津田 亜季子 院長の独自取材記事
宿河原津田眼科クリニック
(川崎市多摩区/宿河原駅)
最終更新日:2024/08/15

JR南武線の宿河原駅から徒歩3分の場所にある「宿河原津田眼科クリニック」。診療内容は、一般眼科診療のほか、小児眼科、糖尿病網膜症などの糖尿病による眼合併症、緑内障・網膜剥離・眼底出血に対するレーザー治療、コンタクトレンズ・眼鏡の処方。地域の目のかかりつけ医として、小児から高齢者まで幅広く患者を受け入れている。大学病院で研鑽を積んだ院長の津田亜季子先生をはじめ、熟練の医師による白内障の日帰り手術にも対応している。「さまざまな患者さんが来られるので、丁寧にわかりやすくご説明するよう心がけています」と語る津田院長。系列の「千代ヶ丘 津田眼科」、「宮前平 津田眼科クリニック」との連携体制も同院の特徴一つ。2019年より院長を務める津田先生に、医師をめざした経緯や同院の強みなどについて語ってもらった。
(取材日2024年7月3日)
大学病院での研鑽と地元クリニックでの経験を融合
そもそも先生のご両親が、それぞれ川崎市内で眼科を開業されているのですよね?

祖父が眼科で高津でずっとやっていて、継いだわけではなく父は独立してクリニックを開きました。母方の祖父も山梨で診療所を開いていて、両親ともに医師家系だったんですね。それで最初は新百合ヶ丘に開業し、次に宮前平。それぞれのクリニックの院長を父と母が務めていて、2005年にここが開業しました。私は2013年に眼科医になったのですが、初期研修を終えた後、昭和大学病院や昭和大学横浜市北部病院での勤務を経て、このクリニックの院長になりました。それまでここは、いろいろな先生方が院長を務めてくださっていたのですが、私の前任の院長が独立開業されるのを機に、“戻ってきた”という感じですね。
いわば眼科は家業でいらっしゃいますよね。 先生が眼科医になられたのも、その流れですか?
父と母の影響ももちろんありますが、大学を卒業後、初期研修でいろいろな科をローテーションした際、「眼科っていいな」って実感したんです。というのも、眼科というのは治療の結果を患者さんが明確に、かつ即座に実感できる診療科なんです。それに「見え方」が大きく変われば、QOLも向上することが期待できます。患者さんの生活に大きく影響する分野なので、責任も大きいですが、眼科を選んで良かったなと、今もすごく思います。患者さんに喜んでいただけるよう、毎日の診療に取り組んでいます。
大学病院にお勤めになったことで、どのような点が今役に立っていますか?

やっぱり数多くの症例にふれてきたことだと思います。大学病院には特別な手術が必要であったり、入院して点滴治療を行ったりするような患者さんがいらっしゃいます。町のクリニックでは対応できないような症例に数多くふれてきたことで、来院された患者さんの疾患に緊急性があるか、当院で治療できるか否かの判断は迅速にできるようになったと思います。一方で、大学病院の途中からはこのクリニックでも診察するようになっていたのですが、ここでは逆に大学病院では診ることのなかった疾患や症状を数多く診ています。例えば「目が乾く」「目がゴロゴロする」といった日常的な症状でいらっしゃる患者さんが少なくないんですね。でもそうやって気軽に訪ねてきていただけるのが、私たちの強みですし、患者さんにもお役に立てている部分だと思います。
大学病院の医師の協力を仰ぎ幅広い手術に対応
こちらのクリニックの特徴を教えてください。

