医療法人社団多聞会 香取整形外科

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香取勧院長

医療トピックス

軟部組織診断に力を発揮する
整形外科の超音波診断装置とは

医療法人社団多聞会 香取整形外科

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靭帯などのX線写真では写らない軟部組織を、非侵襲かつ簡便に検査することができる超音波診断装置。近年はX線写真、MRI、CTに次ぐ「第4の目」として整形外科でも注目されている。例えば、捻挫による腫れなどは、どこの靭帯がどの程度損傷しているかまで診断可能だという。整形外科ではまだなじみの少ない超音波診断装置を導入する香取整形外科の香取勧院長に、その特徴やメリットなどを聞いた。(取材日2014年7月24日)

筋や腱の動きをリアルタイムに見て確認。画期的な診断ツールが、軟部組織の精密診断を可能に

超音波診断装置とはどのような機械なのですか?

13304 mt 1 q1 1411024904 ▲筋や腱の動きがその場で確認できる 基本的には内科検診や、妊婦検診で胎児の状態を確認したり、心臓や肝臓などの内臓の診断に用いられる超音波(エコー)検査と同じと考えていただけばよいでしょう。患者さんの体に対して影響のない超音波を利用した安心で簡便な検査です。当院では、主にX線画像ではわからない軟部組織の検査に用いています。X線画像は骨の状態はよくわかりますが、軟部組織までは写りません。一方、超音波は筋肉や腱・靭帯の損傷、断裂、内出血や軟骨の状態などを、リアルタイム画像で確認することができます。これまで整形外科の画像診断ではX線検査が広く普及しており、詳細な画像診断にはCTやMRIが用いられてきました。さらに最近では、装置のデジタル化、高周波化により画質が飛躍的に向上した超音波診断装置が、「第4の目」として整形外科でも注目を集めています。

超音波検査で診断できるのはどのような疾患ですか?

13304 mt 1 q2 1411024904 ▲軟部組織の状態がよくわかる超音波診断装置 捻挫に伴う靭帯断裂や腱損傷、肉離れなど、軟部組織診断にとても有用です。例えば、手関節や足関節を捻じって腫れている場合、X線写真では「骨折や脱臼がない」ということしかわかりません。以前であれば、骨が折れていなければ「大丈夫」ということで経過を診ていました。しかし、X線写真に加えてエコー検査をすることで、どこの靭帯がどの程度損傷しているか、あるいは断裂しているのかなど、重症度の診断ができます。「捻挫だけどギプス固定の方がいい」とか、逆に「固定は必要ない」など、最適な治療法を選択できるのです。また、足関節捻挫・肩腱板断裂・アキレス腱断裂など、外傷には視診・触診と併用して利用します。その他にも手根管症候群や、手指腱鞘炎・バネ指などの炎症性疾患でも腱鞘の肥厚や狭窄などを確認することが可能です。

実際の検査方法を教えてください。

13304 mt 1 q3 1411024904 ▲痛みや被ばくがなく安心して検査を受けられる 基本的に診察室の椅子に座ったまま検査の対象部位にゼリーを塗り、発振子(プローベ)を軽く押して行います。損傷部をモニターに映し、患者さんと一緒にその場でモニターを見ながら診断をすることができます。また、検査による痛みがなく、被ばくなど身体に与える影響もないので、小さなお子さんや妊婦の方でも安心して検査を受けていただくことが可能です。このように気軽に検査ができますから、治療中も癒合状況や回復の確認が簡単にできることもメリットの一つです。

その他にも特徴的なことや、メリットはありますか?

13304 mt 1 q4 1411024904 ▲検査をしながら院長が詳しく説明してくれる 超音波の利点は動きを見ることができることです。運動器軟部組織に関して、「動きを診る」ことができるのは非常に画期的で、他の検査機器にはない特徴です。例えば、患者さんに指を動かしてもらえれば、筋や腱が動いている画像を、その場でリアルタイムに確認できます。当院でエコーをよく利用するのは、肩関節と足関節です。肩動きが悪い場合、五十肩なのか、腱板断裂や損傷を伴うのか、肩を実際に動かしてもらいながら画像を見れば、より正確な診断が下せます。また、足関節の捻挫では靭帯損傷の重症度や内出血などの程度が鮮明に確認できます。手軽に扱えるので問診・触診の延長として利用することができることも、エコーならではの特徴と言えるでしょう。逆にデメリットは、骨などの硬組織は画像で捉えらることができないこと。医師が使いこなすまでに多少のトレーニングが必要な程度で、メリットがとても大きい検査方法だと言えます。

ドクターからのメッセージ

香取 勧院長

超音波診断装置の最大の利点はX線画像では判断が難しい筋肉・腱・靭帯の損傷や断裂、出血の有無や軟骨の状態などをその場で確認できることです。損傷の程度・範囲・出血量などから、治療法の選択や期間を決めることができるので、軟組織診断の精度向上に大きく貢献しています。しかし、私が最も大切にしているのは診断ツールありきの診察ではなく、従来の視診・触診検査です。自らの経験や勘を生かした視診・触診と、X線写真や超音波を組み合わせることで、より正確な診断が可能になります。こうした丁寧な診察や説明を心がけているため、時間がかかってしまうこともあります。お待ちいただいている患者さんには、申し訳なく思います。

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