Phやプラークコントロールの重要性とは
虫歯と歯周病の予防を
わしづか歯科
(碧南市/碧南中央駅)
最終更新日:2025/02/18


- 保険診療
歯ブラシのCMなどで、「プラークコントロールが大事」というフレーズを耳にする人も多いだろう。しかし、なんとなく大事なことはわかっていても、何をどうコントロールするのかを理解して歯磨きをしている人は少ないのではないだろうか。「そもそも歯を磨くという言葉自体も、勘違いしやすい言葉ですね」と話すのは、予防歯科から全身の健康を考える「わしづか歯科」の伊藤正幸院長。「磨く」という言葉のせいで、ゴシゴシと歯を磨くことで歯がきれいになると思ってしまうのだという。歯を磨くというより、歯に付着したプラークを落とすという意識でケアをすることが大切で、さらにはPh(ペーハー)コントロールにも気をつけるといいそうだ。毎日のケアを継続しやすくするため、予防の基本的な考え方を伊藤院長に教えてもらった。
(取材日2024年12月6日)
目次
「歯を磨く」のではなく、「プラークを取る」という意識で、歯ブラシを使ってほしい
- Qまずは、プラークコントロールについて教えてください。
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A
▲患者との会話を大切に、診療にあたる伊藤院長
プラークとは歯垢の塊で、その塊の中には細菌があり、それが口の中に定着しないようにすることをプラークコントロールといいます。歯垢というのは食べかすなどですが、歯と歯の隙間や歯と歯茎の間につきやすいですよね。キッチンのシンクなどに置き換えて考えてみてください。排水溝についた食べ物の汚れは、毎日掃除をしないとすぐにドロドロした汚れになります。口の中もそれと同じで、歯垢が歯に定着しないように毎日、お掃除をする必要があるのです。特に夜は、就寝中口を動かさないので唾液が十分に出ませんからプラークが定着しやすく、注意が必要。夜寝る前にプラークを落とし、朝起きてすぐにまた落とす必要があります。
- Qプラークを落とす意識で歯磨きをしなければいけないのですね。
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A
▲歯ブラシを正しく使ってケアをすることが大切
「歯磨き」という言葉で、一般の人は誤解をしやすくなっていると思うのですが、一生懸命に磨こうとして逆に歯ブラシをゴシゴシと動かすものですから、歯の表面や歯茎を傷つけてしまっています。結局、プラークは取れていないまま、歯の表面のエナメル質だけがどんどん削れて、知覚過敏などを起こしてしまうことも。歯ブラシの使い方は、磨くという使い方ではなく、プラークを取るという使い方を意識することが大事ですね。また、「ながら磨き」という言葉がありますが、きちんと意識して正しい角度で歯ブラシを動かしていなければ、いくら時間をかけていてもプラークは取れません。いかに短時間で効率良くプラークを取り去るかが大事なのです。
- Q先生が推奨するPhコントロールとは何ですか?
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A
▲口内を弱アルカリ性に保つため、食後のブクブクうがいを推奨する
飲食物を口に入れると、口の中のPhは酸性に傾きます。通常、口の中のPhは唾液で弱アルカリ性になっていますが、甘いジュースなどを飲めばすぐに酸性になってしまいます。酸性になれば、歯のエナメル質が溶けやすくなるので、それだけ虫歯になりやすくなるということなのです。口の中を弱アルカリ性に保つには、日常的にPhコントロールを意識することが大切。方法は意外と簡単で、食後に口の中を洗い流すだけでいいのです。食後はブクブクうがいだけ。歯と歯の間に挟まった食べかすは、歯ブラシでゴシゴシこすっても取れませんから、基本的には歯ブラシは必要ありません。それはデンタルフロスやトゥースピックなどで取るようにしましょう。
- Q食後すぐにうがいをすれば、Phコントロールができるのですね。
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A
▲歯科医院での定期的なメンテナンスも重要
うがいならどこでもできるので楽ですよね。口の中に水かお茶を含み、上唇や下唇、頬を動かしながら満遍なくブクブクしてごくんと飲み込むのを4、5回しましょう。舌の表面はじゅうたんのようにデコボコしていて、そこにも飲食物が残っているので、舌もこすり洗いしてください。ただし舌は傷つきやすく、歯ブラシなどでこすると口臭がひどくなってしまうことがあるので注意が必要。口の中は粘膜なので軽く洗い流すだけで落とせます。プラークは歯ブラシで落とし、朝昼晩の3度の食後だけでなく、味のついたものを食べたり飲んだりした後に必ず、お口の中全体のブクブクうがいと舌洗いでphコントロールすることが日常的な予防ケアになります。
- Q歯科医院でのメンテナンスはどうして必要なのですか?
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A
▲美容院に行くような感覚で気軽に受診してほしいと話す
日常生活できちんとプラークコントロールとPhコントロールをした上で、歯科医院のメンテナンスを定期的に受ければ、きれいな口の中が保てるはずです。歯ブラシで100%完璧にプラークを取りきれるわけではないですから、歯ブラシの届かない場所に少しずつプラークがたまってきます。お掃除でいえば、部屋の隅のほこりですね。たまったプラークにカルシウムが沈着すると歯石になり、歯石がたまってくれば、歯周病になります。そういった自分では取りきれない汚れを、歯科医院の機器を使ったメンテナンスで隅々までお掃除をしてもらうことも必要なのです。
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マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。