中村 真一 院長の独自取材記事
中村歯科医院
(神戸市灘区/六甲道駅)
最終更新日:2024/03/04
1953年の開業以来、70年以上にわたり、歯の健康を支え続けてきた「中村歯科医院」。先代から同院を継承し、現在も数多くの患者と向き合う院長の中村真一先生。特に力を入れて学んできたインプラント治療、歯周病治療の他にも、審美歯科、入れ歯作り、小児の矯正や咬合育成、そして健康を守るために何より大切な予防歯科など、患者のニーズに合わせて幅広い相談に対応している。そんな中村院長が大切にしているのは、「可能な限り最善を尽くすこと」。患者の意思を尊重しながら、自由診療の選択肢も豊富にそろえ、これまで培ってきた経験と技術をもとに質の高い歯科医療を追求している。今回は、中村院長が考える歯科医療や診療について、詳しい話を聞いた。
(取材日2021年1月8日)
高い技術と自由診療から生み出す総合的な歯科治療
初めに、クリニックについて教えてください。
当院は1953年に歯科医師であった母が開業し、70年以上にわたり地域の歯科医療の一端を担ってきました。患者さんの年齢層は幅広く、長きにわたる人とのつながりの重み、大切さを感じる日々です。副院長は歯列矯正と小児の咬合育成に取り組んでおり、乳歯が生えそろう前のお子さんに対しても力を入れています。開業当初はワンフロアで診療していましたが、時代の変化に合わせて患者さんのプライバシーを守る必要性を感じ、全室個室化。CT撮影、マイクロスコープの導入とともにデジタル化を図り、全面リニューアルを行いました。治療と予防はそれぞれ専用のルームで診療しています。
歯科医療に対して、どのようにお考えですか?
歯科治療は、毎日の「生活の医療」としては欠かせないものです。口腔の状態が悪いと、咀嚼機能や発音に影響するだけでなく、笑った時の見た目が気になったり表情、印象も変わったりしてきます。日常における食事、会話、笑顔などに関わることから、「お口の状態は生活の質を左右する」と言っても過言ではありません。歯科医師という道を選んだからには、患者さんの心身の健康に寄与することを第一に考え、日々の診療にあたっています。そのためには提供する歯科医療の内容をさらにレベルの高いものとする努力が求められます。例えば1本の同じかぶせ物でも、歯の神経をできるだけ守り、周辺の歯や歯茎との調和、見た目、噛み合わせなど、全体のバランスを図り、さらにそれを精密に治療する。「総合力」が求められます! 治療オプションを多く備えるほど、より完成レベルも上がります。そのためには「必要十分な時間」も確保しなければいけません。
自由診療に関する考え方を教えてください。
「保険診療」は基本的にどこでも同じ内容です。しかしベストのことができるかと聞かれれば、そこには制約と制限があり困ってしまいます。「自由診療」の最大の利点は、方法はもちろん、材料、時間を存分に使い、納得のいく治療をめざせることです。強調したいのは「患者さんのために自由診療はある」ということです!「健康で快適で長持ちが望め、良好な結果につながる」と確信しています。さまざまな選択肢がある中で、すべての方法にはそれぞれの利点、短所があります。されるされないは関係なく、しっかり理解していただくこと、それが歯科医師の役割だと思っています。その上でご意思やご希望、ご事情を尊重し、ご本人に選択していただき、治療をスタートしています。
機能回復を図り、残存歯を守るインプラント治療に注力
インプラント治療への考えをお聞かせください。
私がインプラント治療の素晴らしさを感じたのは20代の勤務医時代です。当時、歯を失った部分に対して咀嚼機能を取り戻すための画期的な治療法だと感じて以来、国内外の勉強会に幾度となく参加し、強い関心を持って取り組んできました。機能を回復させることに加えて、何より周辺の健康な歯を守る上でもとても有用だと確信します。例えば入れ歯やブリッジを行う場合は、周辺の健康な歯にダメージを与えるか、残っている歯に大きな負荷をかけてしまいます。しかしインプラントの場合は、健康な歯を削ることなく、良好な噛み合わせの構築をめざすことができるのです。これまで30年以上にわたりインプラント治療に注力してきましたが、歯を失った場合の治療法として、素晴らしい選択肢の一つだと考えます。
歯周病治療にも注力されていると伺いました。
歯周病は、歯科疾患全体で見ると大きな割合を占めています。私が歯周病治療に力を入れる理由は2つあります。1つ目は歯周病があっては、その先の治療が何も進められないからです。インプラントや入れ歯、歯列矯正、審美歯科などすべての診療にとって「歯肉、骨が健康であること」はとても大切な条件です。歯周病で一度失った骨も今は取り戻すことも図れます。2つ目は全身の健康との関連性です。歯周病の細菌はお口の中にだけ留まるわけでなく血液を介して全身を巡ります。歯周病を改善し、健康な状態を保ち続けることは「全身の健康」につながる重要なことです。予防歯科の一環として「継続的なメンテナンス」を習慣化していただきたいと思います。
診療する上で心がけていることはありますか?
