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多汗や動悸、イライラ、不眠は
代謝や内分泌専門のクリニックへ

藤本内科クリニック

(横浜市青葉区/あざみ野駅)

最終更新日:2022/06/13

藤本内科クリニック 多汗や動悸、イライラ、不眠は 代謝や内分泌専門のクリニックへ 藤本内科クリニック 多汗や動悸、イライラ、不眠は 代謝や内分泌専門のクリニックへ
  • 保険診療

甲状腺は喉仏の下にあり、甲状腺ホルモンを分泌して全身の代謝を司っている。その甲状腺ホルモンが正常に分泌されなくなる甲状腺の病気は特に女性に多く見られ、症状が更年期障害や不定愁訴と似ていることから、気づかず放置されることも少なくない。しかし、甲状腺ホルモンの過不足は全身にさまざまな症状を引き起こし、精神面に影響を及ぼしたり、不妊や流産につながったりする場合もあるという。そこで、病気の症状や治療法について、代謝や内分泌を専門に診る「藤本内科クリニック」の義間大也院長に取材した。「私は甲状腺などの内分泌疾患の診療に加え、呼吸器内科や消化器内科、血液内科でも経験を積みました。自分の症状の原因が甲状腺かわからないという方もぜひ相談を」という義間院長の話を参考にしてほしい。

(取材日2021年7月9日)

女性に多く、多汗や動悸、不眠などの症状で更年期障害と間違われやすい甲状腺疾患。まずは医師の診断を

Qそもそも甲状腺とはどのような臓器なのでしょうか。
A
藤本内科クリニック 甲状腺について丁寧に説明してくれる

▲甲状腺について丁寧に説明してくれる

甲状腺は、喉仏のすぐ下にあり、蝶(チョウ)が羽を広げたような形をしている小さな臓器です。人の体ではさまざまな種類のホルモンが作られており、ホルモンを作る臓器を内分泌器官といいますが、甲状腺もその中の一つ。甲状腺ホルモンは心臓や肝臓、腎臓、脳など全身の臓器に作用して代謝を盛んにするなどの大切な働きを担っています。薄くやわらかい臓器なので、正常であれば首を触ってもどこにあるかわかりません。しかし、少し腫れると手で触れるようになり、さらに腫れがひどくなると首を見ただけでわかるようになるんです。これが甲状腺の病気にかかっているかどうかの目安にもなりますね。

Q主な甲状腺の病気を教えてください。
A
藤本内科クリニック 甲状腺の病気にはバセドウ病や橋本病、甲状腺がんなどがある

▲甲状腺の病気にはバセドウ病や橋本病、甲状腺がんなどがある

通常、甲状腺ホルモンは多すぎたり少なすぎたりしないよう調整されていますが、そのバランスが崩れた時にさまざまな症状を引き起こします。甲状腺ホルモンが過剰に分泌され代謝が盛んになる病気を甲状腺機能亢進症といい、代表的な病気として甲状腺を刺激する自己抗体ができることで甲状腺ホルモンが過剰に作られるバセドウ病があります。反対に甲状腺ホルモンの分泌量が減り、代謝が低下する病気を甲状腺機能低下症といいます。代表的な病気として自分自身の免疫細胞により甲状腺が障害されることで甲状腺ホルモンの分泌が減る橋本病があります。また、甲状腺の腫れやしこりは甲状腺がんによるものである可能性もあり、検査で見極めが必要です。

Qバセドウ病や橋本病では、どのような症状があるのでしょうか。
A
藤本内科クリニック 更年期障害と似たような症状が出ることも

▲更年期障害と似たような症状が出ることも

バセドウ病など甲状腺ホルモンが多いときは、疲れやすい、汗をかきやすい、暑がり、ほてり、不眠、体重が減る、イライラする、息切れ、動悸、筋力の低下、手指の震え、無月経、軟便、首・喉元が腫れる、目が飛び出して見える、といった症状が現れることがあります。橋本病など甲状腺ホルモンが少ないときの症状には、疲れやすい、元気がない、寒がり、全身のむくみ、体重が増える、眠気、記憶力低下、理解力の低下、うつ状態、脈がゆっくりになる、筋力の低下、動作が遅くなる、無月経、便秘、首・喉元が腫れる、といったものがあります。

Q甲状腺の病気は妊娠・出産に影響がありますか?
A
藤本内科クリニック 甲状腺疾患がある場合、内科と産科が密に連携し妊娠中の管理を

▲甲状腺疾患がある場合、内科と産科が密に連携し妊娠中の管理を

甲状腺機能異常が、不妊、流産、早産、胎児の低体重、子宮内胎児発育不全、母体の妊娠高血圧症候群などの悪影響を及ぼすことがわかっています。そのため、不妊治療を始める際はまず甲状腺ホルモンの検査を行いますし、妊娠した後も必要に応じて治療を継続することも。月経不順・無月経などの悩みや不妊症、不育症に甲状腺疾患が関わる場合は、産婦人科と併せて代謝や内分泌、甲状腺の病気を専門にするクリニックを受診しましょう。また、バセドウ病、橋本病は妊娠、出産の経過で治療薬の必要量が変わっていくケースが多いため、妊娠が判明した時点で専門の医師の診察を受けることが望ましいです。

Qこちらでの治療の進め方を教えてください。
A
藤本内科クリニック まずは触診や血液検査、超音波検査などを行う

▲まずは触診や血液検査、超音波検査などを行う

まず触診や超音波検査によって甲状腺の大きさ・性状、しこりの有無などを調べ、血液検査をして甲状腺ホルモンの値、甲状腺自己抗体などを測定します。橋本病などで甲状腺機能が低下しているときは甲状腺ホルモンの不足分を内服薬で補います。バセドウ病であれば、甲状腺ホルモンの合成を抑えるための内服薬で、血中のホルモン値を正常にコントロールすることをめざします。手術やアイソトープ治療を希望される場合やそれが望ましい場合は総合病院に紹介状を書きます。超音波検査の結果、腫瘍が見つかり悪性を疑うケースでは、穿刺吸引細胞診を行うため総合病院に紹介し、手術の必要性を検討してもらいます。

ドクターからのメッセージ

義間 大也院長

甲状腺の病気ではさまざまな症状が現れます。例えば、甲状腺ホルモンが過剰に分泌されると動悸や息切れが起こり、また極端に疲れやすく、体力が消耗されてしまうため体重が急激に減少します。精神状態にも影響があり、イライラ感や不眠の原因となるため、更年期障害や精神的な病気と間違えられることも少なくありません。反対に、甲状腺ホルモンが不足すると体の活動性が低下し、極端に元気がなくなり、理解力の低下や動作が鈍くなったりするので、うつ病や認知症と誤診されることもあります。甲状腺の病気は、疑って積極的に検査をしないと見逃してしまうので、少しでも気になる方はぜひ代謝や内分泌を専門にするクリニックにご相談ください。

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