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将来にも関わる問題で軽視は禁物
こどもの排尿や排便のトラブル

こどもクリニック・パパ

(豊田市/梅坪駅)

最終更新日:2024/09/27

こどもクリニック・パパ 将来にも関わる問題で軽視は禁物 こどもの排尿や排便のトラブル こどもクリニック・パパ 将来にも関わる問題で軽視は禁物 こどもの排尿や排便のトラブル
  • 保険診療

こどものお漏らしや便秘は誰もが経験するため、「そのうち治るだろう」と放置しがちだが、深刻な問題につながってしまうことも多い。恥ずかしさや不安から、こどもの自尊心を大きく傷つけるだけでなく、友人関係にも影響を及ぼし、いじめのきっかけになることもある。また、神経発達症などの発達の問題が隠れていることもある。不登校などの社会生活の問題に発展することもあるため、「排尿や排便のトラブルを早く見つけて対処してあげたい」と語るのは「こどもクリニック・パパ」の木全貴久(きまた・たかひさ)院長。日本専門医機構小児科専門医であり、日本腎臓学会腎臓専門医でもある木全院長に、こどもの排尿・排便の異常について話を聞いた。

(取材日2024年7月2日)

こどもの自尊心を低下させ、成長発達にも関わる排尿・排便のトラブルは早めに相談を

Q排尿・排便のトラブルには、どんな種類があるのでしょうか。
A
こどもクリニック・パパ 便意がないため本人が気づかず、便秘になってしまうことが多い

▲便意がないため本人が気づかず、便秘になってしまうことが多い

相談が多いのは、夜尿、昼間の便や尿のお漏らし、頻尿、便秘です。5歳になると膀胱にためられる尿量が増え、夜間に尿をつくる量を制御する脳の働きが発達するためおしっこの量も減り、おねしょをしなくなっていきますが、個人差があります。さらに、便秘が夜尿や昼間のお漏らしや頻尿の原因となっていることもあります。便秘で腸に便がたまると、腸の前にある膀胱が圧迫されて尿も漏れるようになります。さらに便秘が悪化すると、たまった便が腸を広げて便意を感じなくなり、本人が気づかないうちに少しずつ便が漏れてしまいます。一度でも便や尿を漏らしてしまうと、こどもの自尊心が大きく傷つきます。そうなる前に医師に相談してください。

Q排尿や排便トラブルの相談は、いつ頃が多いですか?
A
こどもクリニック・パパ 小さい頃からトイレに行く習慣を身に付けておくことが大切だ

▲小さい頃からトイレに行く習慣を身に付けておくことが大切だ

小学校の入学時です。幼稚園では先生がトイレに連れて行ってくれますが、小学生になると、休み時間に自分で行かなければなりません。学校のトイレを「怖い」「汚い」「便をすることが恥ずかしい」などの理由で我慢してしまうことがあります。それが続くと、お漏らしや便秘などの排尿排便のトラブルが出現する恐れがあります。お子さんが排尿痛や、腎盂炎で熱が出たりして病院を受診し、そこで排尿排便のトラブルが見つかります。これは排尿や排便を我慢する習慣が原因です。膀胱炎や腎盂炎を抗生剤で治療しても、排尿排便の習慣が良くならなければ根本の解決にはなりません。初期の段階で見つけ、トイレに行く習慣をつけることが大切です。

Q水分の摂取が少ないこどもも多いようですね。
A
こどもクリニック・パパ 水分をしっかり取る習慣を身に付けることが大切だ

▲水分をしっかり取る習慣を身に付けることが大切だ

水分摂取が少ないと排尿回数が減り膀胱の機能が悪くなり、尿漏れや便秘につながります。さらには起立性調節障害などの原因となります。起立性調節障害とは、めまいや頭痛、動悸などで朝起きられなくなる状態で、不登校の一因にもなります。実際に患者さんにお話を聞くと「水分をあまり取らないためトイレに行く回数が少ない」という方が多いんです。成人女性で便秘や膀胱炎を繰り返す人も、こどもの頃からの「水を飲まない習慣」に起因しているケースが多く、根本原因を取り除かない限り、一生、便秘や膀胱炎と付き合っていかなければなりません。小さな頃から水分摂取の習慣をつけることが、将来の健康維持に大切となります。

Q自宅でできる排尿・排便のトラブルの予防法は?
A
こどもクリニック・パパ 便意や尿意が生じたら行く、ではなく習慣づけが大切

▲便意や尿意が生じたら行く、ではなく習慣づけが大切

水分をたくさん取って、トイレを我慢しないことです。目安としては1日6回、トイレに行っているか否か。排尿回数は、起床時、10時頃、昼食後、15時頃、夕食後、就寝前で6回が平均です。少ないと排尿・排便のトラブルの原因となります。予防するためには、喉が乾いたら水分を取るのではなく、時間を決めて水分を取ることと、尿意を感じたらトイレに行くのではなく、決まった時間にトイレに行く習慣をつけること。それができたら、褒めてあげることが大切です。親御さんからは「薬を飲んでいるけど、良くならない」という相談が多いのですが、「トイレに行った?」「水は飲んだ?」と声かけをする環境づくりが重要です。

Q先生が今後、注力したいことを教えてください。
A
こどもクリニック・パパ 院長の木全先生は、日本専門医機構小児科専門医だ

▲院長の木全先生は、日本専門医機構小児科専門医だ

私は20年にわたり、大学病院で経験を積んできました。感染症やアレルギーなどの一般小児科診療だけでなく、小児の腎臓病や泌尿器疾患が専門です。現在も週1回、大学病院で重篤な小児の腎泌尿器疾患の診療も続けています。私のもとを訪れる患者さんに多いのは、圧倒的にお漏らしなどの排尿排便のトラブルです。「そのうち治るだろう」が「薬を飲んでいるけど治らない」になり、「薬が合わないから他のクリニックへ」を繰り返しているうちに、大学病院の私の外来にたどり着きます。その間にこどもの自尊心は大きく傷ついてしまっています。そんな状況を何度も見てきました。排尿のトラブルは、悩みが深くなる前に見つけてあげたいですね。

ドクターからのメッセージ

木全 貴久院長

風邪や熱など他の症状で来院された時に、たまたま排尿・排便のトラブルが見つかることがあります。お漏らしを把握していても、「大人になったら治るだろう」「言いにくい」などの理由から、相談するのを躊躇していることも多いですね。早めに気づいて、対処してあげれば、自尊心が傷つくこともなく、いじめの原因になることもありません。また思春期や大人になってから困ることもありません。根本改善に必要なのは特別な薬ではなく、「水飲んで、えらいね」、「トイレに行けるようになったね」などのちょっとした一言です。大切なお子さんのためにも、少しでも気になることがあれば、早めにご相談ください。

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