患者さんのほとんどは「怖い」と治療を避けたがられます。過去の歯科治療で痛い思いをされた経験でトラウマのようになっておられる方もあります。でも恥ずかしながら歯の治療に対しては私もそこそこ怖がりです。麻酔、振動、痛みへの恐怖感で息が止まりそうになります。ですので、ドキドキ感はよくわかります。0にはならないかもしれませんが、できるだけ患者さんが痛みを感じないように工夫しています。メンタル面からでも痛みへの恐怖や不安感も変わってきます。患者さんに緊張を和らげてもらえるよう会話も大事なんです。麻酔も治療も「痛くないように、痛くないように……」そういう気持ちで行うと不思議ですが、指先から伝わるんでしょうか? 痛みが軽減するものなんです。もちろんテクニック的な要素も大事です。
歯科医師と患者の間にある「絆」を大切にした診療を
かかりつけ医を探す際のアドバイスはありますか?
私自身が大切だと考えているのは、クリニック全体が一丸となって、患者さんが困っていることにしっかり耳を傾けて理解し、「一生懸命向き合う」という点です。今はインターネットで検索すると、さまざまな情報を得ることができます。情報があふれてます。いいことばっかり書いてあると信じたくなりますね(笑)。写真やイメージで選びがちですが、その医院の診療スタンスやコンセプトが、ご自身の「受けたい」方向性と一致するかどうかで判断されるのが良いのではと私は思います。いわゆるマッチングですね。大切なことは、「患者さんとの心の絆」を大切にしながら診療に取り組んでいるかです。あとは先生やスタッフとの相性だったり、何より「ご縁」ということになるんではないでしょうか。そして歯科医療への姿勢、思い、方向性が一致することが大事です。
今後はどのような診療をしていきたいですか?
歯科医師として経験値が増し、誰しもかもしれませんが、患者さんへの向き合い方も少しずつ変化してきたように感じます。目の前の患者さんの人生、そして幸せについてより考えるようになりました。「自分に何ができるか?」出会った方にベストを尽くし、関わるすべての人にとって「プラスの存在」になりたいと思います。とはいえ私は未完成人間です。これで十分だと思わずに、生涯学習する意欲を持ち続けることで、新しい知識と技術の習得に努めたいです。それで、いつか歯科医師という仕事を終えるときに、自分で「一生懸命よくやったな」と涙ぐめるくらい、限りある人生の時間の中で一所懸命かつ楽しく診療をしたいと思っています。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
28本ある歯のうち、どうでもいい歯は一つとしてありません。前歯、奥歯関係なくすべての歯が大切なのです。だからこそ、患者さんにはきちんとした治療を受けてもらいたいというのが私の願いです。保険診療と自由診療、どちらにおいてもメリットとデメリットはありますので、それぞれの良さを組み合わせて、その方にとって最適な歯科医療を選択していただきたいと思っています。歯科治療というのは、とても時間と手間がかかるもの。ですから、方向性が同じご自身に合う先生を見つけて、困ったときはすぐに相談できる関係を築いていただければと思います。皆さんにとって体を委ねる医師、歯科医師との関わりは大切な選択になりますので、お互いいいご縁になればいいですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/21万円~、セラミック/10万円~、小児矯正(咬合育成含む)/3万円~(症例によって異なります)、ホワイトニング/3万3000円~