舌痛症/原因不明の歯の痛みなど
栄養医学から見る口腔ケア・治療
早川歯科医院
(東海市/南加木屋駅)
最終更新日:2022/05/23


- 自由診療
医療保険制度が日本と異なるアメリカでは、病気の治療コストが莫大になることも多いため、予防医学が発達している。栄養医学の視点から病気の予防や体調を整えることをめざす分子整合栄養医学の考え方を学び、アドバイスしているのは、「早川歯科医院」の早川基樹院長。日本の歯科医療も予防中心にシフトしていく中で、私たちが本来持つ治す力を整え、歯・口腔内のみならず全身の健康を維持するには、栄養素を考えた食生活も一つの方法として注目され始めている。どうして病気になるのか、病気になりやすい・なりにくい人はどんな人なのか、その原因は何なのか、と考えると、口腔を扱う歯科医師として栄養素への興味は尽きないという。そんな早川先生に、栄養医学に基づく予防歯科について、話を聞いてきた。
(取材日2017年10月16日)
目次
口の中が荒れている人は、腸も荒れている。栄養素を補うことで口腔内の不調も体の不調も整えていく
- Q先生が学んでいる栄養医学とは具体的にどういうものですか?
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A
▲疾患だけでなく、罹患した原因に目を向けることが重要と語る院長
「分子整合栄養医学」、英語では「Orthomolecular Medicine」と呼ばれます。「ortho」が整える・矯正する、「molecule」が分子を意味する通り、私たち人間の体はおよそ60兆個の細胞の塊で、その一つ一つが「分子=栄養素」から形作られ、その一つ一つを健康にすることで体も健康になる、逆に体のさまざまな病態はこの「分子=栄養素」の異常にも原因の一つがある、という考え方に基づきます。予防歯科がこれからますます重要になっていく中で、人間が自ら持つ治す力を栄養素を軸に考えていくと、歯の疾患とも体の病気・不調とも非常に関連深いのではないかと感じ、興味を持ち勉強し始めました。
- Q栄養医学と歯科にはどのような関わりがあるのですか?
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A
▲歯科で栄養素の話を聞けることはあまりない
アメリカのある研究では、進行性の虫歯のある人には脂溶性のビタミン(A、Dなど)が足りないという結果が出ています。偏食が多い人は虫歯も多いし歯並びも悪い傾向があることは自分の患者さんからも感じます。また人間の免疫力は腸の状態に大きく影響を受けますが、お口の中が荒れていると腸も荒れていて、体調不良の方が多い。口内炎ができている、口角が切れているなどがあれば、顔色・爪・肌感・髪の毛なども総合的に見て、例えば「便秘じゃないですか?」と聞くと当たっていることが多い。そして食事の内容を聞けば、栄養素のバランスが崩れている。歯科医師として、口や歯から腸や体全体を整えるアドバイスができたらと思います。
- Q一般的には、どのようなことをしていくのでしょうか?
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A
▲さまざまな検査を行っている
まず血液検査で、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、貧血、アレルギーなどの状態を調べ、足りないものを補うために栄養素・食事の指導などを行います。「遅延型フードアレルギー」といって、食事療法やサプリを摂取しても腸で吸収できない方もいるので、その検査も行い、結果によっては先に医科の先生に治療をお願いしたり、腸内環境を整えるよう取り組むこともあります。また唾液の検査では、コルチゾールというホルモンの分泌状態を調べることもあります。このホルモンのバランスの崩れは睡眠障害やうつ症状と関係する場合があり、その解消のために睡眠薬を飲んでいたりすると口が乾き虫歯にもなりやすいため、注意が必要だったりするのです。
- Q管理栄養士も在籍しているのですね。
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A
▲食事メニューの案内も。管理栄養士の指導も充実している
当院には管理栄養士が1名います。こうした栄養素の話を始めると奥が深く、患者さんも関心が高いので、どんどん長くなってしまいます。私一人では診療に支障が出るため患者さんへの説明をしっかりできるよう分担してもらっています。分子整合栄養医学は一般的な管理栄養学では勉強しない分野も扱っているので、それを専門的に勉強してもらったスタッフがお話しさせていただきます。また当院では状況に合わせ、さまざまなサプリメントのご用意がありますが、基本はやはり日々の食事です。季節ごとによくある症状や体調の変化に対応できるような食事メニューや栄養素の話などを、待合中の患者さんに見ていただけるよう掲示してご紹介もしています。
- Qサプリメントについて教えてください。
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A
▲サプリメントも豊富。適切な提案をしてくれる
市販のサプリメントを何かしら飲んでいる方は多いですね。ただ、市販のものでは、効果を発揮する栄養素の単位がまるで違ったり、それ以外に錠剤を固めるためなどに使われる添加物などを過剰摂取することで逆効果になることもあります。健康な状態を保つために一人ひとりにとって適切な量を当院ではアドバイスもしています。
自由診療費用の目安
自由診療とは分子整合栄養医学を取り入れた検査・指導 1万6000円(採血1万3000円+検査結果カウンセリング3000円)~(税抜き)/遅延型フードアレルギーの検査 32340円(税込)〜/唾液検査 36740万円(税込み)~