ゆりかごから墓場まで
生涯を通して口腔を守るかかりつけ医
田中歯科
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2025/01/16
阪神バス塚口小学校停留所の目の前にある「田中歯科」は、開業以来、地域に密着した診療を行っている歯科医院だ。現在院長を務めるのは田中壯憲先生。父である前院長からクリニックとともに地域医療への想いも引き継ぎ、すべての年代の患者に寄り添い「一生ものの歯を守る」ための治療に注力している。「寿命が延び、人生は80年、90年ととても長い。その人生を通して使える丈夫な歯、機能的な歯を育て、守っていきたい」と語る田中院長は、口腔機能発達不全症や口腔機能低下症の治療にも積極的に取り組み、口腔機能を通した健康への影響を強く訴えかけている。地元でもあるこの地域の健康に、情熱を燃やしすべてを捧げる覚悟で取り組む田中院長。その思いや口腔機能の大切さについて詳しく話を聞かせてもらった。
(取材日2022年11月28日)
目次
歯科の「かかりつけ医」として、生涯を通して使える歯を守りたい
- Qゆりかごから墓場までをテーマにされているそうですね。
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A
当院は私の父が開院した歯科医院ですので、開院当時から来ていただいている患者さんたちも高齢になられました。父が大切に守ってきた患者さんたちですから、息子である私が最後まで責任を持ちたいとの思いから訪問歯科診療を始め、つくづく感じるのが口腔の機能が健康に大きな影響を与えているということです。食べる、話すをしっかり維持されている方々は、やはりとてもお元気な印象です。私は地域の皆さんには、元気でいていただきたいと思っています。そのために、小さな時にはより良い口腔に育て、歳を重ねてからは機能の維持に取り組んでいただきたい。そう考えて、「予防重視」の診療に取り組んでいます。
- Q口腔機能発達不全症について教えてください。
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A
口腔機能とは、食事、会話、呼吸をするために必要な機能のことです。これらは発育とともに獲得していく機能なのですが、生活習慣や食習慣の変化もあり、大人になるまでに正常に獲得できていない「口腔機能発達不全症」の人が増えています。口腔機能がうまく発達しなければ、咀嚼や飲み込みが苦手、口呼吸になるなどの不具合が生じ、歯並びや発音、全身の健康に悪影響を与えていることも。そこで当院では、正常な機能を獲得していくために、口腔機能の状態を調べた上で、必要により発達を促すトレーニングを行っています。食べられない、話せないというほど重症でなければ気がつかないことも多いので、検診を通して見つかることがほとんどです。
- Q口腔機能低下症について教えてください。
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A
獲得していた口腔機能が年齢や病気などをきっかけに低下している状態です。最近では「オーラルフレイル」とも呼ばれ、うまく食事が取れなくなったり、会話や呼吸に支障が出るようになります。咀嚼や舌の動き、飲み込み機能など7つの検査項目のうち3つが該当した場合に診断され、症状に合った治療をしていくことになります。口腔機能の低下を放置しておくと、自分では気づかないうちに食事では十分な栄養を取ることが難しくなり、寝たきりや認知症の一因にもなりかねません。口腔機能低下症と同じく、適切なトレーニングを行えば、機能の維持や回復が期待できます。「おかしいな?」と思うことが増えたら、一度検査を受けてみると良いでしょう。
- Q予防・メンテナンスに注力するのはなぜですか?
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A
平均寿命が延び、人生が50〜60年だった時代に比べると、歯を使う時間は20年も30年も増えています。つまりそれだけ、食事をし、話をする回数も増えているということです。しかし、ほとんどの人があまりにも当たり前にしている動作なので、大切さを改めて実感することは難しいかもしれませんね。しかし、自分の周りを見渡した時に、なんのメンテナンスもせずにそれほど長い間使い続けられるものはないですよね。車でも家でも、使い続けたいものは大切に扱い、時にはプロの手を借りてメンテナンスしているのではないでしょうか。死ぬまで使う歯も、それと同じこと。一生使うために、大切にしていただきたいです。
- Qトリートメントコーディネーターが在籍しているそうですね。
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A
当院には、歯科医師と患者さんの架け橋となるトリートメントコーディネーターが在籍しカウンセリングを行っています。これは患者さんの健康を守るため、治療についてしっかりと理解をいただくためで、特に初診時には十分な時間をかけて検査や説明を行っています。「とりあえず治療だけしてくれればいい」という人もいらっしゃるかもしれませんが、私たちは患者さんの大切な歯を一生かけて診ていく「かかりつけ医」になりたいと考えています。患者さんのライフステージに合わせて、より良い口腔をつくるお手伝いをしますので、なんでも気軽にご相談ください。一緒に健康で明るい未来をつくっていきましょう。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。