濱田潤二先生の独自取材記事

高野デンタルクリニック

(世田谷区／駒沢大学駅)

最終更新日：2024/07/12

東急田園都市線駒沢大学駅西口から徒歩1分、ビルの2階に「高野デンタルクリニック」がある。ここで高野裕爾院長とともに診療を行っているのが濱田潤二先生だ。気さくな濱田先生は子ども好きで、自分の子どもたちやその友達ともよく一緒に遊ぶそうだ。クリニックでは、こうした経験が小児歯科の診療に生かされていて「子どもたちとの話題にも困りません」と笑顔で話す。子どもから始まった治療がやがて家族ぐるみの治療になり、親子で通う患者も少なくないという。大学卒業後からずっと「高野デンタルクリニック」に勤務している濱田先生は、高野院長からたくさんのことを教わったそうだ。小児から成人まで、治療に対してどのような思いを持っているのか、濱田先生に詳しく話を聞いた。

（取材日2024年5月31日）

自然に治療に入り、自然に治療が終わっているのが理想
子どもの治療を通して、家族ぐるみの受診につながる
検診や治療を通して、通いやすい歯科医院をめざしたい

自然に治療に入り、自然に治療が終わっているのが理想

濱田先生がこちらで診療を始められたのはいつ頃ですか？

歯学部を卒業し研修医を経て、すぐに勤務医としてここに来ましたらから、かれこれ18年勤務しています。今どき珍しいですよね。他にもいくつかクリニックに面接に行ったのですが、高野院長との面接が一番納得できて「ここなら勤務できそうだ」と思ったんです。ですから、技術的なことも含め、患者さんとのコミュニケーションや対応、クリニックの運営についてもすべて高野院長から教わりました。

高野院長はどのような教え方をしてくれたのでしょうか。

最初の頃は、とにかく何もできませんから、仕事からプライベートに至るまでいろいろと教えてもらいました。高野院長は話していても楽しいし、とても優しい人です。教え方もすごく上手で、技術面も一つ一つ丁寧に教えてくれて、やらなきゃ覚えられないことは「とにかくやってみろ、大丈夫だから」と背中を押してくれたのが本当に心強かったです。普通なら、新人にやらせるより自分がやったほうが早いし精密じゃないですか。院長は最初から僕を一人前の歯科医師として任せてくれました。逆に「院長がいるから安心できる」という気持ちで、自信を持って治療に臨めましたね。現在も僕と院長の2人で診療を行い、基本的に担当制を取っています。

濱田先生は小児歯科が得意とお聞きしました。

確かに子どもの診療は好きですね。誰にとっても歯科医院は怖くて嫌いな場所だと思うし、その気持ちを大人はグッと我慢して、子どもは表に出しているだけだと思います。小児の治療は、痛みに配慮するのは当然ですが、自然と治療に入って気づいたら終わっていたといった流れをめざしています。また、こまめに声がけをして、治療に使う器具も、どんなふうに使うのかなどを一つずつ説明します。口を開けるのが無理だったら、診察台も倒さずにそのままの姿勢で治療したり、削る時も2秒くらい削って口をゆすいでもらったり、必ず細かいステップを踏んだ治療を行います。そして治療ができたら、たくさん褒めてあげます。当院には時々、近隣の保育園や幼稚園から、子どもが転んで口腔内にけがをした、出血したという連絡が入ることがあります。その時は飛び込みで来院されますが、その後も通ってくれるようになったらうれしいですね。

子どもの治療を通して、家族ぐるみの受診につながる

それでも泣いてしまう子もいるのではないですか？

もし「今日はこれ以上の治療は無理だ」と判断したら、その日はそれで終わりです。後日、改めて来てもらいます。絶対に無理な治療はしませんし、当然ですが、羽交い締めにするといったこともしません。無理やり治療をすれば、必ず歯科医院が嫌いになり、その気持ちが大人になっても残ってしまうからです。「歯科医院は意外に怖くない」「気づいたら治療が終わっていた」と思ってもらえる治療が大事ですし、そうすることで、大人になってトラブルがあった時も抵抗なく歯科医院に来てくれるはずですから。何もトラブルがない小さい頃から歯科医院に通ってくれれば、治療にも抵抗がなくなると思います。

