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こちらの記事の監修医師
順天堂大学医学部附属浦安病院
血液内科長 野口 雅章 先生

はっけつびょう白血病

概要

白血病は、血液のがんです。血液の中には、赤血球、白血球、血小板という3つの血球があります。これらの血球が作られる過程で何らかの異常が発生し、白血病細胞と呼ばれるがん細胞が作られ、血液や骨髄の中に増えてしまった病気が白血病です。白血病は、急激に進行する急性白血病と、ゆっくりと進行する慢性白血病に分けられます。さらに、がん化した細胞の種類により、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性リンパ性白血病、成人T細胞白血病、骨髄異形成症候群、各種のリンパ腫などに分けられます。小児では急性リンパ性白血病がほとんどを占めます。2016年の国立がん研究センターの調べによると、白血病の人口10万人当たり罹患率は男性13.2%、女性8.7%となっています。若い人が多いイメージがありますが、患者の大半は60歳以上です。

原因

赤血球、血小板、白血病の中の顆粒球と単球の元になる細胞を骨髄系幹細胞、白血球の中のリンパ球の元になる細胞をリンパ系幹細胞といいます。これらの細胞が何らかの原因で遺伝子変異を起こし、無秩序に増殖し続けるがん細胞になります。しかし、その遺伝子異常を引き起こす原因はほとんどの場合不明です。慢性骨髄性白血病はフィラデルフィア染色体という異常な染色体が原因であることが解明されていますが、染色体を傷つける原因や危険因子まではわかっていません。放射線、化学物質、喫煙、ウイルスなどがその候補に挙がっています。その中で、成人T細胞白血病はHTLV-1というウイルスが、母乳や血液を介して感染することによって起こることがわかっています。また、他のがんの治療のために抗がん剤治療や放射線治療を受けた後に白血病を発症することがあります。

症状

白血病を発症すると、正常な血球が減少することによる息切れ、動悸、倦怠感、あざ、出血斑、鼻血、貧血、発熱などの症状と、異常ながん細胞が各臓器に運ばれていくことによる腹部の腫れ、しこり、痛み、歯茎の腫れや痛み、腰痛、関節痛、頭痛、吐き気、嘔吐、リンパ節の腫れやしこりなどの症状が出現します。ただ、慢性の白血病では、ゆっくりと進行するため、初めのうちはこれらの症状がほとんど表れないこともあります。自覚症状がなくても、健康診断や別の病気の血液検査で見つかることもあります。急性の白血病は急激に進行するため、いつもと違う症状に気づいたら直ちに医療機関を受診してください。

検査・診断

白血病の最初の検査は血液検査です。まず、赤血球、血小板、白血球の数を調べ、顕微鏡で異常ながん細胞がないか、どのような種類の細胞が多いか少ないかなどを調べます。次に脊髄や骨盤に針を刺して脊髄液や脊髄組織を採取し、染色体や遺伝子の変異、細胞表面の免疫関連物質を調べ、白血病であるかどうかはもちろん、そのタイプやさまざまな合併症を詳しく診断します。これらの検査は、有効な薬剤を調べるときや治療した効果を判定するときも有用なため、治療中にも何度か行います。また、必要に応じてエックス線、CT、PET-CT、超音波検査、脳や脊髄の髄液検査などを行い、他の臓器にがん細胞が運ばれていないかなど、合併症も検査します。

治療

白血病の治療方法は基本的には薬物療法です。がん細胞を直接的に殺す抗がん剤、特定の細胞を選んで殺す分子標的薬などがあり、白血病のタイプや年齢、病状、合併症、患者の希望などを考慮しながら、それらを組み合わせて治療します。近年は分子標的薬が次々と登場し、検査でどの薬剤が有用かどうかを確かめてから投与することが可能になっています。薬物治療がうまくいけば、再発防止の治療継続は必要ですが、仕事や家庭への社会復帰は十分可能です。もう一つの有力な治療法が造血幹細胞移植です。これは、先に大量の抗がん剤や放射線による治療で白血病細胞を正常な骨髄細胞ごと殺してしまい、後から健康な造血幹細胞を移植して造血機能を復元させる治療法です。移植した細胞の免疫作用により、再発が起こりにくいという利点もあります。移植する細胞の種類により、骨髄移植、末梢血幹細胞移植、臍帯血移植、ミニ移植などの方法があり、病気の種類や患者の状態、ドナーの有無などにより選択します。造血幹細胞が適する症例は限定されていて、一般的には抗がん剤や分子標的薬で効果がない場合や再発時、急に悪化した場合などに実施されます。移植後の重症感染症、拒絶反応などの重症合併症が起こることがあり、長期に通院が必要になります。

予防/治療後の注意

発症が予防できる白血病は、HTLV-1ウイルス感染が原因とわかっている成人T細胞白血病だけで、発症率が高い地域では妊婦健診での検査と母子感染予防対策(授乳制限など)が取られています。白血病に限ったことではありませんが、バランスの良い食事と適度な運動、規則正しい生活はすべての病気予防につながります。また、治療中、治療後は疲れたらすぐに横になれるようにしておきましょう。外来で薬物治療を受けているときは、特に感染症に注意し、手洗いやうがい、体を冷やさないことを心がけてください。

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こちらの記事の監修医師

順天堂大学医学部附属浦安病院

血液内科長 野口 雅章 先生

1983年順天堂大学医学部卒業。膠原病内科に所属し、免疫分野の診療経験を積んだ後、血液内科へ転向。亀田総合病院で移植医療を学び、順天堂大学医学部附属静岡病院を経て2000年から現職。2013年に教授就任。日本血液学会血液専門医、日本内科学会総合内科専門医。