歯や歯髄を極力残すため
マイクロスコープを使った精密治療に注力
竹内歯科医院
(綾歌郡宇多津町/宇多津駅)
最終更新日:2023/03/31


- 自由診療
高精度の治療を可能としながら、まだまだ患者にはその魅力が知られていない「歯科用マイクロスコープ」。「竹内歯科医院」の竹内一貴院長は、性能の異なる2種類のマイクロスコープを使い分け、よりスムーズで精密な処置を追求し続けている。「マイクロスコープを使えば、20倍強というマクロの世界まで視野を拡大することができます。患者さんの歯や歯の神経を極力残すためには、肉眼では見えづらい微細な部分まで、精密な処置を施すことが必要ではないでしょうか」。使いこなせるようになるまでが難しいといわれるマイクロスコープだが、竹内院長は日頃からその拡大空間でこまやかな手技を行うトレーニングも欠かさない。一途に患者を想い、マイクロスコープを用いた治療に専心する竹内院長に、マイクロスコープの魅力やその治療内容を詳しく聞いた。
(取材日2023年2月24日)
目次
誰もが自分の歯で食事や会話を楽しめるように、精密で質の高い治療を徹底
- Qマイクロスコープを使用するのは、どんな治療を行う時ですか?
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A
▲2種類のマイクロスコープを使い分けながら治療
通常は根管治療においてよく活用されるものですが、当院ではむし歯の治療から根管治療、かぶせ物を使った補綴治療、歯周病治療、義歯治療まで、ほぼすべての治療においてマイクロスコープを使用しています。なるべく抜歯をせずに、歯や歯髄を残していくためには、マイクロスコープを用いた精密な治療が欠かせないと考えているからです。私は3代目の院長ですが、代替わり後すぐにマイクロスコープを導入し、現在は2台のマイクロスコープを稼働させています。外科処置においては機動性に優れたマイクロスコープを、根管治療や補綴治療などにおいてはフットペダルで操作し、両手で処置を行えるマイクロスコープを使い分けているのが特徴です。
- Qマイクロスコープの魅力を教えてください。
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A
▲画像や動画を見せながら、患者にわかりやすく説明ができる
最大の魅力は、精密で質の高い治療が可能になる点です。肉眼でむし歯の治療を行う場合は、感染源を取り残したり完全に適合しないかぶせ物をしたりすることでだんだん治療の精度が下がり、むし歯を再発するリスクが高くなります。一方マイクロスコープを使った場合は、20倍強という拡大視野下で細部まで診断できますので、治療の精度が向上し、再治療のリスクの減少につながるんです。拡大した画像や動画は患者さんへの説明に役立ち、講演会などで歯科医師や歯科衛生士に説明する際にも説得力が生まれます。自分の患者さんだけでなく、より多くの人の健康に貢献できる可能性があると思うと、マイクロスコープは本当に魅力的なものだと感じます。
- Q歯髄を残す治療でも、マイクロスコープが有用と聞きました。
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A
▲歯髄保存療法やダイレクトボンディングを実施
そうですね。当院では、進行したむし歯を取り除く過程で歯髄が露出してしまった場合、体との親和性が高いMTAセメントを用いて歯髄を保護する歯髄保存療法を実施しています。さらに口腔内で直接レジンの接着処理を行うことで、歯を削る量を少なくしながら、治療後の歯の色や形を自然歯に近い状態に仕上げるダイレクトボンディングにも力を入れています。これらの治療においても、マイクロスコープは欠かせません。歯科治療の最終目標は、歯や歯髄を極力残して、しっかり噛めるようにすることです。そのためには精度の高い処置が必須であり、精度の高い処置を行うためには、マイクロスコープが有用だと考えています。
- Q他にも意図的にマイクロスコープを使っている治療はありますか?
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A
▲拡大視野下で確実な処置を行う
歯周病によって失われた歯の周りの組織の再生を促す、歯周組織再生療法でしょうか。治療の際は、歯肉を切開し歯の根面に成長因子を塗布するのですが、この方法では切開する範囲が広くなればなるほど、閉鎖するまでに時間がかかり、成長因子そのものも漏れやすくなってしまいます。しかし、マイクロスコープを使えば切開する範囲が限られていても問題なく視認できる上、拡大視野下で、歯石や汚染されたセメント質を確実に除去できますので、治療の精度が向上します。たとえ症状がなくても、局所的に深い歯周ポケットがあれば歯の寿命は短くなりますので、なるべく早期にかかりつけ歯科医を受診して、歯を失うリスクを軽減させていただきたいです。
- Q精密な治療を行うために、日々実践していることを伺いたいです。
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A
▲患者には、自身が受けたいと思う治療を提供する
マイクロスコープを導入するだけでは、治療の精度を高めることはできません。全体像を常に意識しつつ、局所的に拡大した空間を探知し、その中でより細かく繊細に手を動かすトレーニングが必要となります。私は日々の診療の中でこのトレーニングを実践しつつ、マイクロスコープの扱いに精通した先生のセミナーを受講したり、研究発表の場に参加したり、セミナーの講師を務めたりすることでスキルアップに努めています。常に新しい知識や技術を学び続けて、より質の高い治療を志してこその医療人です。私はマイクロスコープを日常的に活用することでこれからも治療の質を追求し、自分が受けたいと思える治療を患者さんに提供したいと考えています。
自由診療費用の目安
自由診療とはMTAセメントを用いた歯髄保存療法/1万6500円程度、ダイレクトボンディング/4万4000円~、歯周組織再生療法/5万5000円
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供を行っております。
カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)については、効果・効能に関して個人差があるため、 カスタムメイド矯正装置(マウスピース矯正)を用いた治療を行う場合は、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。