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摂津市
大阪平野の北部に位置する摂津市は、大阪府下でも比較的小さな面積の自治体だ。その地形から大阪のハートとも呼ばれる。市内には5つの河川が流れ、大阪と京都を結ぶ水陸交通の要衝として重要な役割を果たしてきた。
摂津市長インタビュー
市を挙げて健康づくりを推進し
心を育てる「人間基礎教育」に注力

- 森山 一正
- 市長
1944年大阪府三島郡(現・摂津市)生まれ。関西大学経済学部卒業。1969年に25歳で摂津市議会議員に就任し5期務める。1988年大阪府議会議員、2003年大阪府議会議長に就任。2004年摂津市長選挙に無所属で立候補、初当選を果たし市長就任。現在4期目。
摂津市はどのような特徴のあるまちですか?
摂津市は面積15km2弱の小さなまちですが、市内に4000以上の事業所が点在し、世界に通用する技術や物作りの拠点が集まっています。仕事で市外から訪れる人口が多く、市民生活と産業が深く結びついた産業都市として成長してきた一方で、コンパクトなまちだからこそお互いの顔がよく見え、人の優しさや温かさが感じられるまちでもあるのです。摂津独自のコミュニティーが根づき、サークル活動や文化活動なども盛んに行われています。
市民一人ひとりの社会参加への意識が高く、自主防災に向けた取り組みや健康づくりイベントに積極的なのも特徴の一つです。市でも「まちごとフィットネス!」と称し、市内のさまざまな場所にウォーキングコースを設置し、まちぐるみで健康推進に取り組んでいます。
まちぐるみの健康づくりを理念に医療の充実化が進んでいますね。
平成25年6月に国立循環器病研究センターの移転が決定したことを契機に、「健康と医療」をコンセプトにした「北大阪健康医療都市(健都)」のまちづくりを、吹田市とともに進めてきました。同センターを中心に、医師会、歯科医師会などの関係機関と連携を深め、循環器疾患をはじめとする生活習慣病の予防や、市民が安心して暮らせるような医療ネットワークの構築に取り組んでいます。
今後は健都から発信する健康促進や予防医療により、市民に健康づくりのきっかけを与え、全国にも広げていきたいと考えます。
「人を育てる」ことを大切にした摂津ならではのまちづくりとは?

より良いまちづくり、市民一人ひとりの意識を高めるため「人間基礎教育」の看板が市内に設置されている
公共施設や学校など、市内の至る所に、「人間基礎教育」と書かれた看板が設置されています。市長に就任した直後から16年間、「思いやり」「奉仕」「感謝」「あいさつ」「節約・環境」の5つの心を育てる「人間基礎教育」に強い信念で取り組んできました。予算を割き、道徳理念の構築をまちづくりの柱にしているのは、全国的にも極めて珍しいことです。道徳理念を持つことは人として当たり前ですが、市民一人ひとりが自分のこととして意識しなければ、健康づくりも人づくりも、推進することは難しいでしょう。
ICT教育の導入や新1年生へのランドセルのプレゼントなど、さまざまな子育て・教育支援に力を入れていますが、教育の根底はやはり、人としての基礎力と心を育てることだと考えています。道徳理念は上から押しつけられるものではありませんが、常識として根づくまで時間がかかっても新しい時代を担う子どもたちのために、また摂津をより良いまちにしていくために、これからも続けていきたいですね。
(取材日2020年2月26日)