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香取 勧 院長の独自取材記事

医療法人社団多聞会 香取整形外科

(世田谷区/世田谷駅)

最終更新日:2019/08/28

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東急世田谷線上町駅から徒歩5分。世田谷通りを渡り、住宅街に少し入った場所にある「医療法人社団多聞会 香取整形外科」。院内には、「デイケアかとり」や「訪問看護ステーションこあら」が併設されている。介護的な機能も含め、地域に密着した医療を提供し続けて35年あまり。あたたかい雰囲気の院内である一方、検査やリハビリに使用する医療機器は最新のものを多数導入している。急逝した先代から後を継ぐことになった香取勧院長は、院内のIT化を進め、診断・治療の精度を上げようと努めている。小学生からお年寄り、スポーツ選手など、幅広い層の患者が訪れるのは、常に誠実さを意識するという院長の人柄と、正確な診療を求めてのことだ。「事務業務をしているときも患者さんの顔が思い浮かぶんです」と香取院長。患者一人ひとりと向き合い、地域医療に貢献したいという思い、開業医としての苦労話など、さまざまなお話を気取らず丁寧に語ってくれた。
(取材日2013年6月6日)

さまざまな先進機器により、診療の迅速化と精度の高い検査を実現

先生は、先代からの継承ということですが、それまでの経緯について伺えますか?

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当院は、1977年に私の父が開業したクリニックです。私自身は、大学を卒業後、東邦大学医療センター大森病院で勤務し、おもに脊椎外科を担当していました。その間、父の医院を手伝うこともほとんどなかったんですが、2008年に父が急逝したことで、急きょ呼び戻されて院長を務めることになったんです。心の準備もなく、まだ開業を具体的に考えていない時期だったこともあり、かなり大変でしたね。父の代から、それも開業当初から在籍するスタッフもいて、外来を担当しながら経営面やマネジメントのことなど考え、模索する日々です。それでも、父を亡くしてからの継承だったため、先代との方針の違いで揉めるというようなこともなく、電子カルテや最新医療機器の導入などデジタル化に関しては思い通りにできました。

先生の代になってどんなところが変わったのですか?

特に意識して何かを変えたということはなく、「誠実な診療」をモットーに、今まで自分のやってきたことを続けてきました。ただ、医療機器に関しては、先代の頃のものを一新しました。個人的にもコンピュータ好きで、クリニックのIT化には積極的です。自宅には7台のパソコンが動いてます。
病院自体はこのようにレトロな雰囲気ですが、中身は新しくするよう心がけています(笑)。先ほど申し上げた電子カルテに加え、X線検査もデジタル化しました。継承した当初は、フィルムで撮影し現像していたので、かなり時間がかかっていましたが、デジタル化により診察もスムースになりました。コントラストの補正も可能ですから、診断精度の向上にもつながります。各種の超音波機器も積極的に導入しています。超音波の用途は様々で、高出力のものは筋・靭帯の治療に使い、低出力のものは骨折治療に使います。診断用の超音波反射画像(エコー検査)はご存知の方も多いのではないでしょうか。例えば、足首を捻って腫れている時に、X線検査では「骨が折れていない」ということしかわからず、「じゃあ、捻挫だね。湿布でもしておこう」ということで終わってしまいます。ところが、エコー検査をすれば、どこの靭帯がどのくらい損傷しているかということまで診断できます。「捻挫だがギブスが必要」とか、逆に「固定は必要ない」といったことが判断できるようになるわけです。また、超音波の利点は、動かしながら見ることができるというところにもあります。患者さんに指を動かしてもらえば、筋や腱が動いているのがリアルタイムで確認できます。そのほか、骨折の癒合促進には低出力パルスを使用します。一定の周期で超音波をあてていくことで、骨形成細胞が賦活化されて骨ができやすくなる作用があります。それ以外にも、高出力照射による温熱や消炎鎮痛効果を利用し、固くなった筋を解除するリハビリテーションを、より効率的にすすめることが出来ます。

こちらは、スタッフの人数がかなり多いですね。

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併設しているデイケアや、訪問看護ステーションの常勤・非常勤スタッフを合わせると40人弱になります。デイケアや訪問看護については、開業当初から勤めている看護師長が全体的な管理だけでなく、細かな部分まで見てくれているので助かっています。スタッフが多いと院長としての仕事も山積みですが、自分にとって新しい経験になったことも事実です。大病院勤めの時は、まず正しい治療ありきで、患者さんの都合は二の次でした。クリニックで仕事をするようになって、個々の患者さんのバックグラウンドや生活様式に合わせて治療を考えるようになりました。それが正解ではないのかもしれませんが、その患者さんにとっての最適解を探していく過程は、大病院勤務医では感じられなかった楽しさですね。月の請求チェックをしながら、その患者さんの顔を思い浮かべられることが出来るようになったのは、自分でも驚きでした。

小学生からお年寄りまで。大切にしているのは患者の「自立」

先生が得意とする診療はどのようなものですか?

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得意というか、大切にしているのは患者さんの「自立」です。たとえば、原因がよくわからない非特異性腰痛ひとつとっても、「自立」はとても大切です。腰が痛いときに、病院へ行くと、X線写真を撮ります。特に腰痛の原因になりそうな所見がなければ、「大丈夫」の一言で片付けられてしまうケースは少なくないのではないでしょうか。腰痛の場合は、医療的な介入が限られてしまうために、患者さんはマッサージなど与えられるサービスに頼りがちになってしまうことが、私にとっての悩みでした。そこで当院では、「腰痛は自分で治そう」をモットーに、ストレッチ等の対処法や、体幹の筋力強化・姿勢指導で予防対策を行い、「自立」目指しています。もちろん、腰痛以外でも運動器疾患の多くはきちんとした知識があれば自己対処可能です。

その方針は、リハビリなどについても同様ですか?

