患者をフォローアップする
在宅での訪問歯科診療

検診・治療前の素朴な疑問を聞きました！

Q訪問歯科診療の対象となるのは、どんな方なのでしょうか？

A

歯科の治療にはさまざまな器具も必要なため外来診療が基本ではありますが、体の自由が利かなかったり、歩行が困難であったりする方を対象として訪問歯科診療に対応しています。年齢制限はなく通院できないことが一つの判断基準。カバーできるエリアは当院から16キロ圏内で、北九州から筑豊くらいまでに住んでいる方が対象となります。開院から50年以上が経過していますし、昔から通っていただいた患者さんも高齢になり、中には通院が困難になっている方もいらっしゃいますから、そうした患者さんたちのフォローアップとして取り組んでいます。新規の患者さんであっても訪問歯科診療の要望があれば気軽にご相談いただければと思っています。

Q訪問診療を受ける際はどうやって申し込めば良いのですか？

A

まずは電話でお問い合わせください。直接ご連絡いただいても構いませんし、介護サービスを受けていらっしゃるのであればケアマネジャーの方に相談いただくという方法もありますよ。ご本人はもちろん、ご家族の方から依頼いただくケースも多いので、受診したい、詳しく話を聞きたいという場合には遠慮なくお電話いただきたいですね。そこで主訴などを簡単に伺い、実際に訪問する日程を調整していきます。当院では患者さんの要望を受けて10年ほど前から往診のような形で始まった取り組みですが、口腔内を清潔に保つことは健康にも大きく関わってきます。通院できないからと諦めずに積極的にご利用いただきたいと考えています。

Q豊かな人生を送るためにも、お口の健康は大切ですよね。

A

寝たきりになったり、在宅で介護が必要になったりすると、どうしても口腔ケアがおろそかになってしまいます。口腔内を清潔に保つことは誤嚥性肺炎の予防につながるなど、全身の健康状態に関係してきます。私たち歯科医師が訪問し、口腔ケアのお手伝いをすることで、患者さんの口腔状態の改善に加え、介護を担うご家族の皆さんにケアのアドバイスを行うなどさまざまなサポートにつながるのではないでしょうか。訪問歯科診療を利用される場合、ご自身でケアができないケースも多いと思いますが、人の口腔内のケアは非常に難しいもの。だからこそケアのポイントをお伝えすることができれば、ご家族の日々の負担も軽減できます。

検診・治療START！ステップで紹介します

1訪問歯科診療を申し込む

通院が困難となり訪問歯科診療を受診したい場合には、まずは電話などで直接相談を行う。体の状態や主訴、どんなことに困っているのかなどを簡単に伝えて、初回の訪問日を調整していく。訪問が可能なのは北九州、筑豊のエリアとなる。本人、家族はもちろん、介護サービスを担うケアマネジャーからの申し込みが可能。

2訪問準備～初回訪問

初回訪問時には問診を行い、口腔内の状態をチェック。痛みなどの主訴部分がどうなっているか、入れ歯の状態はどうか、虫歯や歯周病の有無を確認した上で治療計画を立てていく。患者や家族と相談して治療方針を確定する。同院が休診の木曜日に訪問することが多いそう。当日は保険証など通常の受診時に必要なものを準備しておこう。

3訪問歯科診療スタート

痛みや出血、入れ歯の不調など、主訴がある場合には最初に改善を図っていくことになる。患者の体の状態を考慮しながらの治療になるため、主訴を必ず治療するのではなく応急処置を行いながら様子を見ていくケースもあるそう。

4訪問診療の継続・治療終了

初回の治療が終わったら、次の訪問日を決定。入れ歯の調整や虫歯の治療など、しっかりと噛める環境をつくりながら、患者の健康づくりをサポート。また患者の状態に合わせて口腔ケアの仕方やポイントを家族や介護の担い手にアドバイス。口腔内を清潔に保つためのサポートも行う。

5メンテナンス

患者の希望に合わせて、定期的に口腔ケアを行うメンテナンスにも対応。主訴が治ったとしても適切な口腔ケアができていなければ、再び状態が悪くなる可能性もあるので、定期的にチェックを実施しケアを継続していく必要があるとのこと。