口腔内だけでなく全身の健康と関連する
噛み合わせの治療
かさい歯科医院
(福岡市博多区/雑餉隈駅)
最終更新日:2021/10/22
- 自由診療
口の中にとどまらず、全身の健康とも関係するといわれる噛み合わせ。生まれつき噛み合わせが悪い、加齢による噛み合わせの変化、生活習慣やストレスなど、さまざまな要因により、適切な噛み合わせが常に維持できれば良いが、そのバランスが崩れると「噛み合わせの不調が歯や顎の痛み、片頭痛の原因にもなり得ることもある」と警鐘を鳴らすのが、噛み合わせ治療に詳しい「かさい歯科医院」の葛西秀夫先生だ。一人ひとりの口腔内の状態を見極め、全顎的な視点に立った治療に尽力する葛西先生に、噛み合わせを整える重要性や、その治療について話を聞いた。
(取材日2021年7月2日)
目次
放置しておくと、健康を損なう可能性も。丁寧な診査・診断をもとに全顎的な治療で適切な噛み合わせを
- Q噛み合わせが悪いと、どんな問題が起きるのでしょうか?
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A
食事の際や睡眠時の歯軋り、運動時食いしばる時など、歯はさまざまな場面で噛み合わせから生じる力を受けています。その力のかかり方のバランスが取れており、また、歯への負担が少ないような歯並びであれば、問題はありません。しかし、噛み合わせが悪く、歯に対して負担がかかってしまう状態になっていると、歯だけでなく、歯茎や歯を支える骨、顎の関節などの損傷につながることがあります。これは「咬合性外傷」と呼ばれるもので、噛んだ際の歯の痛みや摩耗、破折、知覚過敏、歯周病の進行といった症状が特徴です。また、噛み合わせの悪さが、顎の痛み、頭痛を引き起こす要因になることもあります。
- Qなぜ噛み合わせの悪さが、頭痛の原因になるのですか?
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A
顎の関節のすぐ上には「頭蓋腔」という、脳を収める空洞があります。噛み合わせが悪いと、顎関節の一部にあたる「下顎頭」が、「脳頭蓋」を刺激します。脳頭蓋とは、頭蓋腔を囲む壁となる部分であるため、そこへ刺激が加わることで頭痛が起きやすくなると考えられます。この種の頭痛は片頭痛に分類されますが、そもそも片頭痛の原因特定は難しく、頭部MRI検査などで調べてもわからないことが少なくありません。一方で、近年では噛み合わせとこうした頭痛の関連が注目されており、噛み合わせのバランスを治療で整えることが、ひいては片頭痛の状態にも影響を与えると考えられています。
- Q噛み合わせに関する検査や治療について教えてください。
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A
最初に顎関節や口腔周囲筋の触診と、エックス線検査や歯科用CT検査を行ってから、一人ひとりの患者さんに合わせ「スプリント」というマウスピースを作製します。これを使用することで痛みなど諸症状の軽減を図ると同時に、装着した時の噛み合わせを録画して状態を確認していきます。こうして得られた各種データを総合的に分析・評価して、治療の方向性を見極めることが重要です。治療では、機能面を考慮した矯正を行うほか、個々の状況を診て、歯周病治療や歯周組織再生療法、インプラント治療などを組み合わせることもあります。悪い部分だけに着目するのではなく、全顎的な治療を行うことで不具合の改善に取り組みます。
- Q再発や治療後の注意点について知っておくべきことはありますか?
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A
治療を通じて適切な噛み合わせが得られたしても、残念ながらその状態がずっと変わらずに続くわけではありません。歯を支える骨や筋肉は加齢によって徐々に衰えるものです。口腔環境が変化すれば、噛み合わせが原因の不調が再発する可能性もあるでしょう。治療した噛み合わせの状態を長く保つためには、治療終了後も定期的に受診し、予防や健康維持のためのメンテナンスを継続することが重要です。
自由診療費用の目安
自由診療とは全顎矯正/82万円5000円~(税込み)、歯周組織再生療法/1歯につき11万円(税込み)、2本目からは7万7000円(税込み)、インプラント治療/22万円~(税込み)