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香取 勧 院長の独自取材記事

香取整形外科

(世田谷区/上町駅)

最終更新日:2020/07/22

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東急世田谷線の上町駅から徒歩約5分の「医療法人社団多聞会 香取整形外科」を訪ねた。デイケアや訪問看護など介護的な機能も含め、地域に密着した医療を提供し続けている同院。検査やリハビリテーションに使用する医療機器は新しいものを多数導入し、正確な診断を心がけている。患者は小学生から高齢者、スポーツ選手など、幅広いという。「患者さん一人ひとりに敬意を持って接します」と話す院長の香取勧先生。医療と介護をつなぐクリニックとして地域に貢献したいという思い、同院のリハビリの特徴、趣味のマラソンについてなど、幅広く話を聞いた。
(取材日2019年9月11日)

患者の「自立」を第一に考える

こちらのクリニックの診療方針を教えてください。

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大切にしているのは患者さんの「自立」です。例えば腰痛は医療的な介入が限られてしまうために、患者さんはマッサージなど与えられるサービスにどうしても頼りがちになります。そうなってしまわないよう、ストレッチや、体幹の筋力強化・姿勢の指導などによって、患者さん自身で症状の改善をめざせるサポートをしていきたいと考えています。腰痛以外でも、運動器疾患の多くはリハビリによる自己対処が可能です。また、患者さんが自立した生活を営む上で、地域とのつながりも大切になってくるでしょう。私は地区連携医療事業にも携わっており、世田谷区の地域包括支援センターでケアマネジャーや介護職、医療職、リハビリ担当の方と話をしたり、一緒に勉強会をしたりするなどして、医療と福祉の連携に努めています。地域の医療と在宅福祉、病院などをうまく仕組み化していけたらと考えています。

診療の際に超音波機器も各種導入されていると伺いました。

整形外科において超音波の用途はさまざまで、高出力のものは筋・靭帯の治療に使い、低出力のものは骨折治療に使います。診断用のエコー検査はご存じの方も多いかもしれませんね。例えば、足首をひねって腫れている時に、エックス線検査では確認の難しい部分があるため、「骨が折れていない」ということしかわからず、捻挫という診断で終わってしまうこともあります。しかし、エコー検査では、どこの靭帯がどのくらい損傷しているかがわかりやすいので、捻挫の程度の把握にも役立ちます。また、超音波の利点は、動かしながら見ることができる点です。患者さんに指を動かしてもらえば、筋や腱が動いているのをその場で確認できます。また、当院ではリハビリでも超音波の画像を用いることがあります。理学療法士が患者さんの筋肉をエコーで確認し、目的の筋肉を動かせているか、収縮が取れているかを確かめることでリハビリの効率を上げることをめざしています。

こちらで対応されている治療の一つ、ハイドロリリースについて教えてください。

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これは筋膜炎などの痛みに対してアプローチする治療法です。痛みを起こしている部位の筋膜に注射をして、筋膜に潤いを与えることで、筋膜同士の癒着を剥がしていくためのものです。スポーツをやっている方で、ステロイドをあまり使いたくないときなどに、お勧めすることがあります。患部に直接アプローチする方法なので、明日試合があるという時に、学生さんが治療に訪れることなどもありますね。その他、肩や腰などの痛みに幅広く役立ちますが、超音波を使って筋肉の動きが悪いところを詳細まで確認した上で、適していると診断した場合にのみ行っています。慢性的な痛みには、運動指導で体を根本から整えていくことが望ましいです。ただ、痛みがあって運動自体が難しいという時に、最初はハイドロリリースを併用し、運動指導にシフトするという対応もしています。

