全国のドクター9,375人の想いを取材
クリニック・病院 160,980件の情報を掲載(2021年1月18日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. ほくろが大きくなるの原因と考えられる病気一覧
  4. 悪性黒色腫
  1. TOP
  2. 皮膚の病気一覧
  3. 悪性黒色腫
061

こちらの記事の監修医師
公立学校共済組合 関東中央病院
皮膚科部長 鑑 慎司 先生

あくせいこくしょくしゅ悪性黒色腫

概要

皮膚がんの一種で、「メラノーマ」とも呼ばれる。メラニンを作る細胞であるメラノサイトが悪性化した腫瘍で、黒みを帯びた色素斑が手や足の裏にできることが多い。遺伝的な要因、または紫外線や皮膚への刺激などの環境要因によって発症する。悪性黒色腫は、足裏や手のひら、手足の爪などにできる「末端黒子型」、白人や色白の日本人に多い「表在拡大型」、黒色または濃淡の混じった硬いしこりが全身のあらゆる部位に発生することが特徴の「結節型」、顔や首、手の甲など日光にさらされる部位に、褐色または黒褐色のあざができる「悪性黒子型」の4種類に大きく分類される。鼻や口の中、眼球など粘膜部分に発症することもまれにある。

原因

悪性黒色腫の発症には遺伝的な要因と、紫外線や肌への刺激などの環境要因が関与しているといわれている。生まれつきの皮膚の色も発症に関係しており、表在拡大型は白人が多くかかる傾向がある。一方、日本人は足裏や手のひら、手足の爪などに出現する末端黒子型になる人が多い。また、白人では、家族内での発症や悪性黒色腫が多発する家系が報告されており、遺伝が関係していると考えられている。赤道近くなど紫外線の強い地域に住む人の発生率が高い。ただ、日本人に多い末端黒子型は日光にあまりさらされない部分に出やすく、紫外線の影響や遺伝的要素も確認されていない。歩行や運動などの刺激を受けやすい足裏や爪、衣類などで擦れる部位や外傷を受けた部位などで発症することが多いことから、外部からの刺激が原因の1つと考えられている。

症状

まだらなしみやいびつなほくろのようなもの、色むらのあるほくろのようなものなどが皮膚に現れ、1~2年で徐々に大きくなっていく。初期の段階では痛みやかゆみなどの自覚症状はほとんどなく、一見ほくろに見えるため見過ごされることが多い。いびつなほくろやまだらなしみが急に現れた場合は早めに皮膚科を受診すること。症状が進行すると、色が濃くなったり、硬くなったりしていく。悪性黒色腫は進行するとリンパ節に転移する可能性が高い。リンパ節を介して、脳や肺、肝臓、消化管、骨などへ転移することもある。骨や神経に転移した場合は痛みを感じることがある。

検査・診断

肉眼やダーモスコープと呼ばれる拡大鏡で病変を観察した後、腫瘍の厚さなどを調べるために生体の一部を採取して病理検査をする。病変の形が左右非対称、皮膚との境界線がギザギザしていて色がにじんだように見える、色にむらがある、病変の直径が6ミリメートル以上、大きさや形、色調、表面の様子が変化するといった所見がある場合、悪性黒色腫を疑う。確定診断後、他の部位・臓器への転移がないかを調べるために、CTやMRI、エックス線検査、超音波検査、PETなどの画像診断検査に加え、心機能、呼吸機能、肝機能、腎機能などを調べる検査を必要に応じて適宜行う。手術の際に、センチネルリンパ節(がんが最初に転移するリンパ節)生検を行うことがある。

治療

他の臓器に転移がなければ、手術によって腫瘍とその周辺の皮膚を切除する治療が一般的。ただ、指に悪性黒色腫ができた場合は切断することもある。また皮膚の切除部分が大きくて縫縮することが難しい場合は、自分の皮膚の一部を移植する手術を行う。手術の際には、センチネルリンパ節生検を行い、転移がないかを確認することがある。手術後はリンパ節や内臓に転移があるときは化学療法を行うことが多い。化学療法ではがん細胞を選択的に攻撃する分子標的薬、がん細胞を攻撃する免疫細胞を活性化する免疫チェックポイント阻害薬を使うことが近年増えてきた。また、がん細胞に集中的に放射線を照射し、がん細胞のDNAを切断して病巣を死滅させる放射線療法を実施することもある。

予防/治療後の注意

悪性黒色腫は転移がなければ比較的予後は良い。ただし、初期であっても再発の可能性はゼロとはいえないので、治療後も定期的に医師の診断を受けることが重要となる。日焼け止め剤の使用で発症率が低下したという報告もあることから、しっかりとした紫外線対策をすることも予防には有効である。屋外でのスポーツやアウトドアを楽しむ際は、夏だけでなく、一年を通して日焼け止めを塗る、帽子を被る、肌を露出する服装を控えるといったことを心がける。

061

こちらの記事の監修医師

公立学校共済組合 関東中央病院

皮膚科部長 鑑 慎司 先生

2000年3月東京大学医学部医学科卒業。同大学附属病院の皮膚科で研修後、2006年3月に同大学院博士課程を修了。その後同大学附属病院皮膚科助教や、関東労災病院皮膚科にて医長を務める。Oregon Health & Science University博士研究員、東京大学医学部附属病院皮膚科講師などを経て、2012年4月より現職。日本皮膚科学会皮膚科専門医、日本レーザー医学会レーザー専門医。