滝 純 院長の独自取材記事
たき眼科
(西宮市/甲東園駅)
最終更新日:2024/11/26
甲東園駅から徒歩1分。文教地区に位置する「たき眼科」は、幅広い年齢層の患者に対応する中でも、特に小児眼科と地域の人々の目の健康維持に力を入れている。近年増加する子どもの近視に対し、先進機器を導入し、オルソケラトロジーなどの近視矯正を提供。成人においては、隠れた目の異常の早期発見に努めている。また5人の視能訓練士が在籍し、専門的な検査と丁寧な患者ケアの実現に努めている。さらにコンタクトレンズの処方にも強みを持つ。豊富な種類のレンズから、一人ひとりの目の状態に合わせて適切に処方。地域の健康啓発活動にも積極的で、講話を通じて目の健康の重要性を伝えている。「40歳を過ぎたら一度は眼科検診を」と呼びかける滝純院長に、同院の特徴や、早期発見・治療の重要性についてなどの話を聞いた。
(取材日2024年10月17日)
予防の観点から、検査を重視
子どもの近視治療に力を入れていらっしゃるそうですね。
当院は文教地区に位置していることもあり、勉強熱心なお子さんの受診や、小学校就学前のお子さんの近視についてのご相談が多いんです。そのことから当院では子どもの近視治療に力を入れるようになりました。近視治療は、進行度合いに応じて眼鏡かコンタクトを主に提案していましたが、この数年で新たにさまざまな近視の治療法が出てきました。その中でも特に注目されているのがオルソケラトロジー治療です。当院ではこうした先進の治療法も含めて、お子さんお一人お一人に合う治療法の提案を心がけています。
オルソケラトロジー治療について詳しく教えてください。
オルソケラトロジー治療は、就寝中に特殊形状のハードコンタクトレンズを装着して、角膜の形状を一時的に変化させることにより、日中は裸眼で見える状態につなげる治療です。レーシックと違い、手術をしない近視治療です。治療を止めると、治療開始時の状態に戻ります。治療対象となるのは軽めの近視であり、進行し過ぎていたり、乱視が強過ぎたりする場合は非適応となります。年齢的に、親御さんの協力が必要となることが多いですが小学校1年生から可能です。興味のある方はいつでもお問い合わせください。ちなみにオルソケラトロジー治療は近年、近視の進行抑制効果が期待され研究が進められているんですよ。
院内の設備・機器にこだわられていると伺いました。
より快適な環境で検査を受けていただけるように、より精密な診断につなげられるように、院内の設備・機器にはこだわりました。例えば適切な近視治療をご提案できるように、近視の進行度合を測定する機器は先進のものを導入。進行度合を予測することにより、将来強度の近視になりそうなお子さんに、早期にアドバイスができるようなりました。強度の近視は将来的に緑内障や網膜剥離、黄斑変性症などの深刻な症状につながることもあり、軽度の時点での対応が望まれますからね。また眼底カメラは散瞳しないで広い範囲を撮影できるものを導入したので、糖尿病患者さんの眼底の経過観察の際などもお車で気楽に受けに来ていただけます。網膜三次元検査機器も新しいものを導入し、緑内障の早期発見や、網膜の黄斑部の異常の確認、経過観察、血管撮影につなげています。
専門知識を身につけた視能訓練士が検査を担当
スタッフの編成に特徴があるそうですね。
当院には現在視能訓練士が5人在籍し、検査業務の中心を担ってくれています。視能訓練士が検査を担当する強みは、目の病気や検査機器についての専門的な知識を身につけていることに加えて、検査への理解が深いので精密で的確な検査につなげやすいことだと考えています。また視能訓練士の存在は、適切な眼鏡処方や、オルソケラトロジーのレンズの処方においても必須でしょう。ですから当院では専門的な経験を積んだスタッフを積極的に採用したのです。スタッフは全員人柄も申し分なく、患者さんに対しても親切丁寧に対応してくれているので助かっています。これからも専門知識と温かい対応の両立を大切にしていきたいと思います。
患者さんからは具体的にどんな相談を受けていますか?