患者のニーズに応えるサポートを実践

デイケア施設を併設しているそうですね。

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外来での診療に加えて、併設のデイケア施設と訪問看護ステーションと連携して、デイケア、通所介護リハビリテーション、訪問リハビリテーション、訪問看護を行っています。現在は、医療保険で受けられるリハビリが150日までと決まっているため、患者さんがその後の行き先に困らないように、包括的に診られるような体制をつくっています。リハビリを受けたいけれど、介護保険を持っているために医療保険によるリハビリが受けられない方が多いので、デイケアへのニーズが高くなっていると感じます。また、介護保険で生活期リハビリテーションを利用している方でも、骨折などで急性期になった場合は対応できます。その時に応じた医療を提供できる点も、患者さんにとって安心材料の一つになるのではと思います。地域包括ケアシステムが推進される中、その先端を走っていきたいですね。

デイケアでのリハビリについて特徴を教えてください。

利用時間を1回1時間という短時間に設定し、在宅で、生活の質を維持したまま暮らしていけるようなリハビリを行っています。来院してから帰宅されるまでのプランを理学療法士がコーディネートし、1時間の中で、さまざまな運動ができるようにしています。理学療法士とマンツーマンの時間は、ベッドで横になって施術を行ったり、歩行練習などをきめ細かに行ったりしていきますし、その他にも、グループで行う体操や俳句レッスンなど、体や脳を楽しく鍛えていくようなプログラムが用意されています。また、トレーニングマシンで体を動かすといったこともしていただけます。その間も、スタッフやドクターが随時関わっていきますので、安心してリハビリに取り組めると思います。

在宅でのリハビリを希望される方のためのサポート体制はありますか?

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訪問看護ステーションを併設しているので、在宅でのリハビリを希望される方、また外出が困難な方のために、在宅で過ごすためのリハビリテーション、さらに医療としてのリハビリテーションへと広げていきたいと考えています。「痛みが軽減した」「これまでより長く歩けるようになった」など、少しでも良い結果につなげ、前向きな気持ちで毎日を過ごしていただきたいと思っています。何歳になっても「うれしい」「楽しい」という感情を大切にして、積極的に外出をして四季を感じる生活を送っていただきたいですね。私たちがそのきっかけを提供できればうれしいです。これからも患者さんの自立をサポートするためのアドバイスや指導を積極的に提供していきたいと思います。

包括的な医療をさらに追求したい

印象に残るエピソードなどはありますか?

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大学病院に勤務していた頃、小学校入学直後で右肘を骨折した男の子が救急搬送されてきて、当日緊急手術となりました。それから1年後のフォローアップの時、「先生、ありがとう」とお手紙を書いてきてくれました。この仕事をやっていて良かったな、としみじみ感じた瞬間でした。その手紙は退局するときに、クリニックへ持ち帰って今でも院長室に飾ってあります。

プライベートではマラソンを走られるとか。

以前ダイエットに成功したときに、リバウンド対策で走り始めたのがきっかけです。初心者の頃はゆっくり自分のペースで走っていましたが、少しずつ慣れてきて、どんどん楽しくなってきました。今では1ヵ月トータルで300kmほど走っています。去年参加したフルマラソンでは、3時間15分という記録を達成したので、今年は3時間10分を切りたいと思って練習しているところです。42km走るには、前半でペースを抑え、ばてないように計算しながら走る必要があります。これくらいのスピードならここからはこれくらいで、とか。あとはエネルギー代謝や筋肉の代謝、脂肪をどう燃焼するかなど、それこそ医学の領域になってくるので、そういうことを勉強しながら走るのも楽しいですね。

今後の展望を教えてください。

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包括的な医療をさらに進めていきたいと思っています。最近は、整形外科の若いドクターと集まる機会が増えているので、協力し合って地域に貢献していけたらと考えています。超音波での診断に関心のあるドクターが集まって勉強会を開いたり、デイケアの立ち上げ方を個別で教えることが増えてきました。デイケアの立ち上げはなかなかハードルが高いですが、当院では以前から積極的にやってきたことなので、地域に広げていけたらと思います。高齢者の尊厳を守り、自立した生活を支援する目的のもとで、できる限り住み慣れた地域で自分らしく人生の最期まで暮らせるように、国が推進する地域包括ケアシステムに当院も貢献したいと考えています。

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