生まれる前から知っておきたい
子どもの歯のことと、親の歯のこと
小沢歯科クリニック
(西尾市/西尾駅)
最終更新日:2022/07/06
- 保険診療
わが子の生え始めのまっさらな歯を見た時、親であれば誰もが「この歯を守りたい」と感じるだろう。4歳児の父親、母親である「小沢歯科クリニック」の小澤佑介院長と小澤かおり副院長は、そんな親心を理解する歯科医師。クリニックでは、かおり先生と新米ママの子育てトークも弾み、子どももスムーズに治療へ入れるという。「お子さんとの距離を縮めるため、お母さんも含めた3人でおしゃべりをしながらいいところを褒めて、少しずつハードルを上げていきます」と話すかおり先生には小児の予防歯科について、また、歯周病について精通する院長には親の口腔ケアについて、それぞれ親子で取り組める予防の話を聞いた。
(取材日2019年1月18日)
目次
子どもの歯を守るため、まずは親の口腔ケアの重要さを知って毎日の正しい歯磨きをしてほしい
- Q子どもの歯科予防を始めるべき時期はいつ頃ですか?
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A
【かおり先生】基本的には、乳歯が生えてきたら一度、診せていただきたいですね。乳歯が虫歯になった場合は、歯磨きが悪かったり食生活習慣が影響していると思います。乳歯が虫歯になれば、永久歯の生えてくるスペースが減り、歯並びに影響が出てくることもあります。ですので、乳歯が虫歯にならないためにはどうしていけば良いかを早く知っていただき、実践していってもらうことが大切です。乳歯だからといって軽視せずに検診を受けてください。
- Q乳児の歯科検診ではどのようなことをするのでしょうか?
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A
【かおり先生】離乳食を口にするようになると、食べ物が口の中で細菌によって分解されます。その際生まれる酸によって歯が溶けるという仕組みを説明することで、予防への意識を持ってもらいます。同時に、私は同じ母親の立場から子育ての話も交えて、歯を守るための細かいアドバイスもしています。予防には食生活のリズムが一番大切。おやつはどんな性状のものを食べているか、どういったタイミングで口にしているかなども詳しくお聞きします。また、お母さんがどういった体勢でお子さんの歯磨きをしているのかも重要ですね。カーペットに座ったお母さんの膝の上で実際に日頃の歯磨きを見せてもらい、リラックスした状態で診せてもらっています。
- Q乳歯から永久歯に生え変わる時期の注意点はどんなことですか?
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A
【かおり先生】おしゃぶりを長く使っていると、開咬(奥歯だけが噛んでいて前歯が開いてしまう状態)になってしまいやすく、口の中が乾燥することで虫歯ができやすい状態になります。舌の癖や指しゃぶりなど、将来の虫歯や歯並びに影響する要因はいろいろあるので、当院では気づいたときにアドバイスさせていただいています。永久歯が生えそろうまでは、歯磨きも難しくなり、特に虫歯になりやすい時期ですので、歯磨きチェックも丁寧にする必要があります。例えば、爪噛みや間食などの親の癖や習慣も、気づかないうちに子どもにうつっていることがあるので気をつけたいですね。
- Q親の食習慣や口腔内環境も子どもの歯に影響するのですね。
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A
【佑介先生】家族の口腔内の細菌が子どもにうつるということは、知っておいていただきたい事実です。生まれたばかりの赤ちゃんの口の中は菌のない状態ですが、口移しや自分が使った箸でものを食べさせれば大人の口腔内の菌が赤ちゃんにうつってしまうことになります。親として子どもの歯を守りたいと思うなら、自分の口腔内環境も整える必要があります。
- Q歯周病は多くの大人がかかっていますが、どんな治療をしますか?
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A
【佑介先生】日本人のほとんどは歯周病にかかっているといわれています。たぶん、皆さん歯磨きをしていないわけではないと思うので、その方法や的確な道具をアドバイスします。歯周病はさまざまな要因と密接に関係があり、それは患者さんが気づかない部分なので、私たち歯科医師や歯科衛生士が丁寧に聞き取りをしていろんな角度から原因を突き止めた上で、お掃除をしたり重症の場合には歯茎を開いたりと、程度に合った治療をしていきます。まずは、歯周病の原因が食べかすではなく、プラークだということを知っていただき、そのプラークを効率よく落とすためには歯磨きが大事であることを認識していただくことが歯周病治療の第一歩になります。