「食べる幸せ」と「生きる幸せ」
自宅や施設で受ける訪問歯科診療
田中歯科
(尼崎市/塚口駅)
最終更新日:2024/07/26
- 保険診療
- 自由診療
社会の高齢化が進む中、健康寿命という言葉を耳にすることも多い。単に寿命が長くなるだけでなく、健康で過ごすために、食事を取ることはとても大切になる。そのために大切にしたい歯の健康を維持するため、歯科に通院できなくなった時、高齢者や身体障がい者が、自宅や施設で歯科診療を受けることができるのが訪問歯科診療だ。一般的な治療だけでなく、定期的な口腔ケアも受けられるという。長年にわたり訪問診療に取り組む「田中歯科」の田中壯憲院長に、訪問歯科診療について、話を聞いた。
(取材日2020年12月11日)
目次
虫歯や歯周病治療、抜歯、入れ歯治療などのほか、誤嚥性肺炎や筋肉の機能低下などを防ぐ「口腔ケア」も
- Q訪問歯科診療は、どのような流れで受けることができますか?
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A
患者さんがご自分の力で歯科医院へ通院することが難しくなった際、患者さんのご家族やケアマネジャー、介護施設、病院等からのご要望や、地域の歯科医師会からの案内によって、訪問歯科診療を実施します。当院では、歯科医師とともに、訪問歯科診療専任のコーディネーターや歯科衛生士、歯科助手らスタッフもお伺いし、ご自宅や施設で診療を行います。
- Qどのような人が訪問歯科診療の対象となるのでしょうか?
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A
通院による受診ができない患者さんです。主に要介護、要支援などの認定を受けているご高齢の患者さんや、身体障がい者の方となります。訪問歯科診療を行っている歯科医院から半径16km以内の地域にお住まいの患者さんが対象となりますが、急な症状が発生した時に早く訪問できるよう、迷われた場合はできるだけご自宅近くの歯科医院を探していただくことをお勧めします。訪問診療を実施している歯科がわからない場合は、担当のケアマネジャー、主治医、お住まいの地域の歯科医師会に相談してください。
- Q歯科の院内で受ける治療と違いがあるのでしょうか?
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A
虫歯や歯周病治療、抜歯、入れ歯の作製・修理・調整など一般的な診療は可能です。ただ、診療チェアではなくベッドや椅子などでの診療となるため、患者さんの体調の許容できる範囲での内容となります。当院では、訪問診療より設備の整った自院での治療のほうが患者さんにとって負担が少ないと判断した場合は相談の上、当院までお越しいただき治療を行うこともあります。院内で必要な治療をした後は、再度、訪問診療での診療を継続していきます。また、大きな手術が必要な症状や、口腔内の腫瘍などの場合は、専門的な治療が受けられる病院への紹介も行っています。
- Q訪問歯科診療ではどのようなことを行いますか。
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A
一般的な治療以外に、訪問診療では、介護されているご家族やスタッフの方ではできない口腔ケアを行います。ご高齢の方は、嚥下機能が衰えてくるため、食べ物が飲み込みきれず、お口の中にたまってしまうことも。そのため、お口の中の歯垢や食べかすをきれいに取り除いていく「器質的口腔ケア」や、口腔内のマッサージなどお口の筋肉の機能低下を防いでいく「機能的口腔ケア」を定期的に行います。また必要に応じ摂食嚥下の状態を簡易的に確認します。それにより問題が疑われた場合は専門家等と連携を取って対応し、現在の食事形態の確認やさらなる嚥下障害や誤嚥性肺炎の予防などを行います。
- Q診療にかかる時間や費用について教えてください。
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A
ご自宅への訪問や一部の施設は介護保険の対象となりますので、公的な医療保険と合わせての適応となります。介護保険の対象ではない施設や年齢の患者さんには公的な医療保険のみが適応となります。また保険適応外の治療を望まれる方は、選択肢として自由診療もあります。一度の診療にかかる時間は症状にもよりますが30分程度です。患者さんの体に負担がかからない時間で行っています。
自由診療費用の目安
自由診療とは金属床義歯:18万円~
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。