染め出して染色箇所を確認
できるだけ侵襲の少ない予防ケアを実践
古橋歯科医院
(名古屋市中村区/本陣駅)
最終更新日:2023/10/10
- 保険診療
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虫歯や歯周病の治療から根管治療、小児歯科、口腔外科、インプラント治療、矯正まで幅広く担う「古橋歯科医院」。もともと歯科用CT、マイクロスコープ、CAD/CAMシステムなどの機器をそろえていたが、2023年春の改装で、新たに院内の空調換気に全熱交換器を導入、ユニットごとに口腔外バキュームと歯面清掃機エアフローを設置した。古橋匡文院長は「院内の空気環境の質にこだわり、お口の環境を整えるための機器をそろえました」と穏やかに話す。口内環境を整えるには、治療はもちろん、患者一人ひとりに合わせた予防の実践が重要と考えてきた古橋院長。機器をそろえたことを機に予防の在り方も見直したという。患者と医療側双方の負担軽減を図った新たな予防の取り組みについて教えてもらった。
(取材日2023年8月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Qまず、予防歯科とはどのようなものなのでしょう。
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A
予防というと、虫歯や歯周病の原因菌を増やさないためにクリーニングを行って歯や口腔内を清潔に保つというイメージが強いと思います。確かに清潔な口腔環境も重要ですが、それ以外にも、上下の歯の噛み合わせが合っているか、左右どちらかに偏っていないかをチェックし、問題があれば改善を図ることも将来的なトラブルを防ぐ意味で予防といえます。また、歯を失う原因は歯周病や虫歯だけでなく、歯ぎしりや食いしばりが関係していることも。なので当院では、虫歯や歯周病予防に加え、噛み合わせのバランスをチェックし、歯ぎしりや食いしばりがある場合は、歯が割れないように、就寝時に装着するマウスピースをお勧めすることもあります。
- Q予防に取り組む適正なタイミングがあれば教えてください。
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A
生後半年頃、歯が生えた時点から虫歯のリスクが生じますので、フッ素塗布から始まり、成長するに従って虫歯の予防、歯周病の予防、さらに高齢になるとそれらに加えてオーラルフレイルの予防、誤嚥の予防などが必要になりますね。つまり、予防はどのタイミングで、というものではなく、歯が生えてから一生続くものと考えて良いと思います。中でも、乳歯から永久歯への生え替わりの時期は特に重視すべき予防のタイミングといえるでしょう。歯科医院で診療を受けて歯並びが悪くなることが予測される場合は矯正が必要となることも。早い時期からの矯正も将来的に歯を守るための予防といえますね。
- Qこちらのクリニックが行う予防の特徴を教えてください。
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A
まずは患者さんが快適に過ごせる院内環境を整備している点にあります。2023年に改装し、院内の空気を20分間で入れ替える換気設備である全熱交換器と医療用空気清浄機を設置。次に口内環境を良くするために、従来のスケーリングといった歯石除去の方法から、染め出しして磨き残しのある部分に、エアフローと呼ばれる歯面清掃機を使って細かなパウダーを吹きつける方法に変更。低侵襲かつ汚れを効率的に除去するエアフローと口腔外バキュームをすべてのチェアーに設置することで、私たち医療者だけでなく、患者さんの負担軽減にも役立てています。あとはお勧めの歯ブラシや歯間ブラシなども、一つの提案として患者さんにご紹介しています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1口内を検査後、染め出しを行う
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まずは口腔内をチェックし虫歯の有無を確認、必要があれば治療に進む。歯周病ポケットを測定し、歯周病の評価も行われる。染め出し液を歯に塗り、染め出しを行う。歯と歯の間や歯茎との隙間など、磨き残しのある箇所に色が残るので記録のために口腔内写真が撮影される。患者も鏡を見て確認する。
- 2情報を共有し磨き方の指導を受ける
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染色された歯を見せ、磨けていなかった箇所を把握。ブラッシング指導も理解しやすくなる。さまざまな歯ブラシや歯間ブラシなど、ケアグッズのアドバイスも行う。「奥歯と前歯では歯間のサイズは違うため、複数のサイズの歯間ブラシを使うと良いでしょう」と古橋院長。約3ヵ月に1度、染め出しして経過観察することが望ましい。市販の歯ブラシと比較して毛の本数が多く、高密度で効率よく磨くことができる歯ブラシも取扱っている。
- 3歯肉の縁上、縁下にエアフローを行う
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染色箇所のバイオフィルムや初期段階の歯石を取り除くため、専用のハンドピースを用いて細かいパウダーを吹きつける歯面清掃機エアフローを使用。歯石を削って取る従来のスケーリングより、歯や歯肉に対する侵襲が少なく、かつ施術に要する時間も短縮がめざせるという。パウダーはかすかに甘く、ぬるめのお湯が出るので知覚過敏の患者にも刺激が少ないとのこと。
- 4硬い歯石を除去し、最終確認
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口内を確認し、エアフローでは取れなかった硬い歯石を、スケーラーを使って丁寧に除去していく。ここまでの工程で約30分。汚れの程度によってはさらに時間がかかることもあるが、従来のスケーリングやルートプレーニングといった手法と比べると、患者の負担も歯科医師、歯科衛生士の負担も軽くなったという。
- 5取り残しがないかを確認し噛み合わせをチェック
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染色箇所すべてにエアフローが行われたか、硬い歯石も取り終わったか最終チェックをし、患者の希望に応じてフッ素塗布を行う。噛み合わせも確認し、問題があれば矯正も視野に入れる。問題がなければ次回の予約をする。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/28万5000円~、小児矯正/5万円~、ワイヤー矯正/35万円~、マウスピース型装置を用いた矯正/35万円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。