もちろん、リハビリテーションも「自立」が大前提です。ただ漫然と続けていくものではなく、期間と目標を定めて、達成を評価する、という繰り返しが必要です。それでも、難病や麻痺、高齢や精神疾患に伴うものは長期にわたる維持的なリハビリが必要となる場合があります。近年の医療保険からは、高齢者の維持リハビリが除外される傾向にあり、介護保険リハビリ施設への移行が施策として推進されています。これに対応して、当院ではシームレスなリハビリ継続が可能となるように、通所リハビリテーション施設、いわゆるデイケアを併設しています。利用時間を短時間(1時間以上2時間未満)に設定し、自立を目指したリハビリを提供しています。在宅で、生活の質を維持したまま暮らしていける地域環境作りに力を注いでいきたいと思っています。

患者さんへの接し方はどのように工夫されていますか?

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当院では、お子さんからお年寄りまで、中高生のスポーツ選手も含めて幅広い層の患者さんが来院されます。当たり前ですが、すべての方に敬意をもって接するようにしています。ただ、患者さんによっては、あまりへりくだった話し方をすると素っ気ない印象を持たれる方もいらっしゃるので、そこは一人一人距離感をつかみながらお話しするようにしています。他には、患者さんの受診目的を言外に汲み取るように心がけています。「痛みを止めて欲しい」「原因を知りたい」「不安を解消したい」色々ありますが、なかなかリクエストを引き出すのに苦労します。日本人は奥ゆかしいので。(笑)お子さんとのコミニュケーションツールとして未就学の子にはシール、小学生低学年くらいの子にはポケモンカードを用意して、診察に協力してくれたご褒美にしています。

いつまでも信頼されるクリニックであり続けたい

印象に残る患者さんとのエピソードなどはありますか?

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大学病院勤務医のころ、小学校入学直後で右肘の骨折を受傷した男の子が救急搬送されてきました。当日緊急手術となり、術後も経過は順調でした。それから1年後のフォローアップの時、すっかり回復した右手でお手紙を書いてきてくれました。「先生、ありがとう」この仕事やっててよかったなぁ、としみじみ感じました。その手紙は退局するときに、クリニックへ持ち帰って今でも院長室に飾ってあります。

ところで、最近ダイエットに成功されたとか。

食事を減らし、自転車通勤に変えたことで、実質23キロ痩せました。元々が重すぎたんですが、写真に映った自分の姿を見て、「これは痩せなきゃな」とダイエットを決意したんです(笑)。食事は三食きっちりとりますが、量を減らしました。特にご飯はどんぶり飯だったのが、小さめの茶碗の半分ぐらいに減らしました。あとは1日1,800キロカロリーに収まるように、常にカロリー計算していました。高校時代は水泳部で、筋力はある方でしたが、その上に積年の脂肪がたっぷりついていたので体が重かったのです。ダイエットのおかげで、今は体が軽くて快適。特に、息切れしなくなったのがうれしいですね(笑)。ダイエットはただ体重を落とすだけじゃなくて、基礎代謝を上げることが大事です。ウォーキングによって脂肪燃焼はできますが、さらに筋トレで筋肉のボリュームを増やしてあげると、基礎代謝量が上がります。ジム通いに時間を割いたりせず、毎日気軽にできる自転車通勤は私にとって最適だったと思います。今乗っているのは折り畳み式の自転車で、仕事帰りに一杯やっても、途中で雨が降ってもタクシーに積んで帰ることができるので便利ですよ。今はリバウンドしないように注意しています(笑)。

在宅でのリハビリを希望される方のためのサポート体制はありますか?

在宅医療へのニーズに対応するため、訪問看護ステーションを併設しています。また、2013年1月に世田谷区喜多見に新しい訪問看護ステーションを設立しました。在宅でのリハビリを希望される方、また外出が困難な方のために、在宅で過ごすためのリハビリテーション、さらに医療としてのリハビリテーションへと広げていきたいと考えています。「痛みが軽減した」「これまでより長く歩けるようになった」など、少しでも効果が現れると、とても前向きな気持ちで毎日を過ごすことができます。何歳になっても「うれしい」「楽しい」という感情を大切にして、積極的に外出をして四季を感じる生活を送っていただきたいですね。私たちがそのきっかけを提供できればうれしいです。そして、お薬に頼らず、「与えられる医療」ではなく、「自分で勝ち取っていく医療」をさらに進めていきたいですね。これからも患者さんの自立をサポートするためのアドバイスや指導を積極的に提供していきたいと思います。

最後に、今後の展望についてお聞かせください。

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高齢者の尊厳の保持と自立生活の支援の目的のもとで、可能な限り住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最期まで続けることができるように、厚労省が推進する地域包括ケアシステムに当院も貢献したいと考えています。例えば、当院デイケアにおける自立をめざしたリハビリテーションもその一つです。認知症や運動障害によって日常の生活動作が困難な方に対して、理学療法士が個別でリハビリテーションを実施します。その他にも、グループで行う体操や俳句レッスンなど、体や脳を楽しく鍛える様々なプログラムが用意されています。医療機関のリハビリテーションは医療保険で行うため、運動器リハビリテーションの場合、150日間という標準期限が設けられています。高齢者の整形疾患などは期間内での自立が難しかったり、維持リハビリテーションの必要な方がいらっしゃいます。その場合は、デイケアにて介護保険で行うリハビリテーションを継続することができます。外出する機会を持つことで、体だけでなく心も元気になるお手伝いができればと思います。

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