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丹羽 咲江 院長の独自取材記事

咲江レディスクリニック

(名古屋市千種区/池下駅)

最終更新日:2019/08/28

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名古屋市営地下鉄東山線・池下駅からほど近いビル5階に「咲江レディスクリニック」はある。かわいらしい装飾のされたドアを開けると、花や絵が飾られた、落ち着きのある空間が広がる。院長の丹羽咲江先生は、勤務医時代はハイリスクな妊娠や出産、手術にも携わってきたベテランで、同時に一女の母として豊富な経験をしてきた。デリケートな領域の悩みが多いだけに、話しやすい先生を頼って遠方から相談に来る患者も多く、また母娘で通う患者が多いというのにも納得だ。「自分の身体は自分で守る、自分の生き方は自分が決める、それがとても重要だと思います」と丹羽院長。女性が主体性を持って生き生きと過ごせるよう、一生懸命力を尽くす、そんな強さと優しさを持った先生だった。
(取材日2017年6月24日)

女性の体を守るため、ピルの普及にも注力

まずは来院される患者さんについて教えてください。

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患者さんの年齢層は20~40代の方を中心に、50代以降から高齢の方、また思春期の外来を設けていることもあり10代の方もいらっしゃいます。主訴は本当にさまざまで、生理痛や生理不順(月経不順)、不正出血、尿漏れ、更年期障害、不妊治療、がん検診、妊婦健診、中絶、避妊などですね。名古屋市内の方が多いですが、あまり受診を知られたくないという方もあり、県外からも来られています。特に当院は、性交痛を病気として捉え、治療を行っていますので、金沢や京都、九州方面からもいらっしゃいました。診察は個室ですから、お話がしやすいと思います。

産婦人科の診察はどうしても怖いというイメージが先行してしまいますが。

患者さん、特に中高校生の方には私から先に「大丈夫ですよ」「怖くないですよ」「何を言っても怒りませんよ」と声をかけています。通常の内診は、カーテンを閉めて患者さんから見えないようにして行われますが、当院ではカーテンを開けたまま普通に会話をしながら診療を行います。実は海外ではそのほうが多いんですよ。患者さんは「しゃべっているうちに終わった」という感じですし、私は、患者さんの顔色や様子を見ながら診療することができます。また、器具は特注の小さなものですので痛みは少ないと思います。私自身、デリカシーのない診療を受けた経験や痛い思いをしたこともあり、器具は大事だと思っていたので、これは良いと思える器具を職人さんにお願いして作っていただきました。

先生が特に力を入れていることはありますか?

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ピルの普及ですね。日本では、セックスに関して女性は受け身であり、口に出してはいけないもの、という意識がまだ根強いと感じます。その結果、男性に押し切られて予期せぬ妊娠をすることも。セックスは本来、パートナーとの幸せな行為であるはずです。コンドームは破れることもありますが、ピルの服用は高い確率で避妊につながり、妊娠したい時期を女性が主体的に決めることもできます。自分の体は自分で守り、自分の生き方は自分が決める、それがすごく重要だと私は思っていて、ピルはそれを可能にする方法なのです。保険内のものと自費のものとあり、2017年6月のピルの処方は1200人ほど。私も服用しており、体調が悪い時に吐き気や頭痛など副作用を経験したので、それも含めてきちんと説明しています。

個々の患者に寄り添うことが開業医としてのやりがい

中には、つらい思いを抱えて来院する患者もおられると思いますが。

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例えば、人工妊娠中絶を受ける女性はとても悲しい気持ちであり、望んでそうなったわけではないので決して責めないようにしています。また10代で妊娠し、育てられる環境にないのに「どうしても生む」と言い張る子には、生まずに自分を大切にする生き方もあると時間をかけてお話ししていきます。非常に困難な状況ではあるのですが、中絶は人殺しではない、今回のことは学びであり、繰り返さないために自分の体を守る方法について一緒に考えよう、と伝えています。時間をとって、お昼休みに来ていただくこともありますね。患者さんは不安を抱えて来られる方がほとんどなので、スタッフも皆、患者さんに優しく、苦痛をなるべく与えないように、早く、正確に、効率よく、ということを心がけてくれています。

これまでを振り返って印象に残っていることはありますか?

