現在は、印旛市郡医師会副会長として、地域全体の医療の質の向上とともに、地域の子どもたちがより良く育っていくための環境づくりに励んでいます。多様性社会への対応も重視していて、県医師会や地域の医師会などとも連携して取り組んでいます。その他にも、行政や千葉県警と協力して、医療の枠を超えて多方面から子どもたちの安全を支える取り組みにも力を注いでいます。
ところでプライベートはどのようにお過ごしですか。
今お話ししたさまざまな委員会や協議会は平日に多く開かれますので、休日は夫と散歩したり、食事を楽しんだりしています。都内に住んでいますので、代官山あたりを歩くのが楽しいですね。実は私、意外とオタクで、深夜にゲームをしたり、アニメを見たりするのも大好きです。診察室では子どもたちに「夜は早く寝るんだよ」と言い、お母さんたちには「無理しないでね」とお伝えしているのに、私自身が「あと少しだけ……」のつもりが、やめられなくなってついつい深夜までということも多いんですよ(笑)。私が一番趣味で夜更かししているかもしれないというのは、子どもたちには内緒ですね。
では最後に今後の展望とメッセージをお願いいたします。

患者さんへのメッセージはお一人お一人異なりますので、それぞれの方に丁寧にお話していきたいと思います。これからも自分にできること、また、自分にしかできないことに真摯に取り組んでいきたいと思います。それとプライベートの時間もこれからはもう少し大切にしていきたいなと考えています。年齢的なこともありますし、これからの人生、夫との時間も楽しんでいきたいですね。地域の仕事についてもできることを続けながら、この地域の子どもたちがより良く育っていけるよう、私自身の子育て経験も踏まえて全力で貢献していきたいと思います。何かあればいつでも気軽に頼ってくださいね。

