岡本 政行 院長、岡本 政宣 先生の独自取材記事
岡本歯科医院
(大阪市鶴見区/横堤駅)
最終更新日:2025/11/25
横堤駅と今福鶴見駅から、それぞれ徒歩10分ほどの場所にある「岡本歯科医院」。岡本政行院長は1985年の開業以来、できる限り歯を残す治療を心がけ、地域の口腔の健康を見守ってきた。2024年より長男である岡本政宣先生が診療に加わり、さらにパワーアップ。約20年前から政行院長がこだわってきた矯正歯科は、政宣先生の得意分野でもあり、専門的な技術をもって患者の希望実現をめざしている。今回は政行院長と政宣先生の2人に、診療へのこだわりや矯正歯科における強み、開業40周年を迎えた同院のこれからについて語ってもらった。
(取材日2025年9月11日)
開業40周年を機に、院内をリニューアル
先生方が歯科医師を志したきっかけをお聞かせください。

【政行院長】歯科に興味を持ったのは、自然治癒しない分野だからです。一般的な医療は、人間に備わった自然治癒力を補助する役割だと考えていますが、歯科はどれだけ生活習慣などに気をつけていても、一度悪くなってしまえば人の手が必要です。そこにやりがいを感じたのが大きいですね。福岡県の九州歯科大学を卒業後、茨城県の医療法人水戸歯科で研鑚を積み、同歯科医院で歯科衛生士として働いていた妻とともに、1985年にここ地元大阪市鶴見区で開業しました。
【政宣先生】物心ついた時には自宅の1階で両親が働いている姿を見て「大変そうだな」と感じていました。両親の影響ももちろんあるのですが、歯科の道に進んだのは、昔から理科や生物が好きで動物や人間の体に興味があったからです。東京の大学を卒業後、矯正歯科をメインにしている歯科医院で勉強を重ねた後、両親が築いてきた当院でともに働くことを決めました。
開業から40年を迎え、院内をリニューアルされたそうですね。
【政行院長】はい、患者さんの安全性と快適さを向上させるために、診察室の改装とチェアユニット3台の入れ替えを実施しました。リニューアルはまだ終わりではなく、来年の春にかけて順次進めていきます。一つは、今後は歯科衛生士一人ひとりに専用のユニットを任せていきたいと考えており、もう1台ユニットを増設する予定です。さらに、できる限り費用を抑えたマウスピース型装置を迅速に提供すべく、今後は外注から院内製作に移行したいと考えています。そのために必要な機器を設置できるように技工室を改装していくことを計画しています。また、待合室のスペースも広げたいと思っています。
これまでも、これからも、先生方が変わらず大切にしていることはありますか?

【政行院長】治療はもちろん、維持管理、そして予防への流れをつくることですね。例えば、虫歯治療を終えたから良いというものではなく、やりっぱなしでは二次カリエスができてまた悪くなっていく場合があります。そしてそもそも、歯は悪くならなければ一生持たせることができます。治療すればするほど歯は弱くなっていくものなので、まずは治療、維持管理、そこから予防という流れに持っていきたいですね。
【政宣先生】患者さんのQOL(生活の質)や幸福度の向上につながる治療を大切にすることです。歯がなくなりおいしいものを食べられなくなれば、人生の楽しみが減ってしまいます。そうならないためにまず予防を重視。そして歯並びが悪いと虫歯になりやすいため、矯正にも注力しています。歯の見た目がきれいであれば、その分QOLも上がると思います。歯がない方にも良い入れ歯を作り、一生おいしく食べていただけるようにしていきたいですね。
それぞれ矯正歯科を強みにする親子の思いとは
注力している矯正歯科について詳しくお聞かせください。