展開している3院のうち、当院だけ手術室を備えています。他の2院に受診されている白内障の患者さんの手術や、主に加齢によって網膜に出血やむくみが生じて視力が低下する加齢黄斑変性という病気に対して行う硝子体注射などは、当院で行うことができます。手術や注射は私も行いますし、副院長の高沢朗子先生、帝京大学溝の口病院教授の今村裕先生ほか、大学病院から外勤先としていろいろな先生がいらっしゃって執刀していただいています。眼瞼下垂症手術を執刀いただく田中由香里先生、白内障手術は國重智之先生にご担当いただいています。術後のトラブルやさらなる手術などが発生したときにも、大学病院を受診することができますので、患者さんにとっても心強いかと思います。あとは、ドライアイの症状を引き起こすマイボーム腺機能不全に対するIPL治療にも対応しています。
先生の専門分野と、診療の際に心がけていることについて教えてください。
シンプルですが、眼科全般ですね。白内障は大学病院時代から多数手術を行ってきましたし、目の健康にまつわることでしたら、全般的に対応いたします。診療時の心がけについては、常に敬語でお話しするということは徹底しています。ただ、すごく小さいお子さんは別で(笑)、怖がらせないようフレンドリーに話しかけます。医師が話す内容は難しいじゃないですか。症状や理屈を説明されても、専門外の患者さんにはきっと伝わらないと思うんです。自分自身がたまに受診してもそういう印象を抱く時がありますし。ですので、医療用語はできる限り使わないようにして丁寧に説明しています。家に帰って家族の方に「どうだった?」と聞かれても、自分の言葉で話せるような、そんな説明を心がけていますね。
日常的な目のケアなどに関してアドバイスされることもあるんですか?

例えば、ドライアイの場合は、長時間パソコンで作業をしたり、スマホを見たりすることでまばたきが減り、涙の分泌が減ることで起こるので、お薬以外に「意識的にまばたきしてくださいね」とお伝えします。また、網膜に膜が張ってしまって、ものがひずんで見える黄斑上膜という病気の場合は、「1日1回見てください」と格子模様がプリントされた紙をお渡しするなど、症状に応じたトレーニングやケアをお勧めすることもあります。
引き続き、受診しやすい地域密着型クリニックに
どのような症状の患者さんが多いですか?

やはり白内障と緑内障ですね。80歳を超えたら、ほぼ全員白内障といわれていますし、この超高齢社会ですので、患者さんは増える一方かと思っています。白内障の場合は進行抑制を図る目薬もありますし、生涯手術しないで終える方もいらっしゃいますが、眼鏡をかけても見えづらいとか日常生活に支障があるとか、特に運転される方は、手術をお勧めしたいですね。一方緑内障の場合は、特に自覚症状はありませんが、40歳を過ぎると急激に増えますので、1回きちんと眼科を受診して眼底検査を行っておくと安心かなと思います。なんだか視野が欠けてるなと気づいた時にはすでにかなり症状が進んでいるので、自覚症状がないうちから定期的に検診を受けていただきたいです。
最近、目立っている症状はありますか?
流行性角結膜炎、いわゆる「はやり目」と、「プール熱」ともいわれる咽頭結膜熱ですね。どちらもアデノウイルスが原因で、以前は夏場に多かったんですが、今は季節を問わず、1日に少なくとも2、3人は患者さんがいらっしゃいます。お子さんが目をこすった手で触れた部分に親御さんが触れ、その手で目の周りに触れるといった程度で感染してしまいます。ウイルス性なので自分の免疫力で治すしかないんですけれども、2次感染を防ぐために抗菌薬を点眼し、あとは炎症を抑えるステロイドの点眼薬も処方しています。目やにが増えてきたら感染の恐れがありますので、早めに受診いただいたほうがいいと思います。
今後、どのようなクリニックをめざしていきたいとお考えですか?

親から続いてきて、地元の方からもずっと信頼していただけていますので、それは継続していきたいですね。はっきりとした症状がなくて「何か違和感あるな」という程度でも来ていただきやすい、地域の目のかかりつけクリニックでありたいと思っています。
自由診療費用の目安
自由診療とはドライアイのIPL治療/7700円(施術1回)
※初診料3300円、再診料1100円が別途必要