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こちらの記事の監修医師
順天堂大学医学部附属浦安病院
血液内科長 野口 雅章 先生

まんせいこつずいせいはっけつびょう慢性骨髄性白血病

概要

血液細胞のもとになる造血幹細胞の遺伝子に異常が起こり、白血球・血小板が必要以上に作られてしまう疾患。血液がんの一種で、病期は進行度合いにより慢性期・移行期・急性期に分けられる。造血幹細胞は骨髄系幹細胞とリンパ系幹細胞に分かれており、骨髄系幹細胞で産出された白血球や血小板が異常に増加する白血病を骨髄性白血病という。また、成熟した細胞が増加する慢性骨髄性白血病は、血液がんの中でも比較的ゆっくり進行することで知られている。ただ、進行して急性期に移行すると、未熟な細胞が増加する急性骨髄性白血病と同様の症状が現れ、予後も悪くなる。もともとの原因は遺伝子の異常だが、この疾患自体は遺伝するものではない。50代の発症が多く、男性に多い傾向にある。

原因

造血幹細胞の遺伝子の異常(フィラデルフィア染色体異常)によって発症する。明らかな原因は不明で、発がん性のある化学物質や放射線などによって遺伝子が傷つくことで発症すると考えられている

症状

初期の段階(慢性期)ではその多くが無症状のため、健康診断などで偶然発見されるケースが多い。進行すると微熱や体重減少のほか、脾臓(ひぞう)が腫れ、それに伴い腹部膨満感・不快感が現れる。しかし、これらの症状をほとんど感じないことも多い。病期(ステージ)が進んで移行期に入ると、発熱や貧血症状が見られるようになり、進行スピードも徐々に速くなっていく。そして急性期に移行すると、高熱や貧血、出血といった急性白血病のような症状が出るほか、骨が痛むこともある。

検査・診断

まずは血液検査を行い、白血球の数や種類を調べる。血液検査で白血病が疑われた場合、骨髄検査(胸骨、または腰の横にある腸骨に穴を開け、骨髄を採取して調べる検査)を行い、慢性骨髄性白血病に特徴的なフィラデルフィア染色体異常や遺伝子の異常(BCR-ABL融合遺伝子)が見つかれば確定診断となる。

治療

初期の段階(慢性期)では、チロシンキナーゼ阻害薬(イマチニブ・ニロチニブ・ダサチニブなど)という、原因となっている遺伝子の働きに対する薬を使うことで、白血球の数を減らし、進行を抑制することができる。副作用として、むくみ、筋肉痛、下痢、肝機能障害などがある。チロシンキナーゼ阻害薬の効果が見られない場合や症状が急性期へ移行している場合には、抗がん剤を用いた化学療法や骨髄移植などの治療を行う。骨髄移植は白血球の型が一致するドナーの造血幹細胞を輸血する治療で、チロシンキナーゼ阻害薬の効果がなくなった場合に唯一、治癒の可能性を持った治療となる。治療の効果が出ているかを判断するため、定期的な血液検査が必要になる。

予防/治療後の注意

慢性期では、医師の指示に従って薬の服用をきちんと続ければ、通常の生活を送っても問題はない。途中で治療を中断したり、誤った服用をしたりすると、異常細胞に薬剤に対する耐性ができる原因や病期の進行につながることがあるため、注意が必要。定期的な通院が長期に必要となる。

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こちらの記事の監修医師

順天堂大学医学部附属浦安病院

血液内科長 野口 雅章 先生

1983年順天堂大学医学部卒業。膠原病内科に所属し、免疫分野の診療経験を積んだ後、血液内科へ転向。亀田総合病院で移植医療を学び、順天堂大学医学部附属静岡病院を経て2000年から現職。2013年に教授就任。日本血液学会血液専門医、日本内科学会総合内科専門医。