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矢嶋 茂裕 院長の独自取材記事

矢嶋小児科小児循環器クリニック

(岐阜市/岐阜駅)

最終更新日:2020/04/01

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岐阜市日野南、国道156号沿いに「矢嶋小児科小児循環器クリニック」は立つ。入り口のドアには、風船や虹、笑顔の動物たちのイラストが彩りよく描かれ、楽しそうな雰囲気が漂う。中に入ると、天井が高く、さらに明るい空間が広がっており、畳敷きのスペースや遊具、トランポリンなどのほか、山あいを走る電車のジオラマも飾ってある。矢嶋茂裕院長は、経験に裏打ちされた問診や触診を大切にし、「無駄な薬は出しません。予防接種に力を入れています」と、モットーを語るはつらつとしたドクターだ。普段の診療スタイルのことから、「今後は児童精神科専門の医師による診療を始めたい」という計画のことまで、ざっくばらんに語ってもらった。
(取材日2018年11月7日)

地域の身近な受け皿になるクリニックをめざし開院

こちらは待合室が広く、親子でゆったりと過ごせそうですね。

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2001年の開院以来、徐々に増築してきました。スリッパがありませんので、子どもも大人も靴を脱いでそのまま入ってくつろいでいただけます。元気のある子は、楽しそうに遊んでいますよ。泣く子も多いですが、子どもは泣くのが仕事。気になりませんね。2階には、院長室だったスペースを改修して病児・病後児保育室を3室つくりました。院長室はなくなりましたが(笑)、親御さんたちには感謝されています。

先生のご経歴や開業の経緯について教えてください。

岐阜大学を卒業後、研修医として東京女子医科大学の小児循環器科で勤務しましたが、その頃の経験が今も自分の中で大きな支えになっています。発生頻度が低く、地方にいたら一生かかっても診ることができないような病気に、短期間のうちに幾つも出会い、治療に関わることができたのは、医師として貴重な経験でしたね。その後は岐阜県内の複数の病院に勤務しました。ずっと勤務医でいるつもりでしたが、患者さんに継続して病院まで来ていただくのはなかなか難しいと思うようになったのです。しかし患者さんの近くのクリニックを紹介しようとすると、例えば私の専門である小児循環器が得意な先生は……と考えると限られてしまいます。そんなこともあって、受け皿となるクリニックになろうと開業に至りました。患者さんにもわかりやすいように、クリニック名に「小児循環器」と専門分野を入れています。

患者さんはどんな症状で来院されますか?

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先天性心疾患のお子さんが病院から紹介されて来られることもありますが、風邪や発熱のお子さんの割合が高いですね。予防接種の方も多いです。感染症にかからないようにするために予防接種のメリットは大きいと考えており、力を入れているんです。また、海外渡航者のためのワクチン接種も行っています。そのためインターネットで調べて遠方から来られる大人の方もいます。当院で準備しているワクチンは、狂犬病や髄膜炎菌、A型肝炎とB型肝炎など。渡航先の感染症の情報を調べたり、ワクチン接種のスケジュールを立てたりもしています。

むやみに薬は出さず、問診、触診を丁寧に行う

先生はなぜワクチン接種に力を入れられるようになったのですか?

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開業した頃は、岐阜市で生まれた子は岐阜市でしか予防接種が受けられないという状況で、予防接種の広域化が進んでいなかったのです。私は予防接種が重要だと考えていましたので、行政や医師会の方々に理解していただき、2013年に広域化が実現しました。

地域のためにいろいろ取り組まれているのですね。他にも先生が得意とされることはありますか?

岐阜県内だと十数人だと思いますが、日本超音波医学会超音波専門医でもありますので、超音波検査と診断をしっかり行っています。お子さんにとってはベッドに横になるだけですので、エックス線検査より負担が軽いと思いますね。また、股関節の超音波検査をする医師が少ないので、今はその勉強もしています。他にも、最近は新たに目の検査機器を導入しました。写真を撮る感覚で簡単にでき、1歳程度で弱視になりそうな子を発見することもできます。視力の発達は3歳までにほぼ完成するといわれていますので、目の病気の早期発見に努めたいですね。優れた機器の存在も大切ですが、より重視しているのは、聴診器で心臓の音を聞き、患者さんを見て、触れること。やはり診療では、自分の五感がとても大事です。これまでの経験も土台になっていると思います。

先生は、薬の処方についてもお考えがあるそうですね。

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はい、むやみに薬や抗生剤は出さないことにしています。当院で薬を出すのは10人のうち3人ぐらいですね。病院やクリニックに行ったら薬をもらって帰ることが当たり前のようになっていますが、飲みきれない薬が家に残っていることも多いのではないでしょうか。診療で大事なのは、病気を見極めることであって、薬を出すことではありません。食物アレルギーに関しても、問診を重視し、負荷試験を行いながら段階的に除去を解除していきます。私は産婦人科で毎月1回講演をしているのですが、そこでも同様の話をしています。

子どもの体も心にも寄り添うクリニックに

先生が医師になられたきっかけについて教えてください。

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私は工学系が第一志望だったのですが、模試では良い成績だったにもかかわらず不合格でして……。岐阜大学医学部にも願書を出していましたが、入試の日の早朝に目が覚めて外を見たらなんと大雪。それで受験はやめようと思ってまた寝たのですが、下宿の大家さんに「ごはんだよ!」と起こされました。雪はやんで晴れていましたね。もしあのまま大雪だったら、人生、変わっていたかもしれません(笑)。小児科を選んだのも、担当の教授が、苦しい中でも若手を先進の施設に2年間国内留学させるという熱意のある方でしたので、魅力を感じました。このような動機で医師の道に進んだわけですが、本当に医師に向いているのかは今でもわかりません。

医師になって良かったと感じていらっしゃるのですね。

そうですね。やはり子どもが元気になって帰っていく姿を見るのはうれしいです。また勤務医から開業医になって良かったのは、学会に参加することで全国に知り合いができたことです。東京でも岐阜の勤務医時代でも学会には出ていましたが、比較的、専門分野に限られており、今のほうが圧倒的に幅広い分野の医師からさまざまな情報を得ることができます。正直、開業医になると、ともすれば我流になりがちで勤務医時代のレベルを保つことが難しいこともありますので、医療の進歩から取り残されないよう、知識を吸収しています。病院と張り合うわけではありませんが、患者さんのためにも同等のレベルで病院と連携をしていきたいと考えています。

今後のことについてお考えをお聞かせください。

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病児・病後児保育室は、少し前まで、当院から300mほど離れたところにある木造住宅で行っていたんです。保育室が当院の2階に引っ越してきてその場所が空きましたので、来春から、児童精神科の先生に診療を始めていただく予定でいます。当院は風邪のお子さんが多く、割とスピーディーに診察が進みますが、中には、発達障害や不登校の悩み、精神疾患などのお子さんが来られることもあり、そうした方々に対してはある程度、時間をかけての診察が必要になります。私もじっくり相談に乗りたいけれども、待っている患者さんを思うと悩ましいところで、こことは別に場所を設ければ、専門の先生に、きちんと心の問題に向き合っていただくことができます。新しい先生と協力して、体も心もひっくるめて診ていける身近で通いやすいクリニックとして、地域のお子さんの健康を支えていきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

●海外渡航ワクチン各種
狂犬病/1万3000円~、 髄膜炎菌/1万2000円~
●予防接種
A型肝炎/1万2000円~、B型肝炎/10歳未満4000円、10歳以上5000円

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