全国のドクター13,603人の想いを取材
クリニック・病院 157,055件の情報を掲載(2025年4月25日現在)

ドクターズ・ファイル会員でできること

予約情報をマイページ上で管理できます!

過去の予約を一覧化

予約内容の確認

予約の変更・キャンセル※

※一部対象外の医療機関もありますので、あらかじめご了承ください

会員登録がお済みでない方は

すでに会員の方は

  1. TOP
  2. 症状から探す
  3. 疲れやすいの原因と考えられる病気一覧
  4. 脂肪肝
  1. TOP
  2. その他の病気一覧
  3. 脂肪肝
独立行政法人地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター 石井 耕司 病院長

こちらの記事の監修医師
独立行政法人地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター
石井 耕司 病院長

しぼうかん脂肪肝

概要

中性脂肪が肝臓に蓄積する病気。過剰なアルコール摂取のほか、肥満や生活習慣病が原因で、肝臓に余分な脂肪が蓄えられた状態。アルコールが原因の脂肪肝を「アルコール性脂肪肝」、それ以外の脂肪肝を「非アルコール性脂肪肝」と呼ぶ。脂肪の割合が肝細胞全体の30%を占める場合に、脂肪肝と診断される。原因となる生活習慣や肥満を解消することが重要。脂肪肝の中には肝臓の線維化が進み、慢性肝炎となり、さらに肝硬変肝臓がんへ進行する症例もある。飲酒しない人でも罹患する可能性あり。肝臓は再生能力に優れているため、ダメージを受けても残りの細胞が機能を維持することができ、痛みなどの自覚症状が現れないため、異常があっても気づきにくく、発見時には病状が進行しているケースも多い。

原因

肝臓は脂質を脂肪酸、糖質をブドウ糖に分解し、中性脂肪へと変化させている。摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがよければ特に問題はないが、脂質や糖質を過剰に摂取し、なおかつ運動不足などで消費エネルギーとのバランスが崩れてしまうと使い切ることができなかった脂肪酸やブドウ糖が中性脂肪やグリコーゲンとして肝臓に蓄積されてしまう。またアルコールは分解するときに中性脂肪に合成されやすい。さらに極端な食事制限などで無理なダイエットをすると「低栄養性脂肪肝」と呼ばれる脂肪肝になることがある。アルコールの飲み過ぎだけでなく、食べ過ぎが原因となることが多い。

症状

血液がドロドロの状態になるため、血流が悪くなり、全身の細胞に酸素と栄養分が行き渡らなくなる。そのため、体がだるい、疲れやすくなる、肩が凝る、頭がぼーっとする、といった症状が出ることも。その他に腹部の違和感などが挙げられるが、これらの症状はある程度進行しないと自覚症状として現れない。

検査・診断

血液検査で肝機能を調べるほか、飲酒の有無の確認、超音波(エコー)検査やCT検査などの画像検査により、肝臓の大きさや脂肪のたまり具合を見る。また、肝炎などの合併症を引き起こしていないかを調べるため、肝臓の一部を採取して顕微鏡で観察する肝生検が行われることもある。原因がアルコールによるものか、または他に要因があるのかを判定するのに有用だ。

治療

「食べ過ぎない」「適度な運動」「減量」が基本的な治療。アルコールが原因の場合、まず禁酒の指導が行われる。糖尿病などの生活習慣病が原因のときは、食生活の改善やダイエットなどを行う。場合によっては、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ薬を用いることもある。

予防/治療後の注意

飲酒の習慣がある人は日頃から自分の飲酒量を把握し、アルコールの過剰摂取に注意することが大切。また、脂肪分の多い食事や運動不足は糖尿病などの生活習慣病の原因となるため、栄養バランスの整った食事と適度な運動を心がけることが予防につながる。脂っぽい食事を控えることも大切だが、それ以上に糖質の摂取量に気をつける必要がある。日常的に糖質を摂り過ぎていると脂肪肝になりやすく、特に果物の果糖は吸収がよく中性脂肪になりやすいため注意が必要。またストレスや喫煙、紫外線などから発生する活性酸素を浴び続けていると発症に影響を及ぼすともいわれており、緑茶に含まれるカテキンが活性酸素を消去してくれる。また血糖値の上昇を穏やかにしインスリンの分泌を抑えることも大切。脂肪肝は症状が現れにくく、さらに放置すると肝炎や肝硬変肝がんへと進行する危険があるため、定期的に健康診断を受け、肝機能の異常を指摘された場合には速やかに医療機関へかかることが重要となる。

独立行政法人地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター 石井 耕司 病院長

こちらの記事の監修医師

独立行政法人地域医療機能推進機構 東京蒲田医療センター

石井 耕司 病院長

1981年杏林大学卒業後、東邦大学大森病院内科入局。同大学病院に所属しながら関連病院での勤務やアメリカ留学を経験。勤務医の傍ら、開業医の妻のクリニックを手伝い、地域の医療連携の必要性を痛感していたところ、「東京蒲田医療センター」副院長を打診され、縁を感じて就任。2016年より現職。