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再発を防ぎ、痕が目立たない処置をめざす
形成外科で行う粉瘤治療

べる皮ふ科形成外科

(吹田市/北千里駅)

最終更新日:2024/02/09

べる皮ふ科形成外科 再発を防ぎ、痕が目立たない処置をめざす 形成外科で行う粉瘤治療 べる皮ふ科形成外科 再発を防ぎ、痕が目立たない処置をめざす 形成外科で行う粉瘤治療
  • 保険診療

形成外科においては一般的な、粉瘤(ふんりゅう)という皮膚トラブル。気づけば体の一部におできのようなものが現れ、次第に大きくなり不安を感じて受診する人が多いという。そんな粉瘤の診断や治療に力を入れているのが「べる皮ふ科形成外科」の谷川知子院長。「まだ開院から数ヵ月ですが、粉瘤のお悩みは多く寄せられています」という言葉からも、誰もがなり得るポピュラーな疾患と想像がつくだろう。今回はそんな粉瘤について谷川院長に特徴や治療法、気をつけなければならないポイントなどをわかりやすく解説してもらった。

(取材日2023年7月13日)

「くりぬき法」の適応は粉瘤の場所や大きさ次第。傷痕が目立ちにくい処置として「切開」が適している場合も

Q粉瘤とは、皮膚がどのような状態になることでしょうか?
A
べる皮ふ科形成外科 不安な気持ちに寄り添い、粉瘤の治療に取り組む

▲不安な気持ちに寄り添い、粉瘤の治療に取り組む

粉瘤はアテロームとも呼ばれ、体のどの部分にでもできる良性の皮下腫瘍です。皮膚の中に皮膚を巻き込んだような状態になり、皮膚の下に別の皮膚による袋状の腫瘍ができるイメージです。皮膚が垢を出すように粉瘤も垢を出し、それが袋の中にたまって次第に大きくなっていきます。粉瘤自体は痛くもかゆくもなく、背中などの場合は気づかないことがあります。ところが、ばい菌が入ると腫れて痛みが生じ、そこで初めて気づくというパターンが多いようです。発生原因はよくわかっておらず、年齢や性別も特に関係ありません。突然できることもあれば外傷部にできることもあり、また、耳の周囲に何度も繰り返し発症するという特異なケースもあります。

Qどのようなタイミングで受診すれば良いでしょうか?
A
べる皮ふ科形成外科 粉瘤かどうか悩まれる前に、早めの受診を

▲粉瘤かどうか悩まれる前に、早めの受診を

粉瘤は袋に出口がないためずっと垢をため続け、放置しているとどんどん大きくなっていきます。感染を起こすとひどく痛みますし、まれなケースでは直径10センチほどのこぶ状に肥大することもあります。小さいほど治療の傷痕も小さくて済むことが望めますから、「おできかな?」というまだ小さなうちに受診することをお勧めします。それが粉瘤なのか、おできなのか、他の腫瘍なのか、一般の方にはわかりづらいでしょう。たいていの場合は視診で判別できますが、似たようなや軟部悪性腫瘍や悪性黒色腫(メラノーマ)が疑われるケースでは病理検査も必要となりますので、そこはスペシャリストである形成外科医にお任せいただければと思います。

Q粉瘤にはどのような治療が必要ですか?
A
べる皮ふ科形成外科 粉瘤のある部位や大きさによって手術法が決まる

▲粉瘤のある部位や大きさによって手術法が決まる

基本的には除去手術が必要で、メスで切開して内容物を袋ごと取り除いた後、切開部を縫合します。感染がある場合は、まず抗生剤や抗炎症剤で炎症を抑えることを図ってから手術を行います。小さな粉瘤の場合は皮膚に直径数ミリの穴を開けて行う「くりぬき法」と呼ばれる手法を用いることもあります。ただし手術で最も重要なのは、しっかりと袋を除去して再発を防ぐこと。近年は傷痕の小ささや低侵襲を理由に、くりぬき法を大きく宣伝するところもあるようですが、手術法は粉瘤のある部位や大きさによって決まります。一定の大きさになれば切開したほうが再発のリスクが少なく、スムーズな回復が期待できることをぜひご理解いただきたいですね。

Q手術が不安なのですが、やはり痛みを伴うものでしょうか?
A
べる皮ふ科形成外科 局所麻酔を行い、患者の不安や負担を軽減

▲局所麻酔を行い、患者の不安や負担を軽減

手術の所要時間は30〜40分程度で日帰りで行いますし、術中に痛みを感じることがないよう局所麻酔を行うのでご安心ください。また、手術は常に電気メスによる止血を並行して行います。無事に手術が終われば抗生剤・痛み止め・胃薬をお渡ししてその日はお帰りいただき、1〜2週間後に抜糸。病理検査の結果を経て、2ヵ月ごとに経過を診ながら特に問題なければ治療は終了となります。手術は誰でも不安だと思いますが、通常の粉瘤であればそう大がかりになることもないので、思ったより楽だったと思っていただけると思います。注射の痛みを和らげるための、塗ったり貼ったりする麻酔もありますから、注射が苦手な方は遠慮なくお申し出ください。

Q手術に際して先生が心がけていることを教えてください。
A
べる皮ふ科形成外科 傷痕がなるべく残らないよう心がけている

▲傷痕がなるべく残らないよう心がけている

私が手術で大切にしているのは、再発をしっかりと防ぎ、傷痕がなるべく残らないように治療すること。そのために患部をきれいに取り除き、二次感染を起こさぬよう細心の注意を払います。また、形成外科の目的は、傷や変形をなるべく目立たないようにすることで、誰もがそのためのトレーニングを積んでいます。顔の周辺やデコルテ、腕といった場所は特に気になるでしょうから、切開の方向や術後のテーピングなど、傷痕を目立たなくするために最大限の力を注いでいます。傷口が小さいからという理由でくりぬき法を選んでも、よく見れば傷痕はわかります。そうした説明も事前にしっかりお伝えしますので、安心してご相談いただければと思います。

ドクターからのメッセージ

谷川 知子院長

粉瘤は、放っておくとどんどん大きくなっていきます。あまり大きくなってからだと傷痕も大きくなってしまいますから、「何これ?」と気づいた時点で医療機関にご相談ください。外科的処置が苦手な皮膚科の先生を受診した場合、「このまま様子を見ましょう」と言われることがあるようですが、それでひどくなってしまうケースもあるわけですね。腫瘍性のものや腫瘤に関しては、やはり形成外科の専門領域です。最初から手術ができるクリニックを受診したほうが、診断を含め、より適切な治療につながるでしょう。診察を受けて特に問題がなければ、それはそれで安心というもの。できものがあれば一人で悩まず、ぜひ気軽にお越しください。

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