
こちらの記事の監修医師
学校法人昭和大学歯科病院
顎顔面口腔外科診療科長/教授/副院長 代田 達夫 先生
さいはつせいあふた再発性アフタ
最終更新日:2021/12/24
概要
口腔粘膜に定期あるいは不定期にアフタとよばれる潰瘍の再発を繰り返す疾患である。アフタは円形または類円形の浅い潰瘍で、その周囲は帯状に赤く、潰瘍面は白ないし灰白色に覆われている。食べ物などが触れると強い痛みを感じることが多く、刺激性の食べ物でしみることもある。いずれの年齢にも発症するが、特に20~30歳代の女性に多い。ベーチェット病(アフタ性口内炎、目の見えにくさ、皮膚の炎症、外陰部の潰瘍をはじめ、全身の各部位に炎症を生じる病気)では70~80%の患者の初発症状として見られるが、通常のアフタ性潰瘍よりも難治性である。
原因
遺伝、口腔内の外傷、喫煙、過労、胃腸障害、偏った食生活、ビタミン不足、細菌、ウイルス、アレルギー内分泌の異常、免疫学的異常などが誘因になるといわれているが、詳しい原因はわかっていない。
症状
唇や頬の内側、歯茎、舌、口の底の部分などの粘膜に、アフタが単発性あるいは多発性に発症する。通常、1~3個であることが多い。アフタの大きさにより小アフタ型、第アフタ型そして疱疹状潰瘍型に分類されている。小アフタ型は直径10mm以下のアフタが1~数個生じ、7~14日程度で治癒する。大アフタ型は直径10mm以上の深い潰瘍が1~数個発生し、治癒までの期間も長い。疱疹状型潰瘍は直径1~2㎜の小さな潰瘍が多発性に生じ、7~14日程度で治癒する。
検査・診断
診断は特徴的な臨床症状から判断される。疱疹状潰瘍型はヘルペス性口内炎との鑑別が必要である。ヘルペス性口内炎では発熱や首のリンパ節が腫れることから鑑別は可能である。また、大アフタが難治性である場合には自己免疫疾患や悪性腫瘍との鑑別が必要であり、状況に応じて病理組織学的検査を行う。
治療
対症療法が主体となる。すなわち食生活や口腔内の衛生環境を改善し、副腎皮質ステロイド薬含有の軟こう、噴霧薬などを用いて症状を抑える。特に潰瘍の数が多い場合には、うがい薬を併用して口の中の細菌を減らし清潔に保つことが重要である。内服薬では非ステロイド性抗炎症薬、抗アレルギー薬などが用いられる。
予防/治療後の注意
粘膜を誤って噛むなどして口腔内を傷つけないように注意することも予防法のひとつである。また、疲労、精神的ストレス、喫煙などの生活習慣が誘因となる場合もある。さらに、鉄やビタミン不足なども二次的な促進因子の可能性があると考えられているため、食事など日々の生活スタイルを改善することで予防効果が期待できる。

こちらの記事の監修医師
顎顔面口腔外科診療科長/教授/副院長 代田 達夫 先生
1986年昭和大学歯学部卒業,講師,准教授等を経て2013年5月より現職。日本口腔外科学会口腔外科専門医。
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