マイクロスコープの機能を活かし
将来を見据えた精密な治療を行う
荒木歯科医院
(筑紫野市/朝倉街道駅)
最終更新日:2024/06/24
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歯科治療で使用される“マイクロスコープ”は、肉眼で見えなかったものが見えるということは知られていても、具体的に治療にどのように活用されているのか、それが患者にとってどんなメリットをもたらすのかは、まだ広くは知られていない。朝倉街道駅から徒歩3分の場所にある「荒木歯科医院」では、数年前からこのマイクロスコープを導入し、根管治療などはもちろん、診断や治療経過を患者と共有するツールとして、診療のさまざまな場面でマイクロスコープを活用している。「マイクロスコープの特徴の一つが録画機能。患者さんの治療への理解を深めるために欠かせない機能と考えています」と話す荒木淳院長に、マイクロスコープとはそもそもどのような機器なのか、どういったメリットがあるのかを解説してもらった。
(取材日2021年3月8日)
目次
虫歯の発見からインプラント治療、定期的なメンテナンスまで、歯科治療の軸としてマイクロスコープを活用
- Qマイクロスコープはどのような機器ですか?
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A
歯科用マイクロスコープの特徴としては、拡大、照明、録画記録の3つが挙げられます。拡大と照明によって“大きな術野”での精密な治療が行えるようになりました。例えば虫歯治療では針のように細かい器具を併用することで、最小限しか歯を削りません。削った部分に詰め物やかぶせ物をする場合も、境目がわからないよう、より精密に埋めたり、かぶせたりすることもできます。歯周病の治療ではごく小さい切開で済むでしょう。また治療の様子を録画していますので、治療の前後には患者さんと一緒に動画で確認できます。3つの特徴を十分に発揮することで、歯科治療のあらゆる場面で活用できる機器なのです。
- Qマイクロスコープの使用で、どのようなメリットがありますか?
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A
精密に埋めることが、虫歯の再発防止につながりますし、小さな切開で済めば治療期間が短くなりますね。つまり患者さんの負担を軽くできるのです。また治療の様子を動画で患者さんに共有することで「こうやって治療したのか」と安心してもらえて、治療のモチベーションも維持できるでしょう。同じような症例の動画を使って、治療の具体的なイメージをお伝えすることもあります。一方でクリニック側としては、治療内容をスタディーグループ内で評価し、技術向上にも活用できますし、マイクロスコープを使ったことがない先生も動画を通じて勉強ができます。患者さん側も歯科医師側も得られるものが本当に多いと感じています。
- Q実際にどのような治療で使われているのでしょうか?
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A
マイクロスコープを活用して治療を行う場合、根管治療という言葉はよく耳にされると思います。歯の深い部分まで治療するため、マイクロスコープがとても役立ちます。他にも先ほどお話ししたような虫歯の治療や、インプラント治療とその骨増生など、本当に歯科治療のさまざまな場面で活躍するのがマイクロスコープです。さらに、“治療”だけにとどまるものではなく、実際は“診断”をつける時から使用しています。虫歯や歯周病の病態の把握、裸眼や拡大鏡では見えないほどの小さなクラック(歯のひび割れ)なども鮮明に見ることができます。マイクロスコープは、患者さんがイメージする以上にお口の中の情報が得られる重要なツールなのです。
- Q治療だけではなく、治療の説明や状態の把握にも役立つのですね。
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A
やはり言葉よりも画像が、さらに画像よりも動画のほうが、より多くの情報を患者さんに伝えることができます。ご自身の健康状態に興味を持ってもらえますし、治療内容も理解しやすいでしょう。患者さんご自身が気になっていた箇所以外にも問題のある箇所が見つかったとしても、治療の必要性をスムーズに理解していただけます。さまざまな事情で今すぐの治療が難しくても、実際に自分の目で確認していることで、「いずれは治療しないと」という治療へのモチベーションが大きく変わってきます。他にも歯磨き指導では、実際に磨いているところを撮影して磨き残しを確認したり、私たちがブラシを当てた様子をモニターに映して説明することもあります。
- Q先生が、診療で特に気をつけている点は何でしょうか?
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A
“丁寧でわかりやすい説明”という点は常に心がけています。当院では全顎的な治療を行いますが、マイクロスコープで見える“ミクロ”の話と、咬み合わせや歯並びなどの“マクロ”の話は、できるだけ分けて説明しています。例えばマイクロスコープで奥歯にクラックが見つかったとします。これがミクロの視点ですね。さらに見ていくと、反対側にも同じようなクラックがある。ということはマウスガードなどを使ってさらなるひび割れを防ぐ必要があると、全体的な対応も考えられるようになります。このようにお口全体のことを見るマクロな視点と、歯の一本一本を見るミクロの視点、両輪で診断も治療も進めていくことが大切なのだと考えます。
自由診療費用の目安
自由診療とはインプラント治療/44万円~、骨増生/5万5000円~