正しい知識を得て検討を
審美性だけでないセラミックの特徴
原田ファミリー歯科
(福岡市博多区/雑餉隈駅)
最終更新日:2023/11/14
- 自由診療
以前の虫歯治療では、欠損部分を金属で補う方法が一般的だったが、近年ではセラミックによる修復治療を選択する人が増えている。その理由として、「ご自身の歯や健康に対する意識の高い方が増えたからだと思います」と、「原田ファミリー歯科」の原田実佳院長。セラミックの特徴は、天然歯に近い見た目をめざす再現性の高さに加え、変色が起こりにくいため再治療のリスク軽減が期待できること、保険の素材に比べ耐久性が見込めること、そして金属アレルギーの人も治療できる点や、種類も豊富な点が挙げられる。しかし、自由診療であることや、「割れやすいのでは」といった不安から二の足を踏んでいる人も少なくない。そのため、原田院長にセラミックによる修復治療を検討する際のポイントなどを詳しく教えてもらった。
(取材日2023年1月30日)
目次
審美性の高さに加え、汚れにくく経年劣化が少ないセラミックによる修復治療。再治療のリスク軽減も図る
- Q詰め物やかぶせ物の素材には、どのような種類があるのですか?
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A
保険診療で一般的なものは皆さんご存じの金属でできた銀歯、あとはセラミックとレジンを混ぜ合わせたCAD/CAM冠という天然歯に近い色の詰め物やかぶせ物もありますが、保険適用となる歯の場所が限られていることと劣化や変色しやすいというデメリットも。一方、自由診療になると、強度があり奥歯などに適しているジルコニアセラミックや、レジンとセラミックが混ざったハイブリットセラミック、セラミックだけで作られたオールセラミックなどがあります。これらは生体親和性に優れ、金属アレルギーの心配もありません。とはいえ、衝撃に弱いなどのデメリットもありますので、そこはしっかりとご説明いたします。
- Qセラミックは割れやすいと思っている人もおられるのでは?
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A
確かに、どんなに良いセラミック素材のものを入れても人工物ですので、歯に大きな負荷がかかる噛み合わせや食いしばりの癖がある方だと、削れたり割れたりします。ですので、それを防ぐために寝る時はマウスピース型のスプリントを着けてもらうなど、その方の口腔内のリスク回避のための策を講じます。ただ、噛み合わせが悪い場合は、どんな詰め物やかぶせ物を入れても噛み合わせを正さなければ長持ちしません。そのため、矯正を行ってから詰め物やかぶせ物の治療をする流れになります。過去に治療済みの詰め物やかぶせ物も、矯正後は当然合わなくなるため、矯正とセラミックの修復治療をセットでご提案することも多いです。
- Qセラミック素材ならではのメリットや特徴をお聞かせください。
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A
変色しにくく、汚れが付着しにくい点ですね。お皿を洗うときを想像していただけるとわかりやすいと思います。カレーをプラスチック容器に入れておいたとき、洗ってもなかなか取れないですよね。一方、セラミックのお皿だと色は付着しません。これと同じことなんです。自由診療にはなりますが、これから先の人生を考えた時に何を重視するかで治療の選択肢が変わると思います。価値観は人それぞれ違いますので、そこは私も無理強いすることは決してありません。いかに患者さんの要望をすくい上げ、適した治療を提供するかは、やはり患者さんとのコミュニ―ションが大事だと考えています。
- Qどんな方がセラミックを希望されることが多いですか?
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A
当院では30代~60代の女性が多いように感じますが、セラミックの修復治療を希望される方は、男女に関わらず、ご自身の歯や健康に対する意識が高い方だと感じます。費用がかかるのに、それでもセラミックが良いとおっしゃる背景には、もちろん見た目の美しさもあるでしょうが、それ以上にこの先も自分の歯でおいしいものを食べ、健康な体で暮らしたいというお気持ちが強いのだと思います。今は簡単に情報を入手できる時代ですので、メタルフリーに関する知識をお持ちの方もいますし、セラミックについて調べて来られる方も増えてきました。しかしながら誤った情報を信じている方もいるため、その場合は正しい知識を得てもらえるよう努めます。
- Q受診頻度や治療期間について教えてください。
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A
保険治療の場合は比較的早く終わります。一方、自由診療になると、歯の位置や状態に合わせて土台をしっかりと整えますし、歯茎とのバランスや色味など、何度も細かな調整を行います。治療回数は症状や治療によって異なりますが、保険診療と同じ治療回数というわけにはいかないことが多いです。やはり、治療に至った背景には、虫歯や歯周病トラブルであることがほとんどですから、土台となる歯茎の状態を整えてからでなくては、次のステップに進むことはできません。そういったことも含め、ご理解いただくことから始めますが、自由診療を選択される方は歯に対する意識が高い方が多いので、腰を据えて治療に取り組まれる印象が強いですね。
自由診療費用の目安
自由診療とはセラミックのかぶせ物/10万4500円~(型採り5500円)、セラミックの詰め物/4万6200円~、小児矯正/11万円~ 成人矯正/マウスピース型装置を用いた部分矯正:44万円~、ワイヤー矯正55万~(それ以外の矯正は88万円~)