コンタクトレンズ処方も行っているため、関係するご相談が多いですね。最近はインターネットや量販店で勝手に購入されることによるトラブルが増えています。例えば購入したコンタクトレンズが合わず、目の表面に傷ができたりかゆみが出たりしたというケース。他には一般的にコンタクトレンズは見える眼鏡よりも弱い度数にしますが、眼鏡と同じ度数で購入したということも。また何年も前に購入した時の度数を使い続けて過矯正となり、ひどい眼精疲労や肩凝り、年齢より早く老眼を自覚されることも少なくありません。海外製の色素が露出したカラーレンズを使用して、目に傷や感染が起きたという場合もあります。インターネットで購入をしていても定期検査は必須だと知っていただきたいです。コンタクトレンズについてだけではなく、目の疲れや見づらさを訴えて来られる方も多く、異常の有無を確認の上、適切な視環境を提案させていただいています。
壁一面にコンタクトレンズが並べてあります。種類が豊富ですね。
当院では多様なコンタクトレンズの中から、患者さんに合わせた1枚を紹介しています。通常タイプのものから、乱視用や遠近両用までさまざまな種類があり、それぞれお試しいただけます。その方に合うコンタクトレンズがない場合には、近い試用レンズを入れていただき、その方専用の試用レンズを注文、届き次第改めて入れて確かめていただきます。試用レンズの上からのレンズでの矯正と、実際に入れて確認していただくのではまったく違いますからね。コンタクトレンズは、視能訓練士が種類や使用期限などを細かく管理してくれています。処方をする際は、まず適切な診断を行うために先進の検査機器で目の状態を把握します。その際に、緑内障などの隠れた病気が見つかることもしばしばです。その結果に基づいて、患者さんごとのニーズに合った最適だと思うコンタクトレンズを紹介いたしますので、ぜひ頼りにしていただきたいですね。
地域住民の目の健康を守る眼科診療を届けたい
患者さんに接する時に大切にしていることを教えてください。
最も大切にしているのは、患者さんのお悩みやお困り事をしっかりと傾聴し、ご納得してお帰りいただくことです。また地域のかかりつけ医として、できる限りの対応を心がけていますが、クリニックでできることには限界があります。だからこそ病診連携協力体制の充実化を重視しています。例えば、網膜の病気や外科手術が必要な場合は兵庫医科大学病院、兵庫県立西宮病院、尼崎総合医療センターなどを、緑内障で専門的な治療が必要だけれど元気な方には大阪府内にある福島アイクリニックをと、その都度適切な医療機関をご紹介。さらに、5分刻みで予約を取れるシステムを採用することによって、患者さんの来院の分散化と待ち時間の短縮をめざしています。常に地域の方に頼りにされるクリニックでありたいです。
今後の展望について、どのようにお考えでしょうか。
地域医療への貢献と予防医学の推進に重点を置いています。特に近年は小学生一人1台のタブレット導入が進んでいることから、子どもたちの目の健康に関する啓発の必要性が高まっていると感じています。そのことを受けて少し前には、小学校で児童向けに近視予防の講話を、大人向けには白内障や緑内障の症状、予防のための検診についての講座を開催しました。こうした地域医療の中でできることから、今後も積極的に行っていきたいと考えています。ちなみに私自身は内科的な眼科診療が中心ですが、息子は眼形成を専門とする医師として大学病院に勤務中です。将来息子の意志を尊重しながらにはなりますが、体制づくりをして事業を継承していければと考えています。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
40歳を超えたら、ぜひ一度眼科検診を受けていただきたいです。40代を境に緑内障や黄斑変性症など、ご本人が気づかないうちに進行する目の病気の発症リスクが高まるからです。「最近ピントが合いにくくなってきた」といった気づきを、受診のきっかけにしていただけたらと思います。また年齢に関わらず、スマートフォンやパソコンの使用で目を酷使している方が増えています。長時間の緊張状態は目に負担をかけますので、定期的なケアが大切です。当院では専門知識を持った視能訓練士が検査を行い、必要に応じて連携医療機関をご紹介する体制を整えています。目のことで気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオルソケラトロジー治療プログラム
初年度:両目18万7000円(片眼11万円)
2年目以降:両目1万7600円