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藤川 麻衣子 院長の独自取材記事

まいこ小児科クリニック

(福岡市早良区/賀茂駅)

最終更新日:2021/10/12

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不慣れな育児や仕事との両立に悩む親も多く、子どもを大事だと思うからこその不安と親は常に戦っている。「こんなことで病院に行って迷惑では?」と遠慮する人もいるが、その不安を受け止めるのが小児科の役目だと語るのが、「まいこ小児科クリニック」の藤川麻衣子院長だ。新型コロナウイルスの拡大以降、以前とは違った体制を選ばざるを得ない小児科においても、築いてきた信頼関係は崩れないのだと気づいたと藤川院長は語る。世界が変革する中にあっても、自分を見つめ直しながら、変化をポジティブに捉えて笑顔で診療を続けていく藤川院長に、医師をめざした子ども時代の思い出や、育児に悩む親に伝えたいことなどを聞いた。

(取材日2021年3月9日)

自身も入院を経験し、子どもを助けたいと思うように

先生が医師をめざしたきっかけからお聞かせください。

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私自身、子どもの頃は入院をよくしていました。麻酔科の先生とお話しをする機会があったり、手術で話ができないおばあちゃんとは筆談をして楽しい時間を過ごしたり、意識せずとも自然と医療と接していた子ども時代でした。特に印象的だったのは、入院時に仲良くなった心臓病の女の子が、私が退院してすぐに亡くなったと聞いた時でした。私よりも4つも年下の、とても勝ち気な子だったのに……と、当時とても衝撃的でした。そういうこともあって、どこかで「子どもをどうにか助けたい」という思いがずっと自分の中にあったんだと思います。親も背中を押してくれましたので、福岡大学医学部へと進みました。

最初から小児科へ進もうと思っておられたのですか?

小児科の病棟に目標にしたいと思える先生がいらっしゃったこともあり、小児科を選びました。大学院では中枢神経薬理学を専攻しました。日本小児神経学会小児神経専門医も取得し、福大の神経内科外来や重症心身障害者施設にも勤めました。患者さんとはもちろん、そのご家族との連携、スタッフの皆さんとの関わりなども学びましたし、そこで出会った患者さんのご家族とは今でも交流があるくらいなんです。医師として一方的に話をするのではなく、相手が何を思って、何を考えているのか、雰囲気などから瞬時に察する洞察力も身につきました。こういった点は今、小児科でお子さんや親御さんと接する時にもとても役に立っているんですよ。

先生がこの場所に開業されたのにはどんな理由が?

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とにかくロケーションがいいなと感じたんです。開業する前はここも田んぼでしたが、隣にスーパーマーケットがあって、そういったところが自分が小さい頃に通った“小児科”のイメージにそっくりだったんです。途中からは同じ敷地内に耳鼻科や歯科もできましたから、当院で対応が難しい症状、例えば中耳炎などもすぐにご紹介できます。それにほかのクリニックさんと共用で駐車場が広く43台もありますから、忙しい親御さんたちにとってのメリットも多いと感じています。院内はピンクの温かみのある色を基調に窓も大きく取っていますし、患者さんからもらったお手紙なども壁に貼ったりしています。また、隔離室もありますから、熱がある患者さんも安心して来ていただけると思います。

些細な症状でもいいからクリニックに足を運んでほしい

診察時に大切にしていることは?

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小児の診療において、保護者の方との信頼関係は本当に大切です。お母さんやお父さんだけではなく、おじいちゃんやおばあちゃんがお子さんを連れてくることもありますが、いずれもご家族の理解を得ることはとても大事ですから。できる限り丁寧に説明をしますし、検査などが必要であれば「検査をしていいですか?」としっかり確認しています。慣れた方だと「今日も検査をしますね」という言い方になることもありますが、相手の反応を見ながら、適切な言葉を選ぶように心がけています。当院のモットーは「自分の家族に接するように患者さんに接する」。平たく言うと、親切、丁寧、お世話好きなんです(笑)。私も2人の子どもを育てた母として、クリニックにいらっしゃるお母さんたちの大変さは共感できます。上の子は喘息も持っていましたし、失敗ももちろんたくさんしてきましたから、経験者としてのアドバイスもできると思っています。

