歯周病治療は痛い?
治療の実態と歯周病を放置するリスクを解説
中田歯科クリニック
(京都市西京区/桂駅)
最終更新日:2023/09/13
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誰もが虫歯予防の意識を持つようになった現在、歯を失う大きな要因になっているのが歯周病。ある程度進行しないと痛みなどの自覚症状を感じにくいため、発見や治療が遅れがちで、受診時にはかなり進行して抜歯が避けられないケースもあるという。また糖尿病など全身疾患との関係も指摘されており、やはり予防や早期発見が欠かせない。「中田歯科クリニック」の中田光太郎理事長は「歯周病に関しては、医療側からの情報提供もまだまだ不足していると思います」と懸念する。このため同院では丁寧な説明とともに、痛みに配慮した歯周病治療を提供。「症状がないから、施術が痛いからと放置せず、痛みのことも気軽に相談しながら歯周病と向き合ってほしい」と話す中田理事長に、同院での歯周病治療について解説してもらった。
(取材日2023年6月1日)
目次
検診・治療前の素朴な疑問を聞きました!
- Q歯周病を放っておくと、どのようなリスクがありますか?
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A
歯周病は歯茎の病気だと思われがちですが、歯の周囲に付着した汚れや菌の塊が炎症を起こし、歯茎だけでなく歯を支えている歯槽骨も溶かしてしまいます。40代半ばから発症することが多く、初期には自覚症状がほとんどないまま進行します。歯茎からの出血、硬いものを噛むと痛い、口臭が強くなるといった自覚症状が出る頃には、歯と歯茎の間にもプラークが入り込み、さらに進行すると歯槽骨にまで到達して、最終的には歯が抜けてしまうことも。また歯周病は糖尿病や関節リウマチ等、いくつかの全身疾患と相互に関係することも知られています。
- Q歯周病治療はどのような治療ですか? 痛いのでしょうか?
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A
最も重要なこととして、患者さんご自身に毎日適切な歯磨きにてプラーク除去に努めていただきます。それでも歯周病が発症・進行した場合、プラークコントロールのために定期的に通院していただき、歯科衛生士によるスケーリングやルートプレーニングにて歯周ポケットの中まで清掃するのです。歯周ポケットが4ミリ以上と重度なら、歯科衛生士の清掃だけでは完全に汚れを取り切れなくなってしまうので、歯茎を切開して汚れを徹底的に除去する必要があります。傷んだ歯茎や歯槽骨を補うような外科的な処置を行い、抜歯の防止を図る場合も。歯周病治療は痛いイメージがありますが、工夫次第でほとんど痛みがない治療をめざせるのでご安心ください。
- Qこちらで受けられる歯周病治療の特徴を教えてください。
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A
軽度の歯周病治療はもちろん、炎症が奥まで広がって歯茎や骨の破壊が進んでいても、状況に応じた歯周外科処置を行える、これが当院の歯周病治療の大きな特徴です。外科処置というと「痛いのでは?」と不安になるかもしれません。しかしマイクロスコープで患部を拡大したり、通常よりも器具は小さく、糸も細いものを利用したり、施術の方法も工夫することで、痛みをなるべく減らしつつ質の高い仕上がりをめざせます。また施術中は麻酔を使用して、苦痛の少ない治療を心がけています。なお、歯周病のことを詳しく知らない患者さんも多いので、検査とカウンセリングには時間をかけ、理解を深めた上で治療に向き合ってもらえるようにしています。
検診・治療START!ステップで紹介します
- 1歯周病の検査・診断
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初診では、適切な診断と治療計画を立てるための資料採得が行われる。エックス線撮影や口腔内写真を撮影するほか、問診や歯周ポケットの検査などにより経過や今の状態を確認。痛みなどの症状がある場合には、症状に対する処置を優先し、次回以降に資料採得が行われることもある。必要に応じて、後日にCT撮影が追加されることもある。
- 2カウンセリング
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検査結果から歯科医師が診断をつけ、治療計画を立てて患者に説明する。歯周病が進行するとどうなるのかということや外科的な治療について患者が知らない場合も多いため、同院では丁寧な説明を行って、どのような治療に進めば良いのか患者の判断をサポートしている。スタッフも同席するので、わからないことがあればじっくり相談できる。
- 3歯周病の初期治療・再検査
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歯周病の症状が軽度であれば、歯科衛生士がブラッシング指導を行い、スケーリング・ルートプレーニングで歯石を取り除くなど口腔内を清掃する。また自宅でも適切なブラッシングを続けるように指導され、、次回の診察で歯周ポケットの回復具合を確認。必要に応じて、かぶせ物の除去や歯列矯正が行われることもあるという。
- 4二次治療
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歯周病の初期治療を行っても改善が見込めない、または痛みが強いなど症状が最初から重度な場合には、外科的な治療を実施。口腔内全体にわたって処置が必要であれば、通常は6回に分けて施術が行われるという。同院ではマイクロスコープや麻酔を活用し、縫合が必要な場合には糸にかける力を工夫するなど、痛みをなるべく軽減できるよう心がけている。
- 5歯周病治療後のメンテナンス
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歯周病治療後は定期的に通院して、経過確認と歯科衛生士による清掃が行われる。毎日の適切なブラッシングがその後の経過を大きく左右するので、口腔内の様子を確認しながらのブラッシング指導が継続される。
自由診療費用の目安
自由診療とは歯周外科治療/13万2000円~、歯列矯正/49万5000円~
※歯科分野の記事に関しては、歯科技工士法に基づき記事の作成・情報提供をしております。
マウスピース型装置を用いた矯正については、効果・効能に関して個人差があるため、必ず歯科医師の十分な説明を受け同意のもと行うようにお願いいたします。