藤田大蔵院長の独自取材記事

ふじた歯科クリニック

(新居浜市／新居浜駅)

最終更新日：2022/08/24

JR予讃線新居浜駅から車で5分。のどかな住宅街の一角にある「ふじた歯科クリニック」は、予防歯科やホワイトニングに力を入れているクリニックだ。院長の藤田大蔵先生は徳島大学歯学部を卒業後、全国に分院がある医療法人に入社。沖縄県南大東島や石垣島の分院長を経て、2001年に地元の新居浜市で開業した。「歯科クリニックは、予防やメンテナンスを目的に来る場所だと考えています」と語る藤田院長に、クリニックの診療方針や今後の展望について、たっぷりと語ってもらった。

（取材日2020年10月1日）

「予防やメンテナンスが本来の歯科診療」と捉えて
ホワイトニングにも注力しているクリニック
患者だけではなくスタッフも大切にしているクリニック

「予防やメンテナンスが本来の歯科診療」と捉えて

歯科医師になろうと思ったきっかけを教えてください。

歯科医師になろうと思ったのは高校3年生の頃で、父と進路について話し合ったことがきっかけでした。もともとは一級建築士になりたいと思っていたんですが、父と話をしていくうちに他の候補も出てきたんです。「転勤がなくて将来独立できる仕事って何があるんだろう？」と考え、いくつかの候補の中から最終的に歯科医師になろうと決めました。叔父が歯科医師であることや、手先の器用さを生かせると思ったことが主な理由ですね。そして、「大学卒業後はしばらく勤務医として社会経験を積み、30歳頃には地元で開業する」というビジョンを持って徳島大学歯学部に進学し、卒業後は山口県のクリニックに就職しました。

どのような患者さんが来られますか？

近隣にお住まいの高齢者や主婦の方たちが多いですね。特に30～50代の主婦の方が多く、お子さんと一緒に通院している方もいらっしゃいます。どちらかと言えば、男性よりも女性の患者さんのほうが多いイメージですね。クリニックのすぐ近くにある新居浜工業高等専門学校の学生や教職員の方たちも多く来られます。他には、「いつも通っているクリニックが休診なので診てほしい」と急ぎ来院される患者さんもいらっしゃいます。この辺りの歯科クリニックの先生は僕の先輩にあたる方ばかりなので、こういった場合でも連携が取りやすいですね。どんな処置をしたのかきちんと報告して、通院されていた先生のもとにお戻しするように心がけています。

クリニックの診療方針を教えてください。

予防歯科の大切さを伝えることに重点を置き、診療にあたっています。大学卒業後しばらくの間は、痛みなどの症状に対して治療することが「歯科診療」だと思っていたんです。しかし、2～3年前からは「虫歯や歯周病にならないための予防やメンテナンスが本来の歯科診療」という考えに変わりました。お口の中の状態と全身疾患は、深いつながりがあります。虫歯や歯周病は初期症状がほとんどなく、気づいた頃には症状が重症化しているケースも。症状が重いほど大がかりな治療が必要となり、患者さんの負担も大きくなります。そうならないために、予防歯科の大切さを1人でも多くの方に伝えるように努めています。「歯が痛いから治療してもらおう」ではなく、クリーニングやメンテナンスを目的としてクリニックに来院することが主体となってくれればうれしいです。

ホワイトニングにも注力しているクリニック

ホワイトニングにも力を入れていると伺いました。導入したきっかけを教えていただけますか？

ホワイトニングを導入したきっかけは、歯科衛生士も生き生きと働ける職場をつくりたかったからです。診療にあたるのは歯科医師の僕だけではなく、歯科衛生士も携わるじゃないですか。だけど、患者さんから感謝されるのは、立場的にどうしても僕のほうが多くて。歯科衛生士が主役になれるクリニックにしたいと思ったことが、ホワイトニングを取り入れた大きなきっかけです。他にも、予防歯科の意識を高めたいという目的もありましたね。ホワイトニングをして終わりではなく、歯の健康や見た目の美しさを維持するために、定期的なメンテナンスが習慣になればいいなと思いまして。1人でも多くの患者さんに喜んでもらえるように取り組んでいます。

ホワイトニングを希望する患者さんは、どのような方が多いのでしょうか？

女性の患者さんが圧倒的に多いですね。特に、30～50代の女性の方がたくさんいらっしゃいます。虫歯などの治療はほかのクリニックに通い、ホワイトニングだけを当院で受けるという方も多いですね。通常の治療を行う診察室とは別に、ホワイトニング専用の個室を設置しているので、お気軽に施術を受けていただけるかと思います。ぜひ、美容室に行くような感覚でお越しくださいね。そして、ホワイトニングをきっかけに、予防歯科の意識を高めてもらえたらうれしいです。

きれいになった歯を見たら、予防歯科に対する意識も大きく変わりそうですね。

はい。ホワイトニングの施術を受けた後は、予防歯科に対する意識が変わる患者さんが多いですね。一方で治療の際は、取り除いた歯垢を顕微鏡で見てもらったり、口内環境を数値化するために唾液検査を行ったりして、ご自身のお口の中の状態をしっかり把握できるようにします。施術を終えて喜びを感じるだけではなく、ずっときれいでありたいと考える方が本当に多くて。ホワイトニングをきっかけに、歯の健康や美しさを維持するケアに力を入れ始めた方もたくさんいらっしゃいます。

患者だけではなくスタッフも大切にしているクリニック

印象に残っている患者さんとのエピソードはありますか？

大学卒業後に就職したクリニックは全国に分院があり、僕は沖縄県南大東島に赴任することになったんです。南大東島に到着したその日の夜中、歯が痛いと助けを求めてきた方がいまして。その方は歯科クリニックに苦手意識を持っていたようで、ずっと虫歯を放置していたそうです。この日をきっかけに治療を始め、1年間通い続けてくれました。赴任期間を終えて島を離れる日、空港の滑走路から見える場所に患者さんとそのご家族が立っており、手作りの横断幕を広げて見送ってくれたんです。涙が出ましたね。ずっと治療を避けてきた方だったからこそ、余計に感動したんだと思います。

スタッフの方も大切にされていると伺いました。

そうですね。スタッフ全員がクリニックの主役であると考えています。スタッフの協力がないと治療できませんし、それぞれに適材適所がありますからね。分業することで、患者さんをしっかりサポートできると思うんです。例えば、歯科衛生士は担当制にすること。同じスタッフが担当したほうが患者さんも安心できるし、僕との連携もスムーズになるんですよ。歯科技工士とも力を合わせて、義歯作りにも力を入れています。外部の技工士ですが、いろいろ助けてもらっています。毎日来てくれる上に滞在時間も長いので、院内技工士みたいな存在ですね。

今後の展望を教えてください。

予防やメンテナンスの大切さをもっと広めていきたいですね。日本は先進国なのに、デンタル意識が低い国なんです。「歯科クリニックは歯が痛くなったら行く場所」という認識が消えておらず、「予防のために行く場所」と考える人はそれほど多くはありません。症状はなくてもクリーニングに通う、定期的なメンテナンスをすることが当たり前の認識になるよう、予防歯科の大切さを広めていければと思います。地域の歯科医療の活性化にも取り組んでいきたいです。積極的にセカンドオピニオンを引き受けたり、専門の治療が必要な場合は対応できる先生を紹介したりと、地域全体でデンタル意識を高めていければと考えております。