頭痛や肩凝りなどの不定愁訴とも関連
噛み合わせの調整
ひらて歯科クリニック
(名古屋市中区/新栄町駅)
最終更新日:2021/11/29


- 保険診療
見てわかる歯並びと違い、噛み合わせの悪さを自分で自覚できる人はそれほど多くない。しかし、上下の歯がちゃんと合わさらず、噛んだ時に顎や歯が落ち着く位置やバランスが悪いと、食事が十分に咀嚼できずに胃腸に負担をかけやすいばかりか、さまざまな全身の不調を引き起こす可能性があるともいわれている。近年ではストレスから無意識での噛みしめや歯ぎしりで、歯そのものや噛み合わせを悪くする人も多いそうだ。そこで長年、噛み合わせ治療に取り組んできた「ひらて歯科クリニック」の平手雅樹院長に、噛み合わせが口腔内、または全身に与える影響や、同院が行っている抜歯や矯正を伴わない噛み合わせ治療について詳しく解説してもらった。
(取材日2021年8月16日)
目次
頭痛・肩凝りとも関連する不正咬合。正しい噛み合わせづくりが口腔内だけでなく全身の健康にも寄与
- Q噛み合わせが悪いと、どのような問題が起こりますか?
-
A
▲噛み合わせと全身の関係について話す平手院長
噛み合わせとは、歯並びのことだけではなく、上下の歯の合わさり方や、噛んだ時に顎や歯が落ち着く位置やバランスのことを指します。噛み合わせが悪いと、顎の関節がガクガクしたり、カクッと変な音がしたりするようになります。それに伴って頭痛や首・肩の凝りが起こることが考えられ、ひどくなると腰や膝にも影響が出てきます。噛み合わせが悪くなる原因の一つとして、噛みしめや歯ぎしりなどが挙げられますが、噛みしめや歯ぎしりが長く継続すると歯周病の悪化にもつながり、歯周病菌がほかの病気を悪化させることにもつながりかねません。このように噛み合わせが悪いと、口腔内だけでなく全身の健康にも影響を及ぼすのです。
- Q頭痛が噛み合わせと関係している場合もあるのですね。
-
A
▲噛み合わせが与える影響はさまざま。些細なことも相談を
患者さんごとに原因もさまざまなので一言では言えませんが、噛み合わせが悪いと、顎の関節や筋肉に負担をかけ、その周囲の血行も悪くなって筋肉がうまく動かなかったり、痛くなったりすることもあります。また噛み合わせが原因で顎の関節がうまく動かなくなると、頸椎にも負担がかかって、頸椎から背中や腰のほうまでバランスが崩れ、首や肩の凝り、腰痛につながる可能性があると考えます。噛み合わせが悪くないのに頭痛がある方は別の要因が考えられるので、ほかの診療科で検査を受けるようお勧めしています。
- Q噛みしめや歯ぎしりと歯周病はどういう関係がありますか?
-
A
▲歯科医院での日々のクリーニングも欠かせない
歯周病は歯周病菌が繁殖して起こります。それを跳ね返す免疫力が足りなければ進行するので、歯磨きやクリーニングと併せて、睡眠を十分にとり、疲れをためないようにすることが大切です。疲れやストレスから噛みしめや歯ぎしりが強くなると、それだけで歯がグラグラと動き、症状が進行すれば徐々に歯の土台となる骨が溶け出します。歯周病は歯茎が減る病気と思っている人がいますが、実は歯槽骨という骨がなくなっていく病気なんです。歯周病は、認知症や糖尿病、血栓ができやすくなるなど、さまざまな疾患との関連性もわかってきています。当院では噛みしめや歯ぎしりから歯を守るため、就寝時につけるナイトガードの作製なども行っています。
- Qこちらで行っている噛み合わせ治療について教えてください。
-
A
▲ナイトガードは院長が一つ一つ手作りで作製
当院では、抜歯や歯列矯正によってではなく、まず虫歯や失った歯の補てんといった根本的な歯科治療を行います。次に、正しい歯の高さ・位置、バランスを計算し、それをもとに歯を削ったり、かぶせ物の高さを変えたりといった咬合調整を行うほか、顎関節治療用のテンプレートを用いて顎の位置を調整し、就寝時には歯ぎしりから歯を守るナイトガードを装着していただきます。なお、就寝時に装着するナイトガードは、顎関節を緩めるために少し硬めの材質を使っており、私なりの調整法があるので、歯科技工士さんには依頼せず、患者さん一人ひとりの口腔内の状態に合わせて、私自身が微調整を加えながら作製しご提供しています。
- Q噛み合わせのために、普段の生活の中でできることはありますか?
-
A
▲日々の生活の中で噛み合わせに注意してほしい
私から見ていて、体のバランスが悪い人は、やはり噛み合わせが悪いことが多いと感じます。まずは姿勢を良くすることと、体の片側だけを使わないことです。日頃片側の歯だけで噛んだり、片側ばかりで荷物を持ったりといったことは良くありませんね。そして、ストレスをためると強く噛みしめることが増えるので注意してください。噛みしめや歯ぎしりを無意識にしないように、付箋に「噛まない」と書いて、家の各所に貼っておくのも一つの方法です。もし、噛み合わせが気になるようでしたら、当院ではご自分の歯を残す噛み合わせの調整、治療をさせていただきますので、お気軽にご相談ください。