小さなお子さんだと容体が急変することもありますよね。

ええ。ですからスピーディーな見極めも必要ですし、そうならないように予測を立てて、前もって親御さんに説明することも大切にしています。昨年からの新型コロナウイルスの流行でクリニックに行きづらいと感じている親御さんも多いようですが、そうなると治療が後手になり、結果的に肺炎などになり入院になる事例も見てきました。もっと早く来てもらえればほかにやりようがあったかもしれない、とじくじたる思いを抱えることもありました。私たちの役目は、地域のかかりつけ医として患者さんに適切な道を示すこと。当院のような町のクリニックでできることもあれば、大学病院など大きな病院でしかできないこともあります。そういった適切な役割分担がうまくできなかったことに対しては本当に反省しきりな日々です。

親御さんが「こんなことで来ていいのか?」と遠慮されている部分もあるのでは?

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確かに「こんなことを質問していいんですか?」「このくらいで来ていいんですか?」と言われることもありますが、気にされる必要はまったくありません。特に1人目のお子さんだったりするとわからないことも多いでしょう。同時に、インターネットの怖さも感じています。ネットの情報だけに左右されず、まずは小児科医の診察を受けてほしいと思っています。小児科はある意味総合診療科みたいなもの。当院でできることはもちろんやりますし、異常が見つかれば、眼科の専門病院へのご紹介もできます。

「親切、丁寧、お世話好き」で地域の患者を守っていく

クリニックは親御さんの駆け込み寺のような場所なのでしょうか。

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そうですね。説明であっても私だけではなく看護師にも再度してもらうなど、しつこいと思われるかもしれないですが、そういった手厚さは今後も欠かさずにいたいですね。新型コロナウイルスによって人々は分断を余儀なくされたわけですが、同時に患者さんの要望や院内でやれることを見直すきっかけにもなりました。吸入なども感染予防の観点から難しくなりましたが、そういうある程度の距離があったとしても、患者さんとの信頼関係が薄れるわけではないんですよね。同時に、スタッフや私自身の身体的な負担も減ってきたんです。今後も長くクリニックを続けていくための情報整理ができて、結果的に良かったこともあったなと思っています。

スタッフの構成と、今後の展望についてお聞きします。

今は私以外に女性の先生が4人、男性の先生が1人いて、予防接種や検診などを曜日ごとに担当してくれています。看護師もベテランばかりで、本当に日々、彼女たちに助けられています。子どもたちも医学の道に進んでくれて、将来的には彼らとともにご家族を包括的に診れるクリニックにしていきたいと考えています。また当院では視力検査ができない乳幼児でも受けられるスクリーニング機器を導入しています。小さな子どもたちは、自分の視力の低下やもともと視力が低いかどうかを自分で訴えることができません。「小学校に上がった時の視力検査で視力の低下に気づいたが遅かった……」というような話も時としてあるのです。この機器はお子さんの負担もなく、ほんの1秒で結果がわかります。また、そこで視力低下の可能性が見つかった場合は専門の先生に紹介することもできます。

親御さんたちの背中を押すのも先生の役割なんですね。

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本当にそうだと思いますよ。目の検査もそうですが、何かあれば専門の先生のほうへ背中を押しますし、何もなければ「良かったね」と安心の方向へ背中を押していますから。いずれお子さんたちが卒業していくのが小児科です。しかし親になった姿で再開することもありますし、お母さんだった方がおばあちゃんになることもありますよね。不思議だけれど楽しい出会いがある、それが小児科なのではないでしょうか。子育ては大変なことの連続ですが、そのために私たちがいます。一緒に大切なお子さんを育てていく、そんな気持ちで、これからも診療を続けていきたいと思っています。

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