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こちらの記事の監修医師
石原 淳 病院長

りんごびょう(でんせんせいこうはん)りんご病(伝染性紅斑)

概要

4~5歳の幼児や、小児を中心に発生する、単鎖DNA(二重らせん形状をしていないDNA)ウイルスであるヒトパルボウイルスB19というウイルスが病原体の感染症である。皮膚の発疹を主症状とし、両頬がりんごのように赤くなることから「りんご病」と呼ばれている。しかし実際は、こういった典型的な症状が出ないケースもあり、症状はさまざまであることがわかっている。咳やくしゃみなどによる飛沫感染や接触感染でうつり、6~12歳の子どもに多く発症する。成人になって初めて感染すると症状が重くなり、妊婦では胎児水腫や流産の原因となることもある。

原因

りんご病(伝染性紅斑)の主な原因は、単鎖DNAウイルスであるヒトパルボウイルスB19というウイルスに感染することである。ヒトパルボウイルスB19は、通常は咳やくしゃみなどによる飛沫感染で体内に取り込まれる。また、感染者が触れたドアノブやスイッチに接触し、その手で口や鼻を触ることにより体内にウイルスを取り込んでしまう接触感染も原因の一つとして考えられている。飛沫感染・接触感染が主な原因ではあるが、まれにウイルス血症の時期(ウイルスが血液内に入り、全身を循環している状態)に採血された血液製剤から感染してしまうケースもある。りんご病は、両頬が赤くなるなどの症状が現れる頃には感染力が弱まっているのが特徴である。そのため、症状がまだ現れていない時期に感染力が強く人にうつってしまうため、予防が難しいとされている。

症状

両側の頬に赤い発疹紅斑が現れた後、腕や足にも網目状の紅斑が出る。潜伏期間は4~20日程度とされ、ウイルスに感染してから発疹が出始めるまでには16日~18日間ほどかかる。頬が赤くなる前に、咳、鼻水など風邪のような症状が出ることも多いが、発熱はあっても軽度。さらに発疹が出る前の症状として、倦怠感や頭痛、筋肉痛などが見られることもある。成人が感染すると、発疹や風邪症状に加えて、関節痛が出ることも。なお、この疾患の特徴は、感染する可能性があるのは初期段階だということ。そのため、症状が現れた段階で感染力はほぼないとされる。また発疹は完治した後でも、その後数ヵ月は日光に当たったりこすれたりすると、赤みが再発することもある。

検査・診断

症状から診断されることが多い。頬が赤くなっているかどうかなどの症状を見た上でヒトパルボウイルスB19への感染を調べ、発症しているかどうかを診断する。風疹や麻疹と区別しにくい病気とされているが、頬の赤みが出ている場合、痒みが強くなければりんご病であるといえる。今のところ、迅速診断できる方法はないとされている。必要に応じて血液検査を行い、ヒトパルポウイルスB19に対する免疫反応などを確認する。しかしながら、乳幼児の場合この検査は保険が適用されない。保険適用されるのは、妊婦が感染した恐れがある場合のみである。

治療

有効な治療法は今のところなく、対処療法しかない。しかしながら、自然に治癒することがほとんどである。発疹が出ていても特に害はないので、あまり心配する必要はない。痒みや苦痛を伴うケースは珍しい。対症療法として解熱薬や、抗ヒスタミン剤などの痒み止めの薬を用いる。問題となるのは、血液疾患を持っている患者が感染した場合や、妊婦が発症してしまった場合である。りんご病(伝染性紅斑)にかかったことのない妊婦が感染してしまうと、胎児に影響が出てしまう可能性があるため、病院に入院して治療を行う必要がある。最悪のケースとしては、流産になってしまうこともある。妊娠前半期は特に感染する可能性が高い。しかし、妊娠後半期でも胎児感染のケースはあるので、注意して治療を行う必要がある。

予防/治療後の注意

積極的な予防法はないとされている。なお、頬が赤くなるなどの症状が出ている段階では感染力は弱まっているため、人との接触を避けたりする必要はなく、幼稚園や学校に登園・登校しても問題ないとされている。注意が必要なのは妊婦への感染。妊娠中の人は、りんご病(伝染性紅斑)が流行している保育園や学校に子どもを迎えに行かないなどの注意が必要となる。また、溶血性貧血の患者も妊婦同様の対応が必要だ。 

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こちらの記事の監修医師

横浜市立市民病院

石原 淳 病院長

島根県出身。1979年慶應義塾大学医学部卒業。同大学病院や関連病院で小児循環器科の診療に携わり、1998年に市民病院に入職。 小児科部長、副病院長などを経て2013年より現職。研修医の指導や育成、看護師の教育に力を入れる。