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江東区
南は東京湾に面し、東西に荒川と隅田川を配するまち。区内を河川・運河が縦横に走り、都内でありながら豊かな水と緑に囲まれている。東京2020大会では、有明アリーナや海の森水上競技場など多数の競技会場を擁する。
目次
江東区長インタビュー
緑あふれる運河のまち
スポーツを通した健康づくりを推進

- 山崎 孝明
- 区長
1943年江東区生まれ、江東区育ち。早稲田大学卒業後、そば店を経営し出前、調理を担当。20代で都議会議員選挙に挑戦後、木場の銘木店勤務や全国を巡るトラック運転手などを経て、衆議院議員秘書に。江東区議会議員を2期、東京都議会議員を5期務め、2007年より現職。現在4期目。
江東区民は定住志向が強いと聞きました。その理由は何でしょう?
令和元年に行われた区の世論調査では「ずっと住みたい」「当分は住みたい」と回答された区民が、90%を超えました。その理由は、運河と緑に囲まれながらも、交通の便が良く、住みやすく、働きやすいからでしょう。10年ほど前から「江東区 CITY IN THE GREEN」を掲げ、緑のネットワークづくりを推進してきたこともあり、身近な自然が増えています。公園や緑地は子育て世代にとって遊び場であり、安らぎの場となっていると思います。
江東区はマンションが多く、子育て世代は核家族がほとんど。孤独な育児で疲れてしまったり、「頼るところがない」とつらい思いをされたりしないよう、子育て支援のメニューを増やしているところです。その中には、保育園の待機児童ゼロももちろん含まれますが、在宅育児で頑張る人の居場所や相談場所づくりにも同様に力を入れています。令和2年度は、有明に区内6ヶ所目となる子ども家庭支援センターを開設、「南砂子ども家庭支援センター」には心理士を配置し、プロの手によるサポート体制も強化していきます。子どもを健やかに育てるのは、すべての大人の責任。親だけでなく、社会で子育てをしていくものと考えています。
東京2020大会では、競技会場数が日本一と伺いました。
「有明アリーナ」や「海の森水上競技場」などで、オリンピック、パラリンピック競技が行われます。江東区は「スポーツと人情が熱いまち」。区民ボランティア「江東サポーターズ」が中心となり、国内外の来場者をおもてなしし、盛り上げていきたいと思っています。そして、「大会のレガシー」を未来につないでいく。これだけ、スポーツ施設や水辺のスポーツを楽しめる運河や河川が多くあるのだから、それを生かさない手はありません。いつでも、どこでも、だれでも運動ができる仕組みを整え、「子どもの体力向上」 と区民全体の「健康寿命のアップ」につなげたい。それが、ひいては10年後、20年後の医療費削減につながっていくと思うのです。
子育て世代にとっての江東区の魅力をお聞かせください。

夢の島競技場で開催される「ファミリースポーツチャレンジ」。さまざまなスポーツを親子で経験できる
「水彩都市・江東区」は、一人あたりの公園面積が23区で上位。さらに、文化センターやスポーツセンターなど公共施設がバランス良く配置されていて、子育て世代が暮らしやすいまちです。都心と比べてやや物価が低い点も魅力で、転入者も増えています。子育て支援はますます手厚く、そして多様な施策を展開していく予定です。住むほどに「このまち、いいよね」との想いが深まっていく。そんなまちをめざしています。
(2020年5月時点の情報です)
「医師会」活動レポート
住民の身近なかかりつけ医であり、地域医療の重要な役割を担う「医師会」。今回は、地域の医師会の会長に、力を入れている活動や取り組みについてお話しいただきました。
江東区医師会
かかりつけ医ならではの立場を生かし
誰にとっても優しい町づくりに貢献
タワーマンションが立ち並ぶ近代的な町並みの湾岸エリアと、江戸の情緒と下町風情の残る内陸エリアを併せ持つ江東区。そんな地域の多様性に柔軟に対応し、妊婦健診から小児・高齢者医療まで幅広く地域の医療を支えているのが江東区医師会だ。
「エリアごとに住んでいる方の年齢層や意識は大きく異なります。病気を診るだけでなく、介護や福祉など生活全般にわたって、よりきめ細かに患者さんを診るのが地域に根差したかかりつけ医の役目です」と穏やかな笑顔で語る福井光文会長。同会では区民公開講座をはじめ、難病患者の日常的な悩みや区の支援策に関して積極的に情報発信するなど、一歩踏み込んだ対応で注目を集めている。
同区では医療、介護、介護予防、住まいおよび自立した日常生活支援をサポートする独自の地域包括ケアシステムを構築。21カ所に長寿サポートセンターを設け、医療介護専用SNSを駆使して関係者間で情報の共有化を進めるなど、医師会主導で誰もが住み慣れた地域で安心して暮らし続けられる町づくりに注力している。
また、近年の台風被害の教訓から水害や停電、火災などさまざまな被害が生じた際の具体的な対策も打ち出す。必要に応じて行政区分を超えた対応ができるよう、周辺地域との連携を深めている。
「大切なのは人とのつながり。健康寿命を延ばすだけでなく、生きる意欲と目的を持てる町づくりの一助となります」
(2020年5月時点の情報です)

- 福井 光文
- 会長
(福井クリニック)
Profile
北里大学医学部卒業。福井クリニック2代目院長。難病指定医として地域に根差した医療を提供しつつ、東京都医師会代議員、同難病医療相談委員会委員長などを経て2017年江東区医師会会長就任。座右の銘は「和顔愛語」。