専門性を持つ歯科衛生士による
対話と手技が充実した予防歯科
高野デンタルクリニック
(世田谷区/駒沢大学駅)
最終更新日:2025/12/15
- 保険診療
予防歯科の重要性は、昨今、広く知られるようになってきた。「高野デンタルクリニック」の高野裕爾院長も、「治療の基本となるのが予防歯科です」と、その重要性を強調する。予防歯科で、中心となるのが歯科衛生士だ。歯石除去のほか、歯周病確認から歯磨きのレクチャーまで、患者に寄り添いながら予防面を支えてくれる。高野院長が全幅の信頼を寄せる歯科衛生士が、樋口多緒子さん。樋口さんは歯周病予防に精通し、セミナー講師を務めた経験もある予防歯科のスペシャリストだ。「歯についたプラークを、一本ずつハンドで除去します」という姿勢は、まさに「職人」という形容がふさわしい。メンテナンスは口腔トラブルの予防が期待でき、全身の健康を守る一助となる。そんな重責を担う樋口さんに、予防歯科の重要性や日常生活の注意点などを聞いた。
(取材日2025年11月12日)
目次
歯周病予防に精通した歯科衛生士が担当。セルフケアの重要性を説き、ハンドで一本ずつプラークを除去する
- Qこちらでは、どのように予防歯科に取り組んでいますか?
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A
▲時間をかけて丁寧に、徹底的に実施する同院のクリーニング
クリーニングをはじめ、ブラッシング指導やフッ素塗布などの予防処置を行っております。虫歯や歯周病の原因の一つに、プラーク(歯垢)と呼ばれる細菌の塊があります。まずはプラークによってどのように虫歯や歯周病へ発展するか、歯周病が全身の健康に影響するかといった話を伝え、お口の健康の重要性やセルフケアの理解を深めていただきます。その後、丁寧なクリーニングと徹底的な歯磨き指導の後、フッ素塗布で終了です。トータルで、約1時間かけています。歯科医院でクリーニングを受け続けた人と、受けていない人とでは、歯茎や歯槽骨の状態が異なるといわれています。それだけ予防歯科は重要なのです。
- Q歯科衛生士の専門性の高さも強みだと伺いました。
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A
▲近年目立つ上下歯列接触癖(TCH)についてのアドバスも行う
私は歯周病予防に精通する歯科衛生士として、セミナーのアシスタント講師も8年ほど務めた経験があります。口腔内を拝見する時は、歯石やプラーク、歯科トラブルの有無だけでなく、前回のメンテナンスからの変化、歯を支える骨や舌の状態まで広範囲に確認しています。また、近年は「上下歯列接触癖(TCH)」がある患者さんにも注目しています。これは食事以外は触れ合わない上下の歯が、無意識のうちに持続的に接触している癖のこと。通常よりも早く歯がすり減り、知覚過敏、顎関節症やそれに伴う頭痛、歯の欠損、歯周病などを引き起こす原因にもなります。疑いがある方には、改善を目的とした深呼吸などのアドバイスも行っています。
- Q樋口さんはメンテナンス法にこだわりがあるそうですね。
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A
▲手技が光る、こだわりの歯石・プラーク除去
歯周病予防の基本となる歯石やプラークの除去は、徹底的に学び研鑽してきました。超音波スケーラーだけでは、歯茎の根元や隙間に入り込んだプラークは取りきれません。私はキュレットと呼ばれる歯科器具を使い、歯についた歯石やプラークを一本ずつハンドで除去します。毎回、歯茎に直接触れるので、前回と違って今日は出血する、前回に比べてお手入れができているなど、変化もよくわかります。キュレットは太さや大きさが違う3種類を患者さんの状態に合わせて使い分け、施術が終わるごとに専用の砥石で一本ずつ研ぎ、器具のメンテナンスも忘れません。また、知覚過敏がある方には、歯がしみないように歯科器具を温めて使う配慮もしています。
- Qそのほか、ケアを行う際に心がけていることはありますか?
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A
▲患者自身のケアも予防歯科の重要な柱になる
予防歯科には、患者さん自身の日頃のメンテナンスが欠かせません。歯のケアの重要性や具体的な方法を、丁寧にお伝えするよう心がけています。歯磨きは、歯ブラシのみだと7割弱しかプラークは除去できないので、フロスや歯間ブラシは必須だとアドバイスしています。また、規則正しい食生活がとても大切です。お茶や水以外のものを食べたり飲んだりすると、口の中は酸性に傾き歯のカルシウムが溶け出しますが、しばらくすると唾液の作用で再石灰化され、元に戻ります。しかし、間食が多い、ジュースなどを飲む回数が多いほど酸性に傾く状態が続き、虫歯や歯周病の原因に。食事のリズムは大人だけでなくお子さんも気をつけてほしいと思っています。
- Q院長との連携について教えてください。
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A
▲スタッフ同士の厚い信頼関係も、患者の安心感につながっている
当院は、院長を含めて歯科医師2人と歯科衛生士は私1人です。小規模なのでコミュニケーションが密に取りやすい環境です。患者さんの口の中を見れば、前回との違いはもちろん、歯科トラブルの可能性、全身の健康状態の低下なども把握できます。そのような変化は院長に必ず伝え、院長もそれを診療に生かしてくれています。院長含め、私も歯科医療セミナーには積極的に参加し、新しい知識と技術の向上に努めています。スタッフ同士の信頼関係が厚く、予防歯科と歯科治療の連携がスムーズなので、患者さんも安心できるのではないでしょうか。開業して25年になりますが、定期検診で通ってくださっている患者さんは増えています。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

