シンプルで繊細な治療だからこそ、再発を防ぐことにこだわる

Q根管治療とはどのような治療なのでしょうか？

A

▲より良い治療を行うために、歯科用CTを完備

根管治療とは「歯の内側にある神経をきれいに除去する」治療です。虫歯（う蝕）が神経に到達するほど進行して、歯の神経が炎症を起こした場合や、事故などの外傷で神経が深刻なダメージを負った場合などに行います。これらの症状は、放置するとズキズキとした痛みが持続したり、顔やリンパが腫れるなど重篤な症状へと進行したりします。歯科医院を受診される患者さんの願いのほとんどは「できるだけ歯は残しつつ、痛みをなくしてほしい」ですから、その願いをかなえるのもわれわれの大切な仕事。根管治療はダメージを受けて興奮状態にある神経を取り除き消毒することで、抜歯せずに患者さんの痛みを取ることをめざす治療です。

Q根管治療とは、具体的にどのような治療をするのですか？

A

▲マイクロスコープを用いて精密な治療を実施

まずはダメージを受けた根管内の神経をすべて取り除き、きれいに掃除します。この時、神経の取り残しや細菌の除去に不備があると、再感染を繰り返してしまいます。神経の形も非常に複雑で人それぞれ違いますので、慎重に作業することが大切です。すべてきれいに取り除くことができたら、根管内に薬品を入れて消毒を行います。最後に細菌が入らないように最終の薬を詰めます。これで根管治療は終了です。自費治療の場合は治療時間をたっぷり取れますので治療回数は少なくできますが、保険診療の場合は時間制約があるため回数が余計にかかります。通院が大変ですが、根管治療の成功を左右する非常に重要な治療です。一緒に頑張りましょう。

Q次の段階では、どのような治療を行うのでしょうか？

A

▲同院では繰り返さない治療をめざしている

根管治療が終わればその上に土台を作り、最終的なかぶせ物をします。この土台とかぶせ物は、根管内に再び細菌侵入させないためのバリケードの役割をします。隙間ができないようピッタリと接着することが大切です。根管治療の成功率はピッタリと適合したかぶせ物がなされているかの影響が大きいという有名な論文もあります。私が精密治療にこだわる理由の一つです。根管治療は精度やきめ細かさが求められる治療です。当院には再治療を求めて来院される方が数多くいらっしゃいますが、治療を繰り返すほどに根管の中は変化し処置が難しくなります。当院ではマイクロスコープや歯科用CTも活用し、繰り返さない治療をめざしています。

Q治療成功のために、診断と治療計画を大切にしているそうですね。

A

▲丁寧な検査をもとに慎重に検討し、適切な診断をすることが重要

歯は抜いたり削ったりしたら再生しません。もちろん、根管内にある神経もそうです。ですから、治療を始める前には「痛みの原因は本当にここなのか」を慎重に検討する必要があります。間違った治療を何度繰り返しても意味がありません。丁寧な検査をもとに慎重に検討し、適切な診断をすることがまずは大切です。その上で、しっかりとした治療計画を立て、患者さんと共有すること。根管治療は表面上あまり変化がないため、「何をしているのかよくわからない」と思われることが多い治療です。どんなに良い治療も、患者さんが来院してくださってのこと。通院の不安をなくすためにも、今、治療計画のどの段階なのかを常にお伝えするようにしています。

Q根管治療後のメンテナンスとはどのようなものなのでしょうか？

A

▲治療後は定期的に通院し、メンテナンスを受けることを勧めている

根管治療後に再発させないためには、適切なメンテナンスを受け、口腔内の細菌のコントロールを図ることが重要です。口腔内には皆さんの想像以上にたくさんの細菌が存在しており、想像以上に過酷な状況です。また歯の食いしばりや歯ぎしり、日常の些細な癖も重なればダメージとなって蓄積され、放置していれば虫歯や歯周病の原因にもなります。当院では、歯や歯肉に余分なダメージを与えず清潔を保つためのクリーニングを実施しています。バイオフィルムをはじめとする細かな汚れを除去し、虫歯や歯周病の予防をめざします。健康も美しさも口元から始まります。ぜひ一度ご相談いただければと思います。