橋本 雅範 院長、橋本 雅人 副院長の独自取材記事
橋本歯科医院
(名古屋市南区/本笠寺駅)
最終更新日:2022/11/28
75年の歴史を持つ南区の「橋本歯科医院」は、歯科医師、歯科衛生士、歯科技工士、歯科助手、受付が一丸となって診療を行う地域密着型の歯科医院だ。橋本雅範院長は東京歯科大学卒業後、母校講師で学生教育等に尽力し、愛知県歯科医師会では8020運動、口腔と体の健康の啓発等に関わってきた経験から、予防歯科の大切さの普及に努めてきた人物。小学校の学校歯科医を長年務め、高齢者施設・在宅の訪問診療にも精力的に対応する。橋本雅人副院長は歯科治療にとどまらない総合的な医療のノウハウを身につけるため、総合病院で研鑽を積んだ。現在は一般歯科をはじめ噛み合わせ治療やインプラント治療など口の中全体を考えた精密な治療に熱心に取り組む。「思いやりの心で日々診療にあたります」と語る2人に、同院の特徴や診療の信念を聞いた。
(取材日2022年10月7日)
「思いやり」を信条に安心・安全な診療の徹底を
こちらの歯科医院の歴史をお聞かせください。
【雅範院長】当院は1948年に私の父が開業しました。私は1995年に父から院長職を継ぎ、現在は副院長である息子とともに診療にあたっています。予防歯科に力を入れた診療を行っているのが当院の特徴の一つで、先代の頃から、できるだけ歯の健康を守り、生涯にわたって自分の歯を残すことができるよう、予防に主軸を置いた診療を行っています。また私自身は当院での診療に加えて、長年にわたって地元小学校の学校歯科医を務め歯科保健の大切さを児童に教えています。また、高齢者施設・通院が困難になられた方への訪問診療にも取り組み続けています。
70年以上の歴史があるとなると、長く通われている患者さんも多いのではないでしょうか?
【雅範院長】そうですね、先代の頃から通われている方も多く、お子さんの頃から診てきた患者さんが親になりお子さんを連れて来るといったことも増えました。患者さんの年齢層は下は0歳から上は102歳までと本当に幅広いです。
【雅人副院長】新規の患者さんは、既存の患者さんやその家族、スタッフからの紹介が非常に多く、当院の診療を実際に受けてとても気に入っていただいた方たちから、紹介の輪が広がっていくのはうれしい限りです。患者さんだけでなく、長く勤めるスタッフが多いのも当院の自慢です。産休・育休明けに活躍してくれているスタッフもいるおかげで、若手の育成や診療内容の充実にも取り組めています。
世代や受診理由もさまざまな患者さんを診療するにあたり、どんなことを心がけていますか?
【雅人副院長】最も大事にしているのは「思いやり」です。「思いやり」を常に心がけ、スタッフ全員が実践しています。当院では衛生管理にも力を入れています。すべての診察室に口腔外バキュームを備えつけ、治療器具の消毒・滅菌処理のシステムは、スタッフが「自分自身に使うならこれ」と選りすぐったものを導入しています。使い捨てできるアイテムはすべて取り入れて活用し、さらに治療やメンテナンスを行う際にはあらかじめ洗口水で口をゆすいでいただくのも特徴です。
「患者さんの健康のパートナー」として予防歯科に注力
歯科診療全般に対応する中で、特に力を入れていることは何ですか?
【雅範院長】大切なのは予防歯科。むし歯や歯周病を未然に防いだり、悪化や治療後の再発を防いだり、噛み合わせの乱れなど、さまざまな予防の観点から診療を行っています。「8020」を達成され表彰された患者さんも大勢いらっしゃいます。ただ、日本では定期的に診る診療という習慣の定着はまだまだと感じますので、啓発の必要性を強く感じますね。また最近、子どもの「口唇閉鎖不全症」も注目されています。口呼吸が続くと、むし歯、歯周病のほか出っ歯にもなりやすいので、口呼吸を治すためのトレーニングにも力を入れています。
【雅人副院長】近年力を入れている精密な歯科診療も、ある種予防の一環と言えるかもしれません。例えば歯周病治療の場合、当院では一本一本の歯に対して入念に治療を行います。時間はかかりますが、質の高い治療を行うことを重視しているのです。かぶせ物や詰め物をする際にも、しっかり口腔状態を良くしてから処置します。
定期的にメンテナンスを受けるメリットとは何でしょうか?
