歯を抜かない選択
マイクロスコープとCTを用いた米国式根管治療
吉川歯科医院
(千葉市美浜区/稲毛海岸駅)
最終更新日:2023/11/14


- 自由診療
虫歯などが理由で歯を抜かなければならない状態になったときに、それを回避する手段の一つとなるのが根管治療。十分な視野を確保しにくい口腔内で、神経や血管を除去するという非常に細かい作業を要するため、難易度の高い治療ともいわれている。その精度向上に貢献するのが、裸眼ではなく数十倍まで視野を拡大できるマイクロスコープだ。吉川英樹院長は、国内では普及率が高くないといわれるマイクロスコープとCTを用いた根管治療に注力。患者の歯を残すため、難易度の高い根管治療の成功率を高めるべく尽力している。米国・欧州で歯内療法のスペシャリストに師事し、精力的に学びを重ね、マイクロスコープに加え無菌的処置や時間を惜しまない診療などでもベストを尽くす吉川院長に、同院の特色である「米国式根管治療」について聞いた。
(取材日2023年3月16日)
目次
マイクロスコープやCT・ラバーダムの使用、時間を惜しまない治療で再発リスクを抑えるための治療を実践
- Q根管治療とはどのような治療ですか?
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A
▲精力的に学びを重ねているという吉川院長
虫歯を放置して悪化させると、最終的には歯を抜かなければならなくなってしまいます。それを回避するために、歯の中に存在する虫歯に感染してしまった神経や血管を除去し、その空洞を緊密に充填して歯を残すことをめざすのが根管治療です。根管治療は高い技術を要するため、残念ながら治療後に歯の周囲が膿んでしまうケースも少なくはありません。当院ではより成功率を高めるためにマイクロスコープとCTを使用した米国式根管治療を採用しています。最近はインターネット等でしっかり情報収集した上で、「ぜひここで治療を受けたい」「他で抜歯を提案されたが歯を残したいから何とかならないか」と、相談にいらっしゃる方がとても増えました。
- Q米国式根管治療とはどんなものでしょう?
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A
▲マイクロスコープを備え、精密な治療を提供する
大きな特徴はマイクロスコープの使用です。当院では日本の歯科医院での普及率が少ないといわれるマイクロスコープを根管治療にも導入しています。マイクロスコープで拡大下での治療を行うことで、治療精度を格段に向上させることが望めます。日本は歯科医療に支払う費用がアメリカの10分の1~20分の1ともいわれており、自分の歯にかける時間とコストの価値観が大きく異なります。欧米では歯内療法のスペシャリストの予約時間は1時間から1時間半ともいわれていて、精密な治療を実施すれば、どうしてもそのくらい時間は必要です。当院でも患者さんの予約数を限定することにはなりますが、時間を惜しまず1人1時間はかけています。
- Qその他にも、根管治療において大切なことはありますか?
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A
▲根管治療の精度を上げるため、無菌的処置に注力している
根管治療の失敗の多くの原因となるのが、施術中に歯の内に細菌が入ってしまい、そのままふたをして治療箇所が膿んでしまうことです。ですから、いかに歯の中を無菌的に消毒をするかが、根管治療の成功率を高めることに関わるのです。私は歯の中を触ることは体の中を触る外科手術と同じと考え、無菌的処置を徹底しています。日本では普及が少ないクラスBの高圧蒸気滅菌器を完備し、複雑な形状の器具の内部まで滅菌を行います。また、ラバーダム防湿と呼ばれるゴムマスクを使用しています。これによって細菌を含む唾液が患部に入ることを防ぎ、根管治療の失敗を予防し、成功率を高めることをめざします。
- Q根管治療のコストについては、どう考えれば良いでしょうか。
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A
▲壁や床材はすべて自然素材が使われていて、温かみがある待合室
歯科医師の役目は患者さんにベストな治療を提供して喜んでいただくことだと考えています。欧米では根管治療のコストは、日本と比較して10倍~20倍といわれています。日本では、保険制度のためか、根管治療を行うと結果的に抜歯されることが多いようです。インプラントをすればかなり高額になります。それよりご自身の歯を残すための根管治療は「同等の価値」があると考えていますから、長期的に見て良いと思います。コストを抑えるために患者さんに不十分な治療を提供することは避けたいと考えています。もちろん患者さんが保険診療を希望する場合もあるでしょうから、丁寧に説明をした上で、患者さん自身に選んでいただければと思います。
- Q先生は根管治療以外にも精通していると聞きました。
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A
▲日本歯周病学会歯周病専門医の資格を持つ院長
日本歯周病学会歯周病専門医の資格を取得しています。インプラントについても、米国で専門的に研鑽を積んでいます。歯の欠損部位を補う補綴治療の一種であるクラウンブリッジ治療も、米国のスペシャリストに師事していました。何か一つの専門を突き詰めるよりも、すべてのジャンルにおいて高い技術を維持することが歯科医療で重要だと考えています。例えば最初は歯を残すことを目標に根管治療を行っても、予知性に疑問が残る場合はブリッジあるいはインプラントへ移行するなど、何が患者さんにとってベストかの判断も、各ジャンルに精通していればできるのです。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/38万円~、根管治療/8万円~、クラウンブリッジ治療/12万円~