サージカルガイドによるインプラント治療
メンテナンスも重要視
古橋歯科医院
(名古屋市中村区/本陣駅)
最終更新日:2022/04/01
- 自由診療
「古橋歯科医院」の診療チェアの前のモニターに映し出されたCT画像には、患者の歯の欠損部と噛み合わせなど口腔内の状態、そこにインプラント義歯を補った場合の最終シミュレーション結果が示されている。これを見ながらきめ細かく説明し、納得した患者に対しインプラント治療を進めていく。一般的に長持ちすると言われているインプラント治療は、治療後のメンテナンスをしっかりと行うことでさらに長持ちさせることも望め、いわば「一生モノ」とも言え、コストも相応だという。画像をもとに作製されたマウスピースのようなサージカルガイドを使って精密な治療をめざす同院の院長である古橋匡文先生に、導入しているシステムの特徴やメリット、インプラント治療に対する考え方やメンテナンスの方針などについて聞いた。
(取材日2018年1月12日)
目次
CT撮影してから口腔内にベストフィットするものを見極めてのインプラント装着、そしてメンテナンスまで
- Q歯科用CTを使い診査・診断をするメリットを教えてください。
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A
インプラント治療に際してのCT撮影では、現在の歯の状態と修正後の口腔内がどうなるかをシミュレーションすることができます。治療の際にはまず、歯の欠損部の型採りをして石膏模型を作り、それを咬合器に装着して噛み合わせを診断します。その上で撮影用のマウスピースを作製して口の中にはめ、CT撮影します。歯が抜けると3~4割の量の骨が喪失すると言われているのですが、その状態もわかります。骨がない場合は、土台になる骨を補強する手術を行うことがあります。骨の再建術としては、骨補填剤と呼ばれるものを使う方法などがあり、当院でも対応しています。
- Qインプラント治療用サージカルガイドの役割を教えてください。
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A
サージカルガイドは手術用のマウスピースのようなもの。CTのシミュレーションデータから作り、治療後の歯を模ったものに穴が開いています。そこに指定された長さのドリルを当てることで、インプラントを埋め込む位置・角度・深さが精巧に示されます。特に上の前歯は見た目も重要ですし、骨も薄いためガイドを使うことで大きなメリットがあると思います。ただドリルのサイズを少しずつ変えて穴を開けていくときにガイドだけに頼っていると、骨の薄いところでは削りすぎてしまうこともあります。なので私は、最初の位置決めのドリルはこのシステムを使いますが、あとは目で見て、最終的な深さは自分の経験による感覚も合わせて微調整しています。
- Qインプラント治療の全体の流れや痛みについて教えてください。
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A
インプラント埋入後、完全に骨と癒着するまで3~6ヵ月ほど待って、アバットメント(かぶせ物とインプラントの接続部分)のシミュレーションを最初のCT画像から行い、作製します。その上に最終的にかぶせ物を技工士にオーダーし、装着します。かかる時間については、最初に骨を補填するか、噛み合わせや歯周病治療をするかなど、個人によって違いはありますが、だいたい半年から1年弱くらいです。痛みは、多くの方が「最初の想像より楽だった」と言いますね。痛み止めでコントロールできるレベルです。治療時の音や振動には少し驚かれる方もいますが、部分麻酔をしっかりかけ、怖くないようにお話ししながらゆっくり進めていきます。
- Qインプラント治療の際に噛み合わせや歯周病の治療もされますね。
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A
そもそもインプラント治療が必要になる、歯を失った理由を解決しなければ、せっかく高度で精密な治療をしてもまた傷めてしまうことになりかねません。歯周病も噛み合わせも、外科治療も、どれをやる・やらないではなく、トータルで診ています。噛み合わせについては、反対側の顎がずれていることもあるなど顎全体のバランスが大切なので、義歯を技工士にオーダーする際には模型だけではなく、それを咬合器にくっつけた状態で、細かい指示を出し、患者さんのベストな噛み合わせが実現できるようにしています。歯周病に関しては、状態の悪い方の場合には歯周組織を再生するなど、専門性の高い治療にも対応しています。
- Qインプラントのメンテナンスについて教えてください。
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A
一番大事なのは清掃状態です。インプラントは虫歯になりませんが、歯周病にはなるので、歯磨きはしっかりやっていただく必要があります。基本的に3ヵ月に1度来ていただいてクリーニングし、ブラッシングの仕方などを指導しています。そして、その後に必ず噛み合わせのチェックをし、ずれがないかどうか、また全体の歯の当たりのバランスを確認します。食いしばりや歯ぎしりの癖がある方は歯がだんだんすり減っていくのですが、セラミックや金属製の人工歯は、自然の歯よりも強度があって減り方が異なります。患者さんが自分で気づくことは難しいですが、その状態で噛んでいるのは毎回口の中に地震を起こしているようなものなんですよ。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント/1本につき28万5000円〜、骨造成・歯周組織再生療法/3万~、CT撮影/6000円、※ガイドシュミレーションが必要な場合は別途2万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。