クリニックは家族ぐるみの患者さんも多いのでしょうか？

お子さんに付き添って来た親御さんが一緒に治療を始めるというケースは多いです。いつの間にかご両親二人ともが来てくれて、おじいちゃん、おばあちゃんと、家族ぐるみの来院が多いですね。親子3代で通ってくださっているご家族も少なくないです。そういえば、小学校1年生の頃から当院に通ってくれていた子が大学生になり、どこに進学したのかを尋ねたら、大学は歯学部に進学したそうです。お母さんが「あの子は高野デンタルクリニックしか来ていないので、濱田先生の影響だと思います」と言われたときは、本当にうれしかったですね。その子も今は地方に住んでいますが、いまだに当院に通ってきてくれています。

成人の治療で大事にしていることはありますか？

歯科医院が嫌われているのは百も承知ですから、やはりリラックスしてもらうことを第一に考えます。患者さんが診察台に座った時から治療は始まっていると思っているので、口を開けたり、ミラーを差し込んだりする時から、安心してもらえるよう心がけています。いっそ眠ってしまうくらい、リラックスしていただけたらうれしいですね。治療についてもいくつかの選択肢を挙げて、必ずメリットとデメリットを説明します。最終的に決めるのは患者さんですが、どうしたらいいかわからないという方もいらっしゃるので、今の状態を説明しながら一緒に決めていきます。たとえお勧めの治療があったとしても、必ず患者さんの希望を探るようにし、すべてを僕が決めることは決してありません。

検診や治療を通して、通いやすい歯科医院をめざしたい

濱田先生が歯科医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

定番ですが、代々歯科医師の家系なんです。祖父も父も兄も歯科医師で、父は開業医ですが、兄は大学病院の歯科口腔外科にいます。僕は当時、歯科医師になるつもりはなく、高校時代は文系でした。しかし、大学受験をきっかけに改めて自分の人生を本気で考えてみたんです。その時に、父や兄と同様に歯科医師になろうと決め、翌年、日本歯科大学に入学しました。実際に歯科医師になって思ったのは、見ている側と治療する側では大きなギャップがあり、そんなに簡単じゃないなと痛感しました。同時に、日々技術や知識を習得していかないと自分の成長にならないと思いましたね。今でも父や兄に会うと、お互いに歯科の機材や材料などについて教え合っています。歯科治療は、日進月歩、目覚ましい進歩を遂げていますから。

具体的にどのようなことに進歩を感じますか？

例えば、3D光学スキャナーやマウスピース型装置を用いた矯正などは、ゼロから生まれたまったく新しいものですね。3D光学スキャナーは、詰め物やかぶせ物の製作、矯正のためのマウスピース型装置を製作する際などに使用します。それまでの印象材を使った型を採りは、嘔吐反射を起こす人もいて、患者さんにとっては苦痛でした。3D光学スキャナーは、ペン型のスキャナーで口腔内をスキャンするだけで、立体的な口腔内の構造がパソコンのモニターに写し出されるので、手軽で患者さんの負担も軽く、精度も十分です。また、当院ではノンクラスプデンチャーを使った入れ歯治療も行っていますが、これも新しい治療ですね。ノンクラスプデンチャーは見た目も目立たず、フィット感も高い。かつ丈夫さも兼ね備えているので、患者さんのさまざまな悩みに寄り添えると実感しています。

最後に患者さんや読者の方にメッセージをお願いします。

近年は、若い世代からご高齢の方まで予防意識の高い人が増え、定期的に検診に来てくださる方が非常に多くなりました。審美面のホワイトニングも、幅広い世代の方に通っていただいています。特にご高齢の方は、それぞれの人生の中で噛めないことで失うものの大きさをよく知っていらっしゃるのだと思います。噛んで食べるおいしさをずっと味わってもらいたいので、検診は大切です。口腔内の悩みは早めに解決したほうがいいので、どんなことでもご相談ください。決して無理に治療を始めるようなことはしませんし、一つずつ問題の解決を図るうちに、自然と治療が終わっているような治療をめざしていますので、安心してご相談ください。