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木全 貴久 副院長の独自取材記事

こどもクリニック・パパ

(豊田市/梅坪駅)

最終更新日:2024/03/04

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ main

小児科・アレルギー科のほか心療内科も標榜する「こどもクリニック・パパ」。開業当初から体の不調はもちろん、子どもや親の精神面のカウンセリングも行っており、心の不調も相談できる。そんなクリニックの診療方針に共感した木全貴久(きまた・たかひさ)副院長が、2022年4月からは外来診療を担当する。木全副院長は大阪の大学病院および小児専門病院で20年間子どもの診療に携わってきた経験豊富な医師で、感染症などの小児一般診療だけでなく、小児の腎・泌尿器疾患のエキスパートでもある。また、研究や医学の専門書の執筆など多方面に活動実績を持ち、小児医療の発展に尽力している。これまでの経験を生かし「心身両面から子どもの医療を充実させたい」と熱く語る木全副院長に、めざす小児医療についてたっぷりと話を聞いた。

(取材日2022年3月29日)

「心身両面からの医療」の理念を守り続ける

小児科の医師を志したのはどのようなきっかけからでしょうか?

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ1

大阪で医師として20年間診療してきましたが、出身は愛知県の豊田市で、このクリニックの近くで生まれました。豊田市生まれということもあり小さい頃から、自動車が好きで、車関係の仕事に携わりたくて中高生の頃は工学部志望でした。一方で医学にも興味がありました。工学部を受験しましたが、医学の道も捨てきれず浪人して医学部に入学しました。医学生時代は、小児科ではなく、手先が器用であったこともあり外科に興味があり、中でも口唇口蓋裂の治療をしたいと形成外科医になろうと思っていました。卒業旅行でカンボジアに行った時、アンコール小児病院の見学に行きました。その時、地雷で手足を失った子どもたちが、明るく過ごす姿にすごくパワーをもらいました。小児科の説明会で聞いた「子どもは未来」という言葉を実感することができました。空港から帰るバスの中で小児科の医局長に電話し、小児科に入局したいと伝えたことを今でも覚えています。

小児科ならではの楽しさや難しさはありますか?

NICU(新生児集中治療室)に入院する重篤なお子さんであっても、多くのお子さんが元気に退院していきます。病気の子どもたちの前向きな姿を見ると、生きるパワーが強く感じられ、私たち医療者も力をもらいますし、やりがいも感じます。小児科ならではの難しさは、大人の患者さんと違い、子どもは診察の協力を得られにくいことがあります。例えば、喉を診察することは、子どもにとって嫌な行為でしっかり診察することは困難です。しかし、こちらのクリニックでは、小さなお子さんであってもみんな進んで来院してくれるんです。これは、高橋院長やスタッフが、長年子どもたちに恐怖を与えないように信頼関係を築いてきた賜物だと思いとても感動しました。

先生は、大学病院だけでなく大阪の子ども専門の病院で長く勤務されていたんですね。

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ2

はい。常勤医として5年間とその後大学に戻ってからも非常勤として17年間、大阪にある365日24時間小児救急を行っている小児内科専門の病院で勤務しておりました。そこでの貴重な経験の数々が、僕の医師としての礎になっています。開院当初から「心身両面からの医療と小児救急医療の充実」を掲げているその病院では、医師や看護師だけでなくカウンセラーや保育士が常勤しており、お子さんや親御さんの話をじっくり聞きフォローする体制を整えていました。このようなチーム医療を行うことで、心身両面からサポートできるんです。昨今は核家族化で親御さんが相談できる人も場所も少ないのが現状です。小児科は子どもの病気だけを治すだけでは不十分で、退院した後の子どもたちが健康に育てられるような育児環境をきちんと整えるところまでが小児の医療に携わるものの責務だと、みっちり教えられました。

専門を生かし小児の腎臓・泌尿器疾患にも注力

最近はどのような症状で来院するお子さんが多いですか?

