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寝屋川市
大阪府の東北部に位置する寝屋川市は、大阪のベッドタウンとして発展。高度経済成長期に急激に人口が増加し、昭和50年には人口25万人の住宅都市に成長した。現在は高齢化対策と、若者世代の定住化に取り組む。
寝屋川市長インタビュー
左手で高齢者、右手で若者を支え
時代の先を見据えた社会を構築

- 広瀬 慶輔
- 市長
1970年寝屋川市生まれ。寝屋川市立成美小学校、寝屋川市立第九中学校、上宮高等学校、明治大学政治経済学部卒業。明治大学大学院政治経済学研究科博士前期課程修了。1999年統一地方選挙に初出馬し、史上最年少・最高得票で寝屋川市議会議員に当選。以後、3期連続でトップ当選を果たす。
寝屋川市はどのような特徴を持つまちですか?
23万1500人が暮らす寝屋川市は、面積24.73km2のコンパクトなまちです。市内には関西医科大学香里病院ほか、14の中規模病院と数多くの開業医院があり、自宅から近い距離に小売店や商業施設が点在します。生活に必要なインフラが市内にまとまっている「暮らしやすいまち」といえます。
ただこれからの時代は、社会変化に合わせスピード感のある対応が求められます。深刻さを増す高齢化に向け、高齢者の移動をサポートする乗合いワゴンの試験運行を開始した一方、若者世代の定住化を図るため、子育て支援や働き方改革にも取り組んでいます。市職員に完全フレックスタイム制を採用し、また職員の再雇用に乗り出すことで、社会情勢や家庭環境に合わせ安定的に働き続けられる職場環境をめざしています。
より良い社会の構築に向けた施策に積極的なこともあり、寝屋川市は持続可能な開発目標「SDGs」の先進度調査で、大阪府内でも高く評価されました。
医療・健康に関する取り組みについてお聞かせください。
寝屋川市には、長年蓄積されてきた膨大な医療データがあり、それは健康分野の研究にとって極めて有効なデータです。市では京都大学と提携を結び、市の成人歯科健康診査データや統計調査の結果を、研究機関の臨床試験データと合わせて分析することで、歯科疾患と慢性疾患の因果関係、慢性疾患・フレイル予防の研究に役立てています。今後、大阪大学との共同研究も進めていく方針です。
大学との共同研究を通じて医学の発展に寄与し、寝屋川市固有の事情を反映した効率的な疾病予防や健康寿命の延伸施策の実施につながることが期待されます。
「いじめゼロ」をめざす施策が全国から注目されていますね。

高齢者や妊婦などが通院や買い物に利用できる「ねやがわ乗合ワゴン」
これまでいじめの問題は、学校が対処するものでしたが、寝屋川市では教育的アプローチで解決できないケースに対し、市長直轄のいじめ対応部署「監察課」の専門職員が踏み込んで対応することとしました。また、いじめの被害者が弁護士に相談したり、加害者や学校などを訴えたりする際の弁護士費用の一部を補助する新たな制度を導入し、「教育的」「行政的」「法的」の3段階のアプローチにより、いじめの早期解決をめざしています。
また、いじめの実態を初動段階で把握するため、「いじめ通報ビラ」を毎月配布しています。抑止効果も生み出しており、いじめ件数を数件レベルまで減らすことに成功しています。児童一人ひとりを守るため、寝屋川市では徹底的にいじめをなくす強い姿勢で取り組んでいきます。
(取材日2020年3月4日)