【雅範院長】まず、お口の中を清潔な状態に保ちやすくなります。例えば歯科医院で口腔内メンテンナンスを受けても、普通は3ヵ月程度で以前の状態に戻ってしまうともいわれています。また、メンテナンスを通じて全身に関わるトラブルを見つけたりすることもあります。例えば糖尿病は、歯周病とも深く関係するといわれていて、歯周病を治療した方の糖尿病が改善につながったとの報告があります。他にも、正しい口腔ケア、定期的なメンテナンスによって高齢者の誤嚥性肺炎予防が期待できるといわれています。
歯科診療を通じて全身の健康状態にもアプローチされているのですね。
【雅範院長】口腔と全身の健康は密接な関連がありますので、健康を支える立場として十分に目を向けています。私自身、歯科からの骨粗しょう症の早期発見をライフワークにしています。当院のCTとパノラマエックス線装置には、撮影と同時に骨粗しょう症の可能性を判定できるシステムが搭載されていて日常的に活用しています。診療時には全身疾患の既往歴や薬歴にも目を通し、医科の知識も必要です。例えば骨粗しょう症治療薬には、副作用で抜歯によって顎の骨が壊死する事例が報告されたものもあります。細心の注意を払って治療するためにも、こうした関連知識は不可欠です。医科歯科連携も密接で、医科の医療機関を紹介することもあれば、睡眠時無呼吸症候群の患者さんなどを医科からの紹介を受け入れるケースも。医師、歯科医師、薬剤師で互いに情報交換したりディスカッションしたりする場にも積極的に足を運び、地域医療の向上に努めています。
痛みなど診療の不安を軽くするためのさまざまな工夫
歯科診療のハードルを下げるために取り組んでいることはありますか?
【雅人副院長】どんな人も初診は緊張を感じていらっしゃいますし、特に歯科に関しては「痛みを感じたらどうしよう」という不安が大きいかと思います。麻酔注射が苦手という方も多いので、当院では麻酔処置が必要な患者さんに対しては必ず、まず患部に表面麻酔を施した上で麻酔注射を行います。患者さんに緊張せず安心して診療を受けてもらえるように、当院では基本的に初診時から一貫して同じ歯科医師・歯科衛生士が診療を担当します。診療で麻酔処置を待ってもらう場合にも、患者さんを一人にすることはありません。一人きりの時間があると、緊張や不安が増してしまいますからね。誰かしらが必ず患者さんのそばにいるようにしているので、会話もしやすいと思います。
毎回同じスタッフさんが担当で診療時に会話もしやすいなら、ちょっとしたことも相談しやすくなりそうです。
【雅人副院長】そう感じていただけたらうれしいです。患者さんの病状や治療歴をまとめたカルテとは別に「サブカルテ」を用意し、患者さんとの雑談内容や直近のご予定、その他気になったことなどをメモしているのも当院ならではの取り組みかと思います。スタッフが診察室に案内する際に会話の種として活用することもあります。また、患者さんの目にとまることはありませんが、診療前後の清掃に加え、午後の診療前に床掃除をスタッフ全員で行っています。これも、気持ち良い空間で患者さんに過ごしてもらいたいとの思いから行っている取り組みです。
今後の目標をお聞かせください。
【雅人副院長】これからも予防の啓発に努め、メンテナンスのために歯科医院を利用するという文化を広めていきたいです。早い段階で介入して、痛い、つらい思いではなく、気持ち良くなるために歯科医院に通ってもらえたらと思います。最近力を入れている乳幼児期の口腔発達に関する啓発なども、予防に関連する取り組みの一つです。歯が生えてくる前の段階からお子さんの健やかな発育をサポートするためにも、知識の啓発に努めていきたいです。
【雅範院長】今後も患者さんとの対話を重視し、痛みのない安心で安全な歯科医院づくりをめざしていきたいと考えています。予防歯科をコンセプトに、生涯を通して患者さんが豊かな食生活を楽しんでいただけるよう、素晴らしいスタッフとともに日々の診療に取り組んでいきたいと思っています。終わりに、お口と全身の健康には密接なつながりがあります。気になることがございましたら放置せず、お気軽に受診ください。
自由診療費用の目安
自由診療とはオフィスホワイトニング/4万4000円程度、インプラント治療/44万円 以上
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。