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ3

新型コロナウイルスの影響もあり、子どもたちの中でも心身に問題を抱えるお子さんが増えていると思います。感染が広がり始めたばかりの頃、一斉休校になり外出も難しかったですよね。ずっと家にいると思春期ぐらいのお子さんは起立性調節障害の症状が強く出てしまうことがあります。家の中ばかりであまり動かないため、足の筋肉を使うことが減り、立ち上がった時に、頭に血が巡りづらくなって、めまいや嘔気、頭痛といった症状が起こりやすくなります。マスクや手指消毒といった感染症対策を頑張ったことで、インフルエンザなどの感染症は減ったんですが、心身両面で不調を訴える子どもが多くなっていると感じます。

4月から常勤になられますが、先生が今後力を入れていきたいことを教えてください。

高橋院長の理念を今後も実践することに変わりはありませんが、私は感染症などの小児一般診療だけでなく、夜尿症をはじめ検尿の異常といった、小児の腎泌尿器疾患を専門としていますのでこの分野にも力を入れたいと考えています。例えば、学校検尿で尿タンパク陽性になり来院された場合、実際に腎臓に病気があることは少ないです。この年代の子どもは、起立性タンパク尿などの生理的なタンパク尿も多いですが、水分摂取が少ない子どもさんが多くいます。水分摂取が少ないと尿が濃くなり、尿試験紙での検査では擬陽性が出やすいんです。この場合腎臓に問題はないですが、水分摂取が少ないと膀胱炎を繰り返したり、尿漏れを来すようになります。さらに水分不足は、慢性の便秘や、起立性調節障害につながります。検尿異常で来院される患者さんは元気なお子さんですが、バックグラウンドに隠れている要因をしっかり見つけ病気を予防していくことが大事だと思います。

小児科は保護者との関わりも多いですが、先生が心がけていることはありますか?

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ4

ご家族に対し、見通しを立てて説明することを大切にしています。病気で受診されるお子さんの親御さんに、病名だけ説明しても不十分だと思います。病名を聞くだけではよくわからず、不安に思っている方が多いです。ですから、例えば「熱は何日くらい続いて咳はこのくらいで治まると思いますよ」とか、「もし途中でこういう症状が出たら再度受診してくださいね」というように、具体的な見通しを説明するよう心がけています。そうすることで、少しでもご家族にも安心してもらえるようにこれからも実践していきたいですね。

病気だけではなく、育児支援も含めてトータルに対応

先生は、保育園も運営されているんですね。

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ5

以前勤務していた病院は併設の保育園があり、私の子どももそこに通っていました。私にとっては医療機関と保育園が一緒にある状態が当たり前だと思っていたのですが、世間的に見ると、とても恵まれた環境だったんですね。今は共働きの家庭が多いので、親御さんが安心して働ける環境をつくることが子どもに大事なことだと思います。今の社会には必要なシステムなので、病児保育も含めて今後も充実・発展させていきたいですね。

ところで、こちらのクリニックで勤務することになった経緯は?

僕は、大学と勤務先は大阪ですが、出身は愛知県なのでそろそろ戻ろうと考えていた時に、ご紹介いただいたのが高橋先生でした。先ほどもお話ししたように、僕が病院で培った「心身両面からの小児医療」「小児医療は育児支援の役割を果たすべき」という考えが、こちらのクリニックで高橋先生とお話ししたとき、見事に一致し「ここしかない」と思いましたね。大学で恩師である教授に相談したら「先生が新たなステージに挑戦しようと思うなら背中を押してあげたい」と言っていただき、決意を固めました。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

木全貴久副院長 こどもクリニック・パパ6

小児科というのは、病気を治すというだけではなく、育児や学校での悩みを相談に来る場所でもあると思います。だからこそ気軽に相談できるようなクリニックでありたいと思います。もし病気かどうかわからない状態でも、心配なことがあれば相談に来てもらえると「実はそれはこういうことなんですよ」とお伝えできることもあると思います。先ほどのタンパク尿の例のように、腎臓の病気ではなくても病気の予備軍が隠れていることもあります。気になることがあれば、いつでも気軽に受診してください。

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