医師になって26年、カルテを見ると患者さんの数が4万人を超えました。産婦人科の医師になって良かったなと思うのは、生まれてから高齢になるまで、1人の女性をずっと診ることができるということです。今では「私は、先生に取り上げてもらいました」と言う方や、親子で来院してくださる方もあります。印象に残っているのは、10代の頃に中絶し、斜に構えた態度だった子が、成人して「お母さんになれたよ」と子どもを連れてきてくれたことです。開業した時はお産にも手術にも携わることがなくなるので少し寂しい気持ちもありましたが、私自身、子育てや離婚を経験し、体調が悪い時期もあったので、患者さんの悩みに共感できる部分もあり、開業医の自分にしかできないことがたくさんあるのではないかと思うようになりました。今の立場が自分に与えられた使命であり、やりがいのある仕事だと思っています。

時代の変化を感じられることはありますか?

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未婚の女性が増え、妊娠、出産の年齢が上がりました。また、結婚して子どもが欲しいけれどセックスができない、という女性が驚くほど増えました。それは例えば、厳しい親や学校教育のもとでセックスはいけないものだと言われ続けてきたとか、虐待や暴言を受けて育ち、自己肯定感が著しく低くなって他人、特に異性に心を開けない、あるいは性暴力被害にあったという原因もあります。また体調が悪くてストレスがひどいと、実際に外陰部に痛みが出やすくなることもあるんです。現代の女性は労働時間が長くて睡眠時間が短く、食べ物が偏っていたりもするので、その影響も考えられます。

健康に気をつけて、「自分って素敵」と思える毎日を

女性の健康についての講演など、診療以外にも多くの活動をされていますね。

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講演は1年間に80件ほど、その約半分が学校での性教育です。性の問題は、望まない妊娠や中絶、生んでからも育児の悩みなど、女性がつらい思いをすることがとても多いです。それらの問題は起こってから対処するより予防が大切だと考え、いろいろなところで話をするようになりました。高校の保健体育の先生と共同で、愛知・思春期研究会の代表もしています。会では子どもを取り巻く性の問題をテーマに講演会を行っており、直近では弁護士の方に、性と法律についてお話いただきました。また私は、性犯罪の加害者である少年たちに話をする活動もしています。難しいのですが、女性として責めるのではなく、淡々とした話し方をしています。ほかには、女性の体や健康について、男性にも理解しやすいDVDを作成しました。私はナレーションを担当し、俳優さんはオーディションをして選んだんですよ。

先生はあがり症だそうですが、素晴らしいご活動ですね。

若い人に性の話をすることは絶対必要だと思って始めたのですが、人前に出るとあがってしまうので、それを克服するために2つのスクールに合計7年間通いました。現在はボイストレーニングをしています。講演のためでもありますが、毎日100人ほどの患者さんにお話しするのは実は結構、体力が要るのです。疲れた聞き取りにくい声にならないよう、患者さんが安心できる、親しみやすい声の出し方や間合いの取り方を学んでいます。

最後に、女性たちへメッセージをお願いします。

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私は父が産婦人科の医師で、自宅が隣でしたので幼稚園の頃から父の医院を遊び場にして育ちました。アットホームな雰囲気で、父が患者さんにとても優しかったことを覚えています。私も、ここが患者さんにとって安心できる場であり続けたいと思っています。女性に伝えたいのは、いつ、どんな状況でも、たとえ運が悪いとかつらいと思えることがあっても、涙を流しながらでも「自分は素晴らしい」と思ってほしい、ということです。つらいことをはねのけるには健康な体も必要です。女性の不調は、もともとの血行不良や冷えが原因となることが多いので、当院では夏でも足元にヒーターを入れていますし、私自身もお肉をたくさん食べて筋トレもして健康に気をつけています。女性として、「自分って素敵じゃん!」と思える人生を送っていただきたいですね。

自由診療費用の目安

自由診療とは

不妊治療(人工授精)/6000円
人工妊娠中絶/初診1万円~1万5000円程度、手術料 [妊娠9週まで]10万円、[妊娠10週~11週] 15万円(一週間後の診察料、手術時薬剤料込み)
低用量ピル/2500円~3000円、中用量ピル/2000円(1ヵ月分)
※保険診療内で処方できるピルも有ります。お問い合わせください。
※費用目安はすべて税抜きです。

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