【政行院長】開業当時、矯正を希望される患者さんには矯正専門の歯科医院を紹介していました。ただ、歯を抜いて行う矯正方法が基本だったので、「本当に抜歯がそんなに必要なのか」と感じていたんです。例えば、矯正で奥歯を4本抜くとなった場合は噛み合わせが悪くなり、咀嚼力も落ちてくる可能性が考えられます。大学では歯を残すための治療を学んできたので、なるべく抜歯をせずに矯正に対応できるようになりたいと考えたのが最初のきっかけですね。女性からの希望が多い、審美性を重視した矯正となると抜歯をする可能性もありますが、原則は非抜歯で進めたいと考えています。特に、成長途中の小中学生にとって噛み合わせは重要だと思うので、MFT(口腔筋機能療法)も取り入れ、できる限り抜歯をしない矯正にこだわっています。
歯を抜かない矯正をめざされているのですね。矯正歯科の魅力や、やりがいはどんなところですか?
【政行院長】人工的に削ってかぶせるという一般歯科の治療とは違い、患者さん自身の機能を生かしながら噛み合わせにアプローチして、歯列の改善をめざすこともできますし、お悩みの解決にもつながればと思います。その過程に関わっていけることが、矯正歯科の魅力だと思っています。また、矯正が終わってもメンテナンス目的で来てくだされば、長いお付き合いになることも考えられ、それもやりがいにつながりますね。
政宣先生も矯正歯科を中心に学んでこられました。きっかけやこだわりを教えてください。

【政宣先生】歯並びは顔の印象に大きく関わるので、特に若い人にとっては重要なテーマなのかなと思っています。実際に学生の頃には、虫歯の治療をしたという話題は出ないのに、矯正をしていると教えてくれた友人がいて、役に立てる診療だと感じましたね。東京の歯科医院では土地柄もあり、美意識の高い成人の方の矯正に多く関わってきました。マウスピース型装置を用いた矯正は、事前のシミュレーションが非常に重要になってきます。できるだけ短い期間でどういう順番で、どう進めていくかといった緻密な設計にこだわってきたので、当院の患者さんの希望の実現にも尽力していきたいですね。
子どもから高齢者まで長い付き合いの中で丁寧な治療を
矯正はもちろん、今後より力を入れていきたい診療や取り組みなどはありますか?

【政行院長】今後は唾液チェックをスタートする予定です。患者さん自身に歯の健康維持に取り組んでもらうためには、ご自身のリスクを知る必要があるのではないかと感じました。それには単に言葉だけで伝えるより「現在はこういう状態ですよ」と数値をお見せするほうが響くのではないかと導入することにしたんです。虫歯菌・酸性度・緩衝能・白血球・タンパク質・アンモニアの6項目が測定でき、約10分という短時間で虫歯や歯周病、口臭に関してのリスクがわかります。今後は虫歯や歯周病の処置がある程度終わり、メンテナンスに移行するというタイミングで、もしくは定期的なメンテナンスに通う中で1年に1回チェックを受けてもらい、以前と比較しつつ歯のケアに取り組んでいただきたいです。モチベーションアップにもつなげていきたいですね。
歯科医院への思いや、地域での役割などをお聞かせください。
【政宣先生】矯正には自信を持っているので、周辺の方だけでなく少し足を延ばしてでも「良い歯科医院があるらしい」と来ていただけるような歯科医院にしていきたいですし、その役割を担えるように父のもとでさらに経験を積んでいきたいです。加えて、一般歯科ももちろん大切なので、地域の皆さんに寄り添った診療を心がけていきたいです。当院は私が子どもの頃から働いてくれている歯科衛生士を含め、優秀なスタッフがそろっていることも強みです。歯科技工士が常駐しているので、義歯が割れてしまったときなどにも迅速に対応することが可能です。お子さんからご高齢の方まで幅広い年齢層の方に頼っていただけるような歯科医院をめざしていきたいですね。歯並びはもちろん、歯に関することは何でもご相談ください。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。

【政行院長】歯が抜ける主な原因は虫歯と歯周病なので、その人のリスクに応じて適切に、できるだけ維持管理していくことが重要です。特に歯周病の場合は家族感染が多いんです。一人だけ良くなったとしても、家族に感染源がいると結局またうつってしまいます。ですから、これからは一人だけ除菌するのではなく、家族単位での取り組みが必要だと思います。そして噛み合わせや歯並びが悪いと、磨きにくいため虫歯になりやすいですし、顎の関節や悪い姿勢、ストレスなどもさまざまな健康面に関わってきます。だから噛み合わせと歯並びの観点から、健康を維持していくことにも注力していきたいです。
自由診療費用の目安
自由診療とは成人矯正/18万7000円~、マウスピース型装置を用いた矯正/27万5000円~、小児のワイヤー矯正/12万円~、小児矯正(機能的矯正装置)/8万8000円~、床矯正/9万9000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。

