全国のドクター8,457人の想いを取材
クリニック・病院 161,434件の情報を掲載(2019年10月16日現在)

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. 高熱の原因と考えられる病気一覧
  4. 急性虫垂炎(盲腸)
  1. TOP
  2. 頭の病気一覧
  3. 急性虫垂炎(盲腸)
005

こちらの記事の監修医師
瓜田 純久 病院長

きゅうせいちゅうすいえん(もうちょう)急性虫垂炎(盲腸)

概要

大腸の入り口にある盲腸に、虫垂という5〜10cm程度の突起物がある。この虫垂が異物やふん石などが原因で閉塞し、炎症をおこす病気が「急性虫垂炎」。「盲腸」という呼び名で広く認知されている症状。急に激しい腹痛をもたらす病気を「急性腹症」というが、急性虫垂炎はその中でも最も多い病気。2、3歳くらいの幼児期から小中学生、20代くらいまでの発症率が高いが、高齢者を含め男女問わずどの世代にも見られる。右下腹部の痛みでよく知られ、小さな子どもの場合は食欲減退、嘔吐などがきっかけで判明することもある。炎症が粘膜のみにある「カタル性虫垂炎」、虫垂壁全体が炎症している「蜂窩織炎性(ほうかしきえんせい)虫垂炎」、壁に壊死が発生している「壊疽性(えそせい)虫垂炎」に分類される。

原因

急性虫垂炎は、虫垂に急な炎症が起こることによって発病する。その原因はすべて解明されているわけではないが、ふん石(消化管の内容物が固まったもの)などの異物が原因で虫垂が閉塞したり、虫垂がねじれたりすることで血行が悪化することで発症するとされている。食べ過ぎ・飲み過ぎ、不規則な生活、便秘、過労など日頃の習慣によっても症状が誘発されると考えられている。虫垂炎は虫垂が炎症を起こし化膿している状態のため、放置すると虫垂内に膿がたまり、それが右下腹の痛みの原因となる。この段階では発熱も生じる。さらに悪化すると穿孔し、膿が腹腔内へ流れ出て腹膜炎をも併発しかねないため、注意が必要だ。

症状

右下腹が痛むことで知られるが、最初は虫垂の根元が詰まって圧迫されるため、初期症状としてはみぞおち辺りに痛みが出ることが多く、嘔気を伴うことも多い。下痢を伴うこともある。それから徐々に右下腹部へと痛みが移動し、時間が経つほどひどくなる。痛みを伝えるのが難しい幼児の場合、食欲不振、嘔吐などの症状が異変に気づくきっかけとなる。炎症がひどくなり、虫垂に穴が開くと痛みが増す。膿が広範囲に広がると、高熱が出ておなかを触られるだけでも痛みを感じる。強い痛みのため腹筋の力が抜けず、背中を丸めた姿勢になることが多くなる。

検査・診断

まずは問診によって、痛みの有無や場所、程度をチェック。合わせて腹部や直腸の部分を直接触診することによって、圧迫したときに痛みが出るかどうかを調べる。また血液検査で白血球の数やCRP値を見て炎症の度合いを把握。さらに超音波(エコー)検査、CT検査によって虫垂の炎症や腫れ具合、ふん石の有無、周辺器官の状態を確かめていく。その上で手術療法か、抗生物質を用いた治療法を取るかなど、治療の方向性を判断する。超音波検査で診断されることが多いが、CT検査で他の疾患を鑑別することもある。

治療

症状が軽い場合は、抗菌薬の投与と経過観察で炎症を鎮める「保存的治療」を行う。これがいわゆる「薬でちらす」という方法。カタル性虫垂炎など比較的症状が軽いものに対して適応される。再発のリスクもあり、途中で治療法が変更されることもある。一方、発症してから時間が経過すると虫垂に穴が開いてしまう危険性が高くなるため、まずは手術により虫垂を切除する「外科的治療」が行われるケースが多い。外科的治療としては、開腹手術と腹腔鏡下手術の2種類の方法がある。開腹手術の場合は皮膚切開を行い、虫垂を切除。腹腔鏡下手術の場合は、数ヵ所の穴から腹腔内にカメラを入れて切除するが、炎症がひどい場合は行えない。いずれも腹膜炎や盲腸への炎症などが認められた場合には、腹腔ドレナージ術(汚染物質を体外へ排出する方法)を行なって、炎症をコントロールしてから待機的に手術することもある。

予防/治療後の注意

特に幼児は正確に病状を伝えるのが困難なため、発見が遅れて容体が悪化し、入院が長期化することも少なくない。幼児の腹痛はよくあることだが、おなかを痛がっている場合は、まずは触ってみて嫌がらないかどうか判断の目安だ。発熱や食欲不振、吐き気など、その他の症状にも注意が必要。いつもと違う様子なら、早めに医療機関を受診することがお勧め。治療後は医師の指示に従い、体力が回復するまでは安静にして過ごすことが大切になる。

005

こちらの記事の監修医師

東邦大学医療センター 大森病院

瓜田 純久 病院長

1985年、東邦大学医学部卒業。関東労災病院消化器科を経て、地元青森県で瓜田医院を開業。東邦大学医療センター大森病院総合診療・救急医学講座教授、院長補佐、副院長などを経て2018年より現職。専攻は内科学、総合診療医学、機能性消化器疾患、内視鏡医学、超音波医学、栄養代謝など。