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こちらの記事の監修医師
石原 淳 病院長

あせとんけっせいおうとしょう(しゅうきせいおうとしょう)アセトン血性嘔吐症(周期性嘔吐症)

概要

アセトン血性嘔吐症は数時間もしくは数日間、繰り返し激しい嘔吐を繰り返す病気。嘔吐の間隔には個人差があり、数日間に何度も繰り返すこともあれば、年に数回程度のこともある。2~10歳くらいの子どもに多く見られ、思春期になると自然に治ることが多い。精神的ストレスや緊張、感染症、疲労によって食事の摂取量が落ちたことで、体に蓄えた栄養分を使い果たしてしまうことが発症の主な原因。体脂肪の分解によって血液中にアセトン(ケトン体)が増え過ぎることでさまざまな症状が生じる。嘔吐がない期間は特に他の症状もなく、普通に日常生活が送れる。別名「周期性嘔吐症」や「自家中毒」ともいう。

原因

体内に蓄えた栄養分(糖)を使い果たすと、脂肪は分解されてエネルギー化されるが、それと同時にアセトンという物質が生じる。血液中のこのアセトンの量が増え過ぎるのが、アセトン血性嘔吐症の主な原因と考えられている。神経質な子どもや頭痛持ちの子どもがアセトン血性嘔吐症になりやすいほか、遺伝的な要因があることも指摘されている。嘔吐を引き起こすきっかけは、疲労や精神的ストレス、感染症、環境の変化、乗り物酔い、体の動かし過ぎ、チョコレートなど脂質の多い食べ物の摂取、月経、飢餓状態など実にさまざま。中でも、試験や発表会など強いストレスがかかるイベントや、風邪やインフルエンザなどへの感染をきっかけに発症することが多い。また、体内の糖不足が主原因なので、食事を取らなかったり、胃腸炎になったりすることで発症することも。

症状

数時間もしくは数日の間に、激しい嘔吐を繰り返すことが最も顕著な症状である。まるで噴水のように吐しゃ物を噴き出すことが多い。時に少量の胆汁や血液が吐しゃ物の中に混ざることがある。嘔吐をした後も吐き気は続き、嘔吐を繰り返すうちにぐったりとしてきて元気がなくなり、顔面蒼白になっていく。口臭がリンゴの発酵したような臭い(アセトン臭)になることも特徴の一つ。胃のむかつきや食欲不振、腹痛、発汗、低体温、下痢、頭痛、だるさなどの症状が出現することもある。いったん症状が治まった後でも、ぶり返すことがあるので注意が必要だ。

検査・診断

まずは問診で数時間から数日持続する嘔吐が半年の間に何度あったかを確認。なお、それだけでは嘔吐を伴うほかの病気の可能性があるので、嘔吐以外の症状や吐しゃ物の状態、家族にアセトン血性嘔吐症にかかったことがある人がいるかなどについても尋ねる。また、アセトン血性嘔吐症になると、ケトン体が異常に増えるので、尿検査や血液検査によってケトン体を測定。ただし、ほかの病気でもケトン体が産生されることがあるため、問診結果も含めて総合的に判断する必要がある。重症化しているケースでは、血糖値や甲状腺機能、乳酸などを調べることも。その他、腹部超音波(エコー)検査を行うこともある。

治療

アセトン血性嘔吐症には根本的な治療法がないので、症状を抑える対症療法を行う。嘔吐する前に吐き気や頭痛、腹痛などの症状が起きることが多いので、その段階で吐き気止めや痛み止めなどの薬を服用したり、糖分を補給したりすることで大きな発作を防ぐことが可能。症状が重くなってしまい、薬や水分も吐き出して脱水症状を起こしている場合は、点滴で水分や糖分を補給する。症状が良くなってきてからは、こまめに少量ずつ水分を取り、スポーツドリンクなどで糖分を補うことで、数日のうちに症状が落ち着くことが多い。症状がないときに予防目的でてんかんや頭痛に用いられる薬などを服用することもあるが、特に治療をする必要がない場合も多い。ただし、発作が起きないようにこまめに糖分を補給したり、夕食を抜かないなど食事や生活リズムに気をつけたりといった対策を取るようにする。

予防/治療後の注意

空腹で糖分が不足すると、体内に蓄積していた脂肪が分解されてケトン体が増えてしまう。それを防ぐためには、食事を抜いたり間隔を空け過ぎたりしないように気をつける。また、三食しっかりと食べて睡眠を十分にとるなど生活を整え、ストレスをため込まないように心がけて心身の健康を保つ。脂肪分の多い食品も発症に影響を与えることがあるので、チョコレートやコーヒーの取り過ぎにも注意。また、ストレスを感じたときに甘い物を食べて糖分を補充することも発作予防の効果が期待できる。

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こちらの記事の監修医師

横浜市立市民病院

石原 淳 病院長

島根県出身。1979年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院や関連病院で小児循環器科の診療に携わり、1998年に市民病院に入職。 小児科部長、副病院長などを経て2013年より現職。研修医の指導や育成、看護師の教育に力を入れる。