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こちらの記事の監修医師
木村 健二郎 院長

きゅうせいしきゅうたいじんえん急性糸球体腎炎

概要

風邪や感染症の後、2週間前後で腎臓に炎症が起こる状態。腎臓の中の「糸球体」という毛細血管の塊に病変が生じ、血尿やタンパク尿、むくみ、高血圧などが現れる。症状が急に出て、数時間~数日で悪化するのが特徴。一般的には4歳から10歳くらいまでの子ども(男子にやや多い)に多く見られるが、成人や高齢者もまれに発症する。時期としては秋から春に多く見られる。成人で発症した場合、慢性化してしまう場合もあるが、他の腎臓病とは違って完治する場合が多い。

原因

子どもの急性腎炎で最も多く見られるのは、扁桃炎、咽頭炎などの原因である溶血性連鎖球菌(溶連菌)に感染した後、2週間前後に発症するケース。秋から春に患者が増えるのはこの時期に扁桃炎が流行するためで、4歳から10歳の子どもはかかりやすい。急性腎炎の発症の原因は、この溶血性連鎖球菌の感染が免疫反応を介して「糸球体」の細胞に炎症を引き起こすこと。それによって流れる血液の量が減ってしまい、腎臓の働きが低下するため、まぶたや足、ひどい場合は全身がむくみ、さらに血尿などの症状が出る。急性期を過ぎると回復するが、数ヵ月がたっても糸球体に病変が残っていることも少なくないため、半年くらいは慎重に経過を見守る必要がある。成人も溶連菌感染症にかかったことが原因で急性腎炎を起こすこともあるが、多くの場合は溶連菌への抗体を持っているため発症率は低い。

症状

扁桃炎などを発症して1~2週間後に、顔がむくんで腫れぼったくなる、すねがむくみ、押すとへこむなどの症状が出る。重症の場合は全身がむくみ、肺までむくんで呼吸困難を起こすこともある。体重を量ると急激に増加している(むくみの原因である水が体に過剰にたまったため)。またタンパク尿や目で見てわからない程度の血尿が出たり、尿量が少なくなったり、高血圧などの症状が現れたりする。さらに全身のだるさ、頭痛、食欲不振などを伴うこともある。軽症の場合は自覚症状がないため、尿検査の際に血尿やタンパク尿が出て、初めて発見される場合も。急速に進行して腎不全になることもあるので注意が必要。

検査・診断

臨床症状による所見から急性腎炎が疑われた場合、尿検査を実施する。発症している場合は程度の強い血尿やタンパク尿が認められ、免疫物質の低下、溶連菌への感染を示す数値が表れる。加えて血液検査も行い、溶連菌に対する抗体を確認する。多くの場合は以上の検査で診断がつくが、確定診断や病勢の把握のため、腎臓の組織を特殊な針で切り出して顕微鏡で観察する腎生検を行う場合もある。慢性腎炎でも感染症をきっかけに似たような症状が出ることがあるが、炎症が治った後に発症する急性腎炎とは異なり、慢性腎炎の場合の多くは炎症の最中に尿所見が悪化する。

治療

今のところ根本的な治療法はなく、対症療法が行われる。少なくとも1~2週間の入院が望ましい(状態によりもっと長くなる場合もある)。合成ペニシリンなどの抗生物質による薬物治療や塩分の摂取制限を行い、高カロリー、低タンパクの食事制限も実施する。むくみがある場合は利尿薬も併せて使用し、高血圧に対しては降圧薬を使う。入院当初の食事中の塩分制限は、5歳児で1日3g程度。通常は1~2週間かけてコントロールしていく。むくみが軽減してきたら塩分制限は徐々に緩和する。尿の出方が正常になり、塩分制限をしなくてもむくみが出ないようになれば、安静状態が解除される。急性腎炎の多くは完全に治癒するが、一部は慢性に進行し腎不全へ移行することもある。

予防/治療後の注意

高血圧、皮下組織のむくみ、タンパク尿のあるときは、安静が必要となる。それらの症状がなくなり、腎機能も正常であることが確認できるまで入院して治療を行うが、症状がなくなったら普通の生活に戻ることができ、通学や通園も可能。完治すれば薬を飲む必要もなくなる。

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こちらの記事の監修医師

独立行政法人地域医療機能推進機構 東京高輪病院

木村 健二郎 院長

1974年東京大学卒業後、同大学医学部第二内科入局。1981年よりデンマークコペンハーゲン大学医学部病理学研究所に2年間留学。帰国後は東京大学第二内科講師、東京大学医学部附属病院治験管理センター副センター長(兼任)、聖マリアンナ医科大学腎臓・高血圧内科学教授、同大学病院副院長(兼任)などを経験。2014年9月より現職。2019年5月より